同世代のプロ用フルメカニカル機【Nikon F2 VS Canon F-1】勝手に比較してみた。
こんにちは「Kio」です。
タイトルだけ見るとかなり物議を醸もしそうな気もするが、、、
今回は1970年初頭に発売されたニコンとキャノンのフルメカニカルフラッグシップ機である
- Nikon F2フォトミック(DP-1)
- Canon F-1アイレベル
を梅雨で暑いし、余り写真を撮りに行けなく暇なのでつまらないので、様々な角度から勝手に。自由に両機を徹底比較(当社比)してみたのでそちらの記事。
是非最後までご覧ください。
比較って言っても、何を比較するの??
Nikon F2 VS Canon F-1なんて勢いでタイトルを付けたのは良いが、はっきり言って
「どっちも良いカメラで好き!!!」
じゃあ話が終わってしまう、、、
そこで今回はいくつかの項目に分けて主に使い勝手を中心に勝手に比較する事にした。
尚、今回は
Nikon F2 フォトミック(DP-1)
と
Canon F-1N(アイレベル)
を比較対象とする。
F2をアイレベルにしなかった理由は、当時F2のスタンダードはフォトミックで、アイレベルがプロやガチ勢のオプション扱いであり、あくまで当時一般の愛好家がカタログを見て購入して使う事を想定した場合F2はフォトミック、F-1はアイレベルがスタンダードであっただろうと考えたから。
本記事では以降Nikon F2フォトミック(DP-1)は「F2」、Canono F-1Nは「F-1」と表記する。
比較の項目
比較に当たって
- 外観デザイン
- 堅牢性
- 基本スペック、操作性、使用感
- 巻き上げの感触、シャッター音
- 露出計回り
- ファインダー回り
- システム製
- アクセサリーの入手性
- ボディー、レンズの入手性、中古相場
- 整備性
の「10項目」を★5つ満点の50満点で比較していこうと思う。
※★が1点、☆が0.5点
※先に断っておくけど、今回の比較は完全に筆者の独断と偏見に基づき、勝手に比較しているだけなのでいかなる文句苦情も受け付けないのであしからずw
1.外観デザイン
これについては完全に好みな気もする、、、、
F2は基本シルバー、ブラックが用意されており、F-1はブラックのみ。
細かく見ると、F2はややボディーエッジが丸みを帯びていて、F-1のボディーエッジはシャープで角ばっている感じで、塗装もF-1の方が艶感が高く黒光りしている感じではある。
どうでも良いマメ情報をぶっ込むと、Canon F-1は黒光りしたツヤツヤのボディーが「とらやの羊羹」なんて言われてたりもしていたらしい。
どっちもカッコイイと思うし、好きだけど、あえてこの2つを比べるなら、つやつや黒光りした角ばったF-1がデザインで見れば圧倒的に好き。
F2=★★★☆3.5
F-1=★★★★★5
F2はチタン製、F-1はオリンピックモデル、やオリーブドラブ等の派生はあるが、希少性も高く、性能は一緒なので考慮には入れない。
2.堅牢性
堅牢性は両者共にめちゃめちゃ丈夫だが、個人的にF-1ではシャッターブレーキの不調によるシャッターバウンド、ミラーアップが出た事がある。
更にF-1はボディー内部に露出計を組み込んだり、複雑な構造で壊れ易いとは言わないが露出計回りのトラブルは多少あるとも聞いたことがある。
F2はまだ2年程しか使っていないが何とも言えないが、電池室のトラブルを聞くくらいでかなり丈夫だと思う。
因みに両方ともめちゃめちゃ重いが、F-1の方が角ばっている感じで鈍器としての攻撃力は上w
F-はまだ長く使ってないし、両機共に「丈夫」との評判なので両者引き分け。
F2=★★★★★4.5
F-1=★★★★★4.5
3.基本スペック、操作性、使用感
基本スペックは共に高く、チタン幕横走りで最速シャッタースピードは1/2000を実現しており、当時としては最高峰、今でも普通に使う分には問題無い。
唯一ハッキリとした違いといえばF2はSS1/80以上で中間速の設定が出来る事くらいか?
コレは実用的かどうかは別だが、あまり中間シャッターが使える機種は無いので珍しい。
操作感についてはレンズのピントリングの回す方向が逆だが、慣れの問題。
マウントはF2はニコンFマウント、F-1はFDマウント(FLレンズも使えるが開放測光では無い)で、ややF2レンズの方が取り外し等の取り回しはFDと比べて良いと感じるが、のちのNew FDになるとボタン一つで着脱できるようになっている。
その他、使用感は特に特筆すべき点は無く、細かい点の違いはあれど、両機ともプロが使うのを想定しているだけあって良いと思う。
迷ったが、全体的に見て同点かな。
F2=★★★★4
F-1=★★★★4
4.巻き上げの感触、シャッター音
これも共にしっかり整備されている物であれば感触もかっちりしていて好印象。
巻き上げ角はF2が120度でF-1Nが139度と少し違い、両者とも指あてが付いている。
巻き上げの感触はF2、F-1N共にシャキッン、シュッ!(伝わらないと思うけど、、、)とした感触で、ゴリゴリ感はあまり感じず、悪く無い。
比較対象外ではあるがF-1前期はヌルヌルした巻き上げ。
シャッター音はF2がやや高音で、F-1Nは柔らかい。
両機ともやや金属音混じりの音質。
両機共にレリーズタイムラグも少なく、ミラーの戻りも速く、テンポ良く撮影が出来る。
これも完全に好みだよなぁ、、、、
F2=★★★★4
F-1=★★★★4
5.露出計回り
露出計回りの比較をしていくと、やや差があると思う。
F2フォトミックは露出計が得られる代わりにフォトミックファインダーが頭でっかち(カッコいいけど)となるが、F-1はアイレベルの状態で露出計が組み込まれている。
しかし、測光範囲はF2フォトミックがEV1~なのに対し、F-1は2.5~で、暗所での使用感はF2が優れていて、更に使用電池もF2はSR(LR)44×2と入手性は高く安い。
対し、F-1は現在では生産されていないMR-9水銀電池を使用する(アダプターや代替電池はある)。
露出計のオンオフはF2が巻き上げレバーを少し引っ張り出せば自動でオンになるが、F-1は背面左上のスイッチ操作が必要とF2の方が便利。
測光方式はF2が中央部分重点測光なのに対し、F-1はファインダー内12%の部分測光と、測光方式が違うが、これは場合によってはF-1の部分測光はスポット測光的にも使えるし一長一短かな。
共にAE等は無く、フルマニュアル。
アイレベルで露出計を標準内蔵しているが、電池が今となっては特殊なF-1と、頭でっかちの専用ファインダーを使うが、電池の入手性が高いF2、、、ほぼ互角だが、個人的に露出計回りはF2フォトミックが僅かに優れていると思う。
露出計を使わない人にとってはなんの意味も無い比較ではある。
F2=★★★☆3.5
F-1=★★★3
※精度に関しては査定外
6.ファインダー回り
共に流石フラッグシップ機、ファインダー倍率も高く、各種交換ファインダーも用意されているが、F2のファインダー倍率は0.8倍で視野率100%、F-1はファインダー倍率こそ一緒の0.8倍だが、視野率は97%となっている。
正直フラッグシップは視野率100%必要だ!!!って人以外は余り気にならないレベルではある。
ファインダー内表示はF2が絞り値、シャッタースピード、露出計の表示があり、F-1はシャッタースピード、露出計表示はあるが絞り値は確認できないので、ここはF2の方が便利かな。
スクリーンも両機、各種様々な物が用意されている。
F2=★★★★4
F-1=★★★★4
7.システム製、拡張性
これについても当時のプロが使うのを想定されている機種だけあり、両者共に様々な物が用意されている。
ワインダー、モータードライブ、各種交換ファインダー、スクリーン、長尺マガジン、実用性は???な物も含め、めちゃめちゃあり両機共に拡張性は高い。
ただ、システムの1つであるレンズ群はニコンの方が使える種類も多く、入手性も良く、ごく最近まで一部のMFレンズが新品で購入出来たという点から考えてもシステム製にレンズ群も含めるのであれば総合的に見ればF2の方が良いと思う。
F2=★★★★★5
F-1=★★★★☆4.5
8.アクセサリー類の入手性
共に多くのアクセサリーがあるが、入手性は明らかにF2の物の方が良い感じがする。
共に近年手に入り辛くはなっているが、交換スクリーンや、アイカップ等も圧倒的にF-1の物は少なく、見つけづらい気がしている。(F-1関連のアクセサリー見つからないの僕だけ??)
アクセサリー類は両機とも、オークション等で見つけたらなるべく確保する事をおススメする。
F2=★★★3
F-1=★☆1.5
9.ボディー、レンズの入手性、中古相場
共に中古相場は同じ位だが、ややF2フォトミックシルバーは出物も多く安い印象で、ブラックは少しお高め。
両機ともシャッターが切れる物で15,000円位から見つける事が出来ると思う。
レンズの中古相場はニコンもキヤノンも「安いのから高いの」まで様々過ぎてどちらが安いとかは一概には言えないが、FDレンズは生産終了してから大分時間が経つので、良い個体は少なくなってきていて、希少性が高い物はかなりの値段になっている。
ニコンFマウントレンズはF2はかなりの種類を使う事が出来、非Ai~AFレンズまで絞り環が付いていれば使え(カニ爪が無いと露出計連動はしないが使える)かなり優秀で、レンズも大量にに出廻っていて入手性はかなり高い。
ボディー自体の入手性はほぼ互角だが、使用出来るレンズ群の入手性、種類は圧倒的にニコンが強い。
F2=★★★★☆4.5
F-1=★★★3
10.整備性
共に現在でも多くの店でフルオーバーホールは可能。
よほどのことがない限り修理も可能だ。
露出計もニコンDP-1なら修理してくれる所も多い、F-1の露出計も修理可能な場合もあり50年前のカメラとしては両機とも整備性はとても高い。
ややNikon F2の方が露出計含め対応してくれる店は多いと思うが、カメラとしての機能回復であれば整備性は同じ位か?
F2=★★★★★5
F-1=★★★★★5
F2フォトミック VS F-1Nの集計結果
ここまでかなり主観と独断点数を付けて10項目で比較して来たが、★の合計点は50満点中、、、
Nikon F2フォトミック(DP-1)=★41点
Canon F-1N=★38.5点
という、かなりの接戦!!!!!!!
って、誰の為にもならないし、どうでもいいかもしれないけど、、、、
そもそもF-1が明らかにF2に劣っていると感じる点は、アクセサリー類の入手性、レンズ群の汎用性位でどちらも写真機としての完成度は高いと思う。
最後に
最初に書いた通り、完全に好みと独断で勝手に比較してるだけなので、人によっては
「ちが~うっ!!!!」
「わかってないなぁ~」
なんて思う方もいるかもしれない。
大事な事だからもう一度言うけど、苦情は一切受け付けないからねっ!!!!
ともかく、異論はあるかと思うが「そういう風に思ってるんだあ~」位の優しい気持ちで見て欲しいw
どちらにせよ両機共、1970年代を代表するフルメカニカルの名機である事は間違いないし、どちらも思い入れもあり大好きなカメラ。
尚、描写に関してはそれぞれ使うレンズ、フィルム等様々な条件で変わってくるし、FマウントレンズとFDマウントレンズのどちらの描写が優れているとかは無いと思っている。
今の時代だからこそ、当時の各メーカーのプロ機が手軽に使えるので、機会があれば是非手にして欲しい名機だ。
最後まで書いて気づいたが、別に★要らなくね???点数だけで良かったのでは???と思ったが、直すのも面倒なのでそのままとする。
グズグズ勝手に「F2 VS F-1」比較してみた記事でした。
最後まで見て頂きありがとうございました。