~モノクロ自家現像を始めよう①~道具準備編 コストはどれ位か?

最近カラーネガフィルムの値段が高騰しています。

現在安いフィルムでも1本1000円~、現像料金も安くて500円~、さらにデータ化するともっとコストが掛かってしまいます。

でもフィルム写真は楽しみたいですよね。

そこで「モノクロフィルム自家現像」をお勧めしたいと思いこの記事を書きました!

はじめに

【本記事①道具準備編】【②リールにフィルムをセットする方法】【③現像実践編】【撹拌の方法、現像データの読み取り方】の4つの記事で構成されていますので、少し長いですが読んで行くと記事の最後に次の記事のリンクがあります

※2024年6月23日追記しました。

MARIXフィルムさんから「現像タンク二種類」「16mm用リール」「ダークバッグ」「フォトスポンジ」「フィルムピッカー」等現像用品一式販売開始しました。

これでMARIXフィルムでは「フィルム」「現像薬品類」「現像用品」がほぼ一式揃うので、カラー、モノクロ現像をこれから始めるにはオススメ!

〜MARIXフィルム公式現像用品販売ページ〜

MARIX現像タンクとフォトスポンジのレビュー記事も書いています。

自家現像って難しいの?お金掛かりそう、、、

結論から言えば

「割とハードルは低めで、コストもそこまでかからない!!」

本記事では、自家現像を始めるにあたり必要な道具や値段、自家現像の方法等を解説していきます。

自家現像に必須な物と値段

ここでは自家現像に絶対必要な道具一覧とその値段を紹介します。

まずは絶対に必要なもの  ※値段は主にアマゾン、ヨドバシカメラ調べ

とりあえずこの1~9があれば現像だけなら出来ちゃいます。

次は1~9のコストと説明。

※用品の値段は日々変動しているので注意してください。

1.撮影済みのモノクロフィルム 

1本700円~  これは説明いりませんね、フィルムが無ければ現像出来ません((笑))

2.現像タンク 

新品5,058円~  これも大きさ、メーカー等いろいろありますが、一般的なものだと35mm1本~2本現像出来るサイズのものが最初は使い易いです。値段も2022年現在アマゾンでは「現像タンク」と検索すると135フィルムは一回で2本処理、120フィルムなら1本処理出来るものが新品4300円で販売されています。この現像タンクは僕も持っていますが普通に使用できます。

Amazon「現像タンク」リンク

3.ダークバッグ、チェンジバッグ 

2,850円~  ネットで新品2,850円~販売されています。

このダークバッグとは「小さい暗室」を作る道具で、モノクロ自家現像では暗室が必要なプロセスは撮影済みのフィルムを現像タンクにセットする所のみです。現像タンクにセットさえしてしまえば、あとは明るい場所で処理できますのでこのダークバッグは必須となっています

Amazonダークバッグ購入リンク

4.薬品類  

現像剤246円~定着液1,010円〜  モノクロ自家建造では数種類の薬品を使用します

1.現像剤・・・・・撮影済みのフィルムに像を浮かびあがらせる薬品各種様々な特性を持った現像液が存在する。

Amazon「富士フイルムスーパープロドール白黒現像剤」リンク

Amazon「富士フイルムミクロファイン白黒現像剤」リンク

2.定着液・・・・・浮かび上がらせた像をフィルムに定着させる薬品             (富士フィルムのスーパーフジフィックス等 ヨドバシで1,010円)

Amazon「富士フイルム白黒フィルム定着剤スーパーフジフィックス」リンク

とりあえず必須なのは「現像剤」と「定着液」の2種類です。※他には停止液と水洗い促進剤、水切り剤等ありますが必須ではないので入れていません。

5.薬品保存容器  

0円~  必須ですが僕はペットボトルを使ってます。注意点としては現像剤は粉末タイプの物なら水に溶かして「現像液」にするのですがこの現像液は光に弱く、明るいところで保管すると劣化が早く進んでしまいます。なので専用の容器は茶色や黒で遮光してあります。ペットボトルを使用する場合は、100均などで売っている黒いビニールテープを巻いて遮光しています。

保存容器は「現像液」「定着液」用で最低2本と、廃液を管理するように大きいポリタンクもあると良いでしょう。

→Amazon「エツミ 薬品保存ボトル1ℓ用」リンク

6.洗面所や風呂場等水が出る場所 

0円~  家の洗面所やお風呂、台所等水が出る場所であればどこでも良いです。

注意点としては一応毒性がある薬品を使用するので慣れないうちは食品を扱う台所等は避けるのが賢明でしょう。あとお湯が出る環境があった方がいろいろ便利です。

7.水温計  

1,000円~  水温計は現像に使用する薬品系の液温管理に使用します。1,000円~と書きましたが、アナログ式の安い物であれば200円位からありますが、デジタルのものが反応も早くおすすめです。水温計は薬品につけて測るので現像専用にしてください。

8.メスカップ等  

1つ110円〜  メスカップは現像剤を溶かして現像液を作ったり、現像時に規定量を測るのに使用します。1000ml、500ml、250mlの物が各1つづつあれば良いと思いますが、各薬品を使う量に対応した大きさのメスカップがそれぞれあると最初は便利かも知れません。その他ゴム手袋や使い捨てビニール手袋もあると良いでしょう。こちらも100均の物で構いません。 

9.ストップウォッチ  

0円〜  現像の時間を管理します。スマホのストップウォッチで大丈夫です。


以上の物が「モノクロ自家現像」を始めるにあたって必須の道具です。

次の項目では必須ではないものの、あると便利なものを紹介していきます。

自家現像にあると便利なものと値段

  1. はさみ
  2. フィルムピッカー
  3. 停止液、水洗い促進剤、水切り剤
  4. フィルムクリップ

この1~4の物は必須ではないですが、あると便利だったり、時間の短縮になるものなので余裕があればそろえると良いでしょう。

1.はさみ 

110円〜  100均の物で十分です。ダークバッグ内でフィルムを切り離したり、現像後のフィルムを切り分けるのに使います。フィルムを切り離すのはなれると手でちぎれますが、最初ははさみがあると楽。

2.フィルムピッカー 

1,110円~  ヨドバシにて1,110円でした。これはフィルム撮影後フィルムのベロを残して巻き取れば必要ないのですが、カメラの種類によっては自動巻き戻しでベロまで巻いてしまうものもあります。現像タンクにセットする際にベロが出ていないとセット出来ないのでフィルムピッカーが必要になりますが、僕はピッカーなしでもフィルムのベロを出す方法を知ってますので今はピッカーは使ってません。初めての方は無いと最初で躓く事になるのである意味必須かも、、、

3.停止液、水洗い促進剤、水切り剤

73円~  必須の項目で書いた「現像剤」、「定着液」は必須ですが、「停止液」水洗い促進剤」「水切り剤」については必須ではないですが、高いものでは無いですし、一応専用の薬品ありますのであると便利でしょう。

「停止液」 現像後それ以上現像が進んでしまわないように使用します。フィルムと現像液の反応を止めるのに「酸性」が必要なのですが、現像終わりすぐに水を入れ替えながらでも代用可能です。専用の停止液も売っていますが酸性であればいいので僕は100均で掃除用クエン酸を買ってきて水に溶かして使用しています。

「水洗い促進剤」 富士フィルムのQWという名前でヨドバシで2L用が73円で売っています。

「水洗い」の工程で使用。これも水で代用できますがこのQWを使用すると約60分の水洗いが10分に短縮できます。なくても構いませんが水道をチョロチョロとはいえ60分間出しっぱなしにするので73円で買える上に、水道代と時間が大幅に節約できるのであった方がいいでしょう。

「水切り剤」 水洗い後、フィルムを乾燥させる前に使用します。

富士フィルムのドライウェルという名前でヨドバシで200cc、356円で販売しています。

Amazon「富士ドライウェル200㏄」リンク

これは乾燥のときに水滴の跡などを防いでくれるものです。200ccと少なく感じるかもしれませんが1Lに対してキャップ1杯しか使わないのでかなり持ちます。

これに関してはまぁ、あると便利だけどなくてもいいかな、という感じですね。

4.フィルムクリップ  

855円  フィルム乾燥の際に使用するものです。軽く錘が入った仕様になっており、吊るして乾燥させる時にフィルムがまっすぐになります。これも工夫して普通のクリップを重くすれば代用可。

以上があると便利なものたちでした。

次の項目では必須、あると便利なものの合計金額を見てみましょう。

自家現像に使う道具一式とその費用合計金額

自家現像に必須のものとあると便利なものを見ていきました。

結局どれくらい費用は掛かるのでしょうか?

全て新品でそろえた場合の金額を見てみましょう。

  1. 現像タンク   
  2. ダークバッグ、チェンジバッグ   
  3. 薬品類   現像剤、定着液合計 
  4. 薬品保存容器   ペットボトルを使えば 
  5. 洗面台や、お風呂等水が出る場所  大体家にあると思う 
  6. 水温計  
  7. メスカップ、ゴム手袋 
  8. ストップウォッチ 
  9. はさみ  
  10. フィルムピッカー 
  11. 停止液、水洗い促進剤、水切り剤 
  12. フィルムクリップ  

合計約15,000円あれば自家現像で必要な物は大体揃います。

しかも薬品類以外は繰り返し使用できます。

アマゾンでは薬品類と、フィルム以外の自家現像に使う道具がセットになった物が11,000円(2024年7月現在)になっているのでこちらもはじめて買う方は選択肢に入れても良いかもしれません。

アマゾンで販売している現像キット。アマゾン販売ページより。購入リンクは下部

Amazon「フィルム自家現像キット」リンク


まとめ

モノクロ自家現像を始めるにあたって最低限必要なものを書いていきました。

【カラーネガフィルム自家現像】MARIX C-41現像剤を使ってカラーネガフィルムの現像をしてみた。使い方や注意点。※安全データシート追加

カラーも簡単に現像出来ます!

厳密には薬品の種類や、何の道具を使うかで値段は変動しますし、ここに書いたものは必要最低限の物です。アマゾンやヨドバシで新品購入できるもののみを集めてみましたのでこの記事に書いてある道具を揃えればとりあえず「モノクロ自家現像」を始めることができます。

現像タンクやダークバッグ等はヤフオク、メルカリ等で探せばもっと安く購入できるでしょう。

この記事を読んでで頂けたら、下記リンク記事【②リールにフィルムをセットする方法】へお進みください。

この記事をみて頂いて「モノクロ自家現像」始めよう、やってみたいと思って頂けると嬉しいです。