【フィルムレビュー】MARIX FILM400/モノクロマリックスフィルム。EI400とEI200の写り比較。撮影、現像時の注意点あり。
こんにちは、今年もあと1か月を切り、なんだか意味もなくそわそわしている「kio」です。
年末になり中々忙しく、現像は終わっていたのですがやっと記事を書くことが出来ました、、、
最初の作例の分は11月中旬に撮り終わり、現像も済んでいたのですが、今回ちょっとこのフィルム癖があるので先日もう1本撮ってきて現像しました。
具体的にはこのフィルムISO400ですが、もう一本はISO200、要するに「EI400」「EI200」として撮影、現像したものを比較と、フィルムレビューしていこうと思います。
先月公開した「MARIXカラーネガフィルムレビュー」に引き続き今回はMARIXのモノクロフィルムを使ってきたので簡単なレビューとか現像データ等を書いて行きます。
今回使ったモノクロフィルムもカラーネガに続き「MARIX」さんからサンプル提供頂いたものです。
マリックスのカラーネガフィルムについてはこちらをご覧ください。↓↓↓
是非最後までご覧ください。
まずは「マリックスフィルム」について簡単に。
最近フィルムカメラ界隈でちょっとした話題になっている「MARIX FILM」、このマリックスフィルムは日本の会社が最近新たに販売を始めたネガフィルムです。
現在このマリックスフィルムのバリエーションは感度違いで3種類。
- カラーネガフィルム【MARIX 400D】36枚撮り
- カラーネガフィルム【MRIX 100D】24枚撮り、36枚撮り
- モノクロネガフィルム【MARIX 400】
- モノクロネガフィルム【MARIX100】
の4種類。
今回はこの中からモノクロネガフィルム【MARIX 400】について書いて行きます。
「モノクロマリックスフィルム400」の中身は?
マリックスフィルムのカラーネガフィルムは【コダックの映画用フィルムVision3】を通常のC-41現像出来るように、ハレーション防止のカーボンを除去してあるフィルムです。
そして、今回使った「モノクロMARIX 400」の中身はFOMAPAN 400との事。
そして「MARIX100」も同じくフォマパン100。
これはマリックスさんの公式HPにもしっかり記載があります。
メイドイン「チェコ」と書いてあるフィルムはかなりの確率で中身はフォマだと思います。
更にはフィルムもスプール差し込みタイプという事で、安心して現像に出すことが出来ますね。
中身がフォマパン400という事で、現像に出す場合も「中身はフォマパン400」です、と伝えれば問題なく現像してもらえると思います。
自家現像する方はちょっと注意が必要、理由は後述します。
モノクロマリックスフィルム400の購入方法値段
モノクロマリックスフィルムは「MARIX」さんのHPより直接購入するか、メルカリで購入可能です。
金額はマリックスHPだと10本セット9,300円、メルカリだと1本1,000円で、購入数増える毎に少し安くなっていきます。
以前はマリックスさんのHPにも1本ばら売りあったのですが、現在では10本セットでの取り扱いしかないようですね。
1本だけ欲しいという方はメルカリでの購入を検討すると良いでしょう。
※カラーネガフィルムの「MARIX 400D」は某有名ショッピングサイト等で3本10,000円以上で販売されているのを確認しました。
これは明らかに高額転売なので絶対にそういう所から買わない様に気を付けて下さい。
公式HPやメルカリが正規の値段です。
モノクロMARIX400の特徴
ここからは特徴です。
- 旧乳剤使用のトラディショナルタイプの黒白フィルム
- ISO400は出ていない【※注意 これについては後述しています。】
- 粒状感は一般的なISO400のフィルムとしては普通~やや多めか?
- コントラストも普通。
- スプールエンドが差し込みタイプなのでお店に現像に出すときも安心。
- パトローネはプラスチックタイプ。
- DXコードは無しなので自分で感度設定が必要。
以上の点が僕が感じた「モノクロマリックス400」の特徴です。
EI400、EI200作例比較
ここから作例です。
今回はEI400、EI200として撮影していますのでまずそれぞれの作例を見て頂きます。
何故EI400、200と撮影したかは次の見出しに書いてありますが、まず作例を見てください。
ここからの作例は全てスキャン無補正です。
EI400撮影の作例。
処理はROLLEI SUPERGRAIN 1+15 21℃ 10´00
カメラはNikon F-801s
レンズは AF 50mm F1.4DとAF MICRO 6mm F2.8D
EI400の作例でした。
多くのシャドーディティールが失われアンダー気味で黒が潰れ、シャドー部分の粒状感も出ています。
全体的にトーンが暗く、カットによっては雰囲気が出ていると思いました。
次はEI200撮影の作例
処理はILFORD ID-11 1:1 20℃ 13´00
カメラはNikon F100
レンズはAF-S Nikkor 50mm F1.8G
EI200の作例でした。
先ほどのEI400の作例と比べてシャドー部分の諧調も残っていますし、粒状感も通常のISO400のフィルムであればこんなもんだろうという感じ。
なんでわざわざEI400とEI200の作例を並べたのか次に書いてあります。
EI400とEI200で比較した理由と、使う際の注意点。
先に結論を言うと、マリックスフィルム400の中身フォマパン400は「ISO400ありません。」
これはこのマリックスやフォマパンだけでは無く、フィルムは「公称感度」と「実効感度」があり実際のISO表記と実際の感度が違うフィルムは沢山あるんです。
物によってはその「実効感度」を加味して現像時間を出しているメーカーもあるんですけど、フォマパンについては箱のままのデータで現像すると、
大体2/3~1段程アンダー気味になります。
今回は400と200で撮り比べた作例をみて頂ければわかる通りEI400の方は「ややアンダー」EI200の方が「適正露出に近い」のがお分かり頂けるかと思います。
具体的には「シャドー部分」を見て頂くと、EI400はシャドーが潰れ、粒状感が増え、EI200ではシャドー部の階調が残っているのがわかるかと思います。
僕は今までフォマパン400をISO400で撮影して、箱のデータ通りに現像して上手くいった試しが有りません。
暗部が潰れ、粒子が荒れて、全体的に暗い雰囲気を出したい時はそのままISO400として使ってスキャン時に少し補正もありではありますが、全体の諧調を残しつつ、スキャン時に無補正で使うのはISO200のフィルムとして使うのがおすすめ。
なので僕はフォマパン400を使う時はISOは200~250位だと思って使ってます。
なのでISO400のまま使う方は、自分で現像する場合現像時間を少し増やした方が良いかと思いますし、ISO200~250位で撮って通常時間で現像が結果は良くなるかと思います。
僕はモノクロフィルムをお店に現像に出した事が無いのでこのフォマパン400はどんな感じに仕上げてくれるのか気になりますが、しっかりしたラボならこのフィルムの特性をわかっていると思うので問題ないのかなと思います。
という理由でこのフィルムを自家現像する方はお気を付け下さい。
因みに、僕が今までフォマパン400で使った現像液は
- SPD
- X-TOL
- D-76,ID-11
- Rollei SUPERGRAIN
ですが、このいずれもEI400としてのデータ通りで満足な結果は出たことが無いです。
シャドーディティールが失われてしまう」んです。
現像液によって相性等もあるかと思いますし、フォマパン400を箱の通りの時間で現像して「全く問題無かったよ」という方がいれば使った現像液や現像データを是非教えて頂きたいです。
それと僕が良く見ているフィルムカメラメインの動画配信している「中年オタッキー」さんもこのマリックス400=フォマパン400について動画を出していますので是非見てみて下さい。
中年オタッキーさんもフォマパン400については「実効感度400無い」という見解でした。
この方はとてもカメラ好きで、色々なカメラの話や、モノクロ自家現像、フィルム、カメラの話等の動画をYouTubeで配信しています。カメラ好きにはとても面白いコンテンツを提供しているのでカメラ、写真好きならおすすめですよ。
最後に
マリックス400のモノクロネガフィルムの現像と作例でした。
今回このフィルム実効感度が400無いとかなんだかネガティブな風に聞こえますが、上でも少し触れたようにフィルムで実効感度と公称感度が違うのは多々ある事ですし、写り自体はちゃんと撮影、処理出来れば中々の写りになるフィルムだと思います。
ややラチチュードが狭いのも、あえてハイライトを飛ばしたり、シャドーを潰したりといった表現も狙いやすいですし、何より安価で安定して供給が見込めるフィルムだと思いますので今後も使っていこうと思っています。
マリックスさんは最近カラーネガフィルムの100Dやモノクロの100もリリースしたりと、現在の深刻なフィルム不足の世の中で安定供給を目指して頑張っているようです。
僕も微力ながら購入して応援していこうと思っています。
そして、早速100Dを2本メルカリで購入しました。
ニコンF2に入れたので写真が出来たらまたレビュー書こうと思います。
皆様も是非「マリックスフィルム」さんを応援して下さいね。
最後まで見て頂きありがとうございました。