【F値=絞り値】を変えて背景ボケをコントロールしてみよう。
こんにちは「kio」です。
先日うちの奥さんkiioが「カメラはじめます」という漫画形式でわかりやすく、カメラ、写真の撮り方が書いてある本を読んでいました。
本人曰く結構知らない事とか、何となくわかってはいたけれど、改めて絵と活字でみる事によりより理解できるとの事。
確かに写真の基礎知識って言葉ではかなり説明し辛い事が多いと思います。
なので今回は特に「カメラ初心者向け」として絞りと写りの関係等をなるべくわかりやすく、作例と共に記事を書いて行こうと思います。
この記事に書いてあること、はデジタルカメラでもフィルムカメラでも共通なので、是非最後までお付き合い下さい。
はじめに
カメラ、特に一眼レフやミラーレス機を購入する理由って何ですか??
僕も最初そうだったのですが多くの人は一眼レフ機で
- より綺麗な写真が撮りたい
- 背景そぼかした写真が撮りたい
このあたりがコンパクトカメラや写ルンですから一眼レフや、ミラーレスを購入するきっかけの方が多いと思います。
ここでは「背景をぼかした写真が撮りたい」という事に焦点を当て書いてきます。
F値=絞り値で背景のボケをコントロールしてエモい写真を撮ろう
写真をやっていると「F」、とか「絞り」という言葉をよく聞くと思います。
このF値は絞り値とも言います。
なので、「F=絞り」
と覚えましょう。
このF,絞りが写真の背景のボケ具合を決める大事な要素の一つ。
物凄く簡単に言うと、、、、
- F値が小さい数字=ピントが合っている部分が浅くピント以外がボケる
- F値が大きい数字=全体にピントが合っているような写真になる。
この位の認識で大丈夫。
このFの数字ですがこれはレンズによって値が変わってきます。
例えば一眼レフ等を購入して付いてくる所謂「キットレンズ」と呼ばれるズームレンズはF値が4.5~等少し大きい数字からしかないものが多く、一つの焦点距離しかカバーはしていませんが「単焦点レンズ」と呼ばれるものはF値が1.4~ととても小さい数字になっています。
そして、上にも書きましたがこのF値が小さければ小さいほどピントが合っている面が浅く、背景がボケた写真が撮れます。
つぎの項目ではカメラの設定ついて。
背景ボケ写真を撮るためのカメラの設定。
背景ボケをコントロールするにはカメラ側の設定も重要になってきます。
大体の一眼レフには「A」というモードが付いているかと思います。
このAとは「絞り優先モード」の事で、F値を自分で選んで写真を撮ることが出来るモードです。
カメラの「Auto」や「P」モードだと絞りのコントロールは難しいのでまずは「A」モードに設定してみてください。
古い機械式のフィルム一眼レフカメラはフルマニュアルの物がほとんどなので自分で絞りとシャッタースピードを決める必要があるのでこちらはそのままで大丈夫です。
次は背景ボケを作る際のポイントです。
背景ボケを作る際のポイント
背景ボケを作るポイント
- F値を小さくする
- 被写体に寄る(もちろんレンズの最短撮影距離内で)
- ピントを合わせる物と背景の距離を離す
取り合えずこの3点を意識して撮影してみましょう。
次は比較写真を見て頂きながらこの3点について解説していきます。
絞り値の違いによる背景ボケの違い。比較
- 使用カメラ Nikon F-801S
- 使用レンズ Ai AF Nikkor 50㎜F1.4S
画像をクリックすると拡大しますので、F値を確認した後、拡大して背景ボケを比べてみてください。
比較写真1
「注意」の標識にピントを合わせています。
比較写真2
「写真左側のフェンス支柱」にピントを合わせています。
2つの写真を見て頂きました。
見てわかる通り、F値が大きいほど手前から、奥まではっきり見えて、F値が小さいとピント面を中心に手前~奥までボケているのがわかるかと思います。
比較写真3
「左の鉄塔」にピントを合わせています。
ピントを合わせる対象物迄の距離が離れている場合背景ボケは出にくいですが、よく見るとピントを合わせてある「左の鉄塔」の逆の「右側の鉄塔」がF8だとくっきり写っているのに、Fが小さくなるにつれボケているのがわかると思います。
比較写真4
柵の奥「画面中央」にピントを合わせてあります。
前ボケの比較です。
手前柵までは約20cm
前ボケの比較です。
手前の柵もFが小さくなるにつれボケていっていますね。
「前ボケ」はレンズの最短撮影距離より前に物を持ってくるとF値が大きくても結構ボケます。
奥の風景もぱっと見はわかり辛いですが、F値が小さくなるにつれてボケていっています。
比較写真4
「絵が描いてある左下の看板」にピントを合わせています。
これもF値が小さくなるにつれ、ピントの看板以外の背景のボケが大きくなっています。
ここまで比較写真を見て頂きました。
上に書いた「背景ボケを作るポイント」
- F値を小さくする
- 被写体に寄る(もちろんレンズの最短撮影距離内で)
- ピントを合わせる物と背景の距離を離す
の通り、Fが小さければ小さいほど、ピント面が近ければ近いほど、ピント面と背景が離れれば離れる程「ボケ」は大きくなっていきます。
そして、この比較写真は50㎜単焦点レンズを使った場合です。
このボケ量はレンズの焦点距離よっても変わってきます。
これも説明するととても複雑なので判りやすくポイントのみ。
- 広角と言われる画角(24㎜、28㎜等)ではボケは出辛い
- 焦点距離が長いほど背景ボケは出やすい
- キットレンズなどのF値が大きいレンズでも一番長い焦点距離を選択するとボケは出しやすい
特に、最初に付いているズームのキットレンズ等を使う方は、F値が大きい物が多いかと思います。
その場合に背景ボケを出したい時はそのレンズの一番長い焦点距離を選択し、寄って使ってみるとF値が大きくても背景ボケをそれなりに出すことが出来ます。
下の2枚の写真は24-85mm F3.5-4.5の「85mm F4.5」で撮影。
↑焦点距離85㎜で寄るとF4.5位でもこれ位背景はボケます。↑
逆に24mmや28mmなどの広角を使った場合はかなり寄らないと背景はボケてくれません。
これは「被写界深度」というものが関係していて、レンズの焦点距離が小さければ小さい程、ピントが合って見える範囲が広く、深くなっていきます。
皆さんご存じ「写ルンです」は32mmの焦点距離で、F10なんですね。
32mmというちょっと広角寄りのレンズにFを10と大きくすることによって1m~遠景迄ピントが合っているように見せています。
デジタルカメラを使う方はFを変えながら色々モニターで確認できますので是非色々試してみてください。
使い込んでいくと自分が好きな「F値」がきっと見つかると思います。
次は、このF値の使い分けについて。
「主題」によってF値を使い分けよう
一眼レフをはじめて最初は何が何でもF値を小さくして「ボケ」を楽しみたくなりますが、何でもボケさせれば良い物ではありません。
ここでは「主題=写真で強調したい物」によってのF値の使い分けについて簡単に。
まずはこの写真をご覧ください。
1枚目と2枚目は40㎜、3枚目は50㎜の単焦点レンズで撮影。
1枚目のアジサイの写真はなるべく近くに寄って、左のアジサイを「主題」に据えています。
1枚目はFを大きくして、全体がはっきり写るようにしてもありかもしれませんが、今回は左手前のアジサイだけにピントを合わせ、F値を2と小さくし、更に寄って後ろを大きくボカしています。
2枚目のアジサイは1枚目と同じ場所の別の色のアジサイですが、沢山のアジサイを写したかったのでFを大きめにして、更に少し離れて全体を写しています。複数のアジサイが主題です。
3枚目は家の奥さんですが、これも奥さんが「主題」
主題がはっきりしている場合はF値を小さくして背景をボケさせる事によって「主題」を強調しています。
では次の写真
これは比較写真でも似たような構図がで撮っていますが、この写真の「主題」は「2つの鉄塔」と「雲」、ピントは左の鉄塔で合わせていますが、F値を11と大きくしてあえてボケを作らず全部をくっきり写してます。
風景写真や、人物と風景等はF値は8~に設定してくっきり全体を写してあげた方が良い場合が多いです。
せっかく綺麗な風景をバックに人の写真撮っても顔にはピントが合っているけど背景の綺麗な風景がボケていたら残念ですよね。
この写真は「主題」は「パンダの着ぐるみと、周りの人たち」なので、Fを8位にして、更に少し離れて撮ることによって全体にピントが合ったような写真にしています。
パンダを強調したかったのでパンダを中央に持ってきて、群がる人たちという感じで撮っています。
本当は少しトリミングしたかったのですが、面倒くさいありのままの写真をご覧いただこうと思ってそのままにしています!!!
いかがでしょう。
「主題」が単体の場合はF値は小さめにして背景をボカして、主題を強調する。
「主題が複数」の場合は複数の主題が全てくっきり写るようにF値を大きくする。
この2点を意識して「F値」を変えていくと、いつもとは違った写真が撮れるかと思います。
最後に
かなり長くなってしましましたが、これから一眼レフの購入を検討している方や、カメラを買ったばかりで全部同じ様に写ってしまう、、、なんて方はこの記事を読んで「F=絞り」をコントロールして背景ボケ写真を是非撮ってみてください。
デジタルなら失敗しても何回でもトライ出来ますのでまずは、F値を変えて色々沢山撮ってみてください。
フィルムカメラを使っている方は中々フィルムも高くなっていますし、気軽に試せないかとは思いますが、最初は1枚1枚シャッターを切った時のFとシャッタースピードをメモって、現像から上がってきた写真を見て、このF値だとどう写るかを確認しながら数本フィルムを撮っているとだんだんわかってくると思います。
是非皆さんも背景ボケをコントロールして素敵な写真を沢山撮って、カメラ、写真を楽しんでくださいね!!
最後まで見て頂きありがとうございました。