フィルムカメラ

ドン・キホーテから発売されている使い切りハーフサイズフィルムカメラについて。中身、現像方法等まとめ。

こんにちは「Kio」です。

ちょっと前SNSでフィルムカメラに付いて話題になっていた。

それはこちら

画像はドン・キホーテ公式インスタグラムよりお借りしました。

「ドン・キホーテ限定使い切りハーフサイズフィルムカメラ」

が販売されているようだ。

僕はそんなに興味が無かったからスルーしていたんだけど、SNSでちょっと燃えているみたいで、、、、、

さらには間違った情報を拡散している方も多々いたので実際に使った訳では無いけど、調べてまとめてみた。

※その後自分で購入して撮り進めているので、撮り終わったら時分で現像して見る予定。

ドンキオリジナルLF

最後に現像出来る店舗の情報も記載してるので、是非最後までご覧下さい。

燃えている理由

SNSでプチ炎上しているみたい、と書いたが炎上理由としては、、、

  1. 中身は映画用フィルムなので現像出来ない!映画用フィルムだが加工はしてあり通常のカラーネガフィルムと同じ現像処理が出来るようになっている
  2. 現像出来ないヤバイのをドン・キホーテは販売しているいや、だからね、一応普通に現像は出来るんだけど、色々な事情があって全部の写真店で現像出来る訳では無い。
  3. 素性がわからないフィルムを現像機に通せない、、、これはある意味正しい

と言った書き込みをしている方が結構いた、、、、

これらの事はある意味正しいし、間違っている、、、

これからこのフィルムカメラを手にしようと思った人がそういった間違った情報を見てしまい、フィルムユーザーが減ってしまうのも困る、、、、

結論から言ってしまうと「ドン・キホーテ公式インスタ」のこちらの商品へのコメントでも公式で

「普通の写真用のC-41現像可能です」

と公式がコメントしているのでC-41現像可能なのは間違いない。

しかし、C-41現像は出来るが、色々な注意点もあるので、これらの事に付いても色々触れていこうと思う。

ドン・キホーテ使い切りカメラの中身のフィルムについて。

まずこちらのドン・キホーテのフィルムカメラだが、中身のフィルムは「Kodak VISION3 250D 5207」(※フィルムに「EASTMAN 5207」表記アリ)となっており、太陽光下で適切な色味が出る様になっている「デーライトタイプ」のフィルムでタングステンフィルムでは無い。

このKodak 5207は所謂「映画用フィルム」「シネマ用フィルム」等と呼ばれているフィルム。

ここで大事なのはこのフィルムはそのままだと、僕たちが慣れ親しんでいる写真店の現像機では現像出来ないという事。

何故現像出来ないのか???

次は現像出来ない理由

シネマ用フィルムは現像出来ないの????

中身はKodakのシネマ用フィルムとお伝えしたが、そうなると

シネマ用フィルムだと現像出来ないの????

という疑問が出て来る。

シネマ用フィルムはECN-2現像という処理が必要で、一般的な写真用カラーネガフィルムの処理はC-41現像。

ECN-2とC-41現像はどこが違うかというと、大まかには

シネマ用フィルムはレムジェット層というハレーション、静電気防止のコーティングがされていて、レムジェット層を剥す処理をしなければいけない。

という事。

もし、レムジェット層を剥す処理をせず一般的なカラーネガフィルムの現像機に通してしまうと

「現像液がダメになり、最悪現像機が壊れる」

最近このレムジェット層を剥す加工をしていない純粋なシネマ用フィルムの巻き直しを写真店に持ち込み、通常のC-41処理をしてしまい、トラブルが起きてしまうという事が頻発しているようだ。

因みにこのレムジェット層を剥す処理をしてあれば一般的な写真店のC-41現像も全く問題無く行える。

MARIXフィルムの400Dも中身はシネマ用Kodak 5027だが、工場でレムジェット層を剥す処理をしてあるので「C-41」現像可能なフィルムとして流通させている。

【フィルムレビュー】MARIXカラーネガフィルムを現像に出してみた。作例あり。現像時の注意点等。

フィルム固定の問題

そして、情報によると

「フィルムエンドはテープ止め」

との事。

このテープ止めも結構厄介で、、、、このフィルムエンドがテープ止めだと、多くの店舗が採用している富士の自動現像機ではテープ部分がネックとなり、カット出来なかったり、テープの糊が付いたりして機械トラブルになるため受け付けてはいない。

Xにていただいた情報によるとテープ止めフィルムを自動現像機に流した場合最悪の事態として「現像機カッター故障(1機種以外修理不可)すると現像機終了、店をたたむことになる。」とのこと、、

コレはヤバイ(;・∀・)

次の写真を見て欲しい。

①が富士フイルムやMARIX、②がKodak、③が機械に通せないテープ止めのフィルムである。

そして今回のドン・キホーテのフィルムエンド処理は③の様な処理であると思われる。(Xで実際のドンキハーフカメラのエンド部分を見たけど③と同じ処理だった)

富士の機械に通せるのは①と②で、③の様な処理になっている物は現像自体は出来るが機械に通す際にカードリッジに巻きなおす等の手間もあるので店内では受け付けておらず外注となる場合が多い。

ここで問題なのが、③の状態かどうかというのが見た目では判断できないという事なんだ。

コダックの②もテープ止めではあるが、そこは大手フィルム会社なので、色々とテスト等もして問題無いとされている(たまにコダックのテープ止めでもトラブル出たとか聞くけど、、、(;^ω^))

知らないで③の様な状態の物を富士の自動現像機に通すと最悪修理不能になる大きなトラブルが起きる可能性もある為、多くの写真店では店内現像には対応せず、外注となっている場合が多い。

もう一つの問題点

最後の問題点としては

「レムジェット層の処理が適切にされているかまだ分からない」

という問題も指摘されていた。

※1部レムジェット層が残留しているフィルムが確認されたとの詳報あり、こうなってくると現像出来る店舗も少なくなってくるかもしれない。

こちらは現像する店舗の言い分としてはもっともで、しっかりとレムジェット層を剥す加工をしてしない(加工が甘く残留している)可能性もあり、その場合現像機が最悪壊れる原因となってしまうから自己防衛の為と思われる。

同じ加工シネマ用フィルムの巻き直しであるマリックスフィルムも、発売した当初この懸念があり、店内現像を受け付けてくれない所も多かった。

しかし、大手のキタムラ等にサンプルを送り、品質のチェックをして貰って品質のお墨付きを得て、キタムラ全店(公式で発表している)で店内現像受け付けてくれるようになっている。

このドン・キホーテのフィルムについてはまだ未知なので、現像をしないという選択を取る店があっても仕方がない所ではある。

まぁ、フィルム自体の品質が大丈夫とわかってもフィルムエンドがテープ止めの時点で店内現像を受け付けてくれる店舗は限られてくるとは思うが、、、

以上の理由が主で現像を受け付けない店舗も多いんだ。

更にはフィルムのに糊が付着していたとの情報もあるけど、これはまだ確認が取れていない。

まとめ

ドン・キホーテオリジナルハーフサイズフィルムカメラの情報まとめ

  • 中身はKodak VISION 3だが、レムジェット層を剥す加工がしてある一般的なC-41現像可能なフィルムである

外箱にも、ボディーにも「C-41」現像の表記がちゃんとある。

  • フィルムエンドはテープ止めになっているので、富士の自動現像機を使用の店では断られる(詰め替えで対応してくれる店舗もある)
  • レムジェット層を剥す加工はしているが、情報が少なく品質が不明なため敬遠される

しかし、決して現像出来ない未加工の映画用フィルムを詰めて販売している訳では無い!!!

そこはしっかりとわかった上で正しい情報を拡散して欲しいと切に願う。

大事な事なのでもう一度

現像出来ない未加工の映画用フィルムを詰めて販売している訳では無い!!!

  • 写真店に持ち込みや、電話で確認すれば、店内or外注で対応してくれる
  • 品質の問題(悪い訳では無く不明なため)で断られる場合もある

と以上の事をわかった上で購入、使用して欲しいと思う。

勿論フィルムエンドがテープ止めだったり、パトローネの糊が付着していたとか、素性がわからず、しっかりレムジェット層が剥がれているかどうかは懸念材料ではあるけど、拡散された情報ではいかにも「ECN-2現像処理の未加工、素のシネマ用フィルム」と勘違いしてドンキを叩いている方も多く見られ、流石にこれはまずいんじゃないかな?

さいごに

SNSでは「映画用フィルムを詰めて販売している」「ドンキヤベー」みたいな投稿を沢山見たので、間違った情報を流されて余りにドン・キホーテが気の毒だったので、可能な限り情報を集めまとめてみた。

僕もだけど、皆さんも情報を広く公開するのであればしっかりと正しい情報を書き込んで欲しい。

僕のブログのカメラ、レンズレビューなんかは僕が好き勝手、あーでもない、こーでもないと私見を書いているだけなので別に誰にも迷惑は掛からないと思うけど、商品そのものが完全に使えないダメな物とも取れる間違った投稿をしちゃうとドン・キホーテに怒られるかもよwww

まぁ、笑いごとでは無く、今の時代情報が多く、誰でも安易に拡散出来るので本当にそこは気を付けて欲しいと思う。

ただ、ドン・キホーテさんにも一言うなら

「もっとしっかり中身についてや、現像対応できる店舗等」の情報をしっかりと公開したりしても良いと思った。

実際、現像こそC-41なので通常のカラーネガフィルムと同じ処理が出来るものの、キタムラ等の大手含め富士の現像機を使っている店舗では即日対応が出来ない所が多いし、、、

フィルムカメラってさ「撮影」「現像」「データ化かプリント」して初めて完結するものだと思うので、「現像」処理についてまでは簡単に出来る流れをもっとわかりやすく案内したり、ちゃんと「C-41現像加工なフィルムだがフィルムエンドの処理の問題で、現像できない店舗もある」と、もっとしっかりアピールはして欲しいかな。

そしてこれも大事な事

このドン・キホーテのハーフカメラを「現像出来る、出来ない」と「現像する、しない」は全くの別の話。

現像する、しないは受付した各店の判断ではあるし、持ち込んだ店で「現像出来ない(しない)」と言われてもそれはその店の判断。

決して受付を断った店舗が悪い訳では無い。

そして、現像しない(受付ない)=現像出来ないフィルム」では無いのでそこは間違って拡散しない様にして欲しい。

今フィルムって色々出ているけど、ドン・キホーテの物に限らず、見たこと無いフィルムをすぐに店内現像で機械に通すのはリスクが大きすぎるので、そこは断った店舗が悪い訳では無い。

しかし、こういったリスクや、中身については、先述した通りドンキさんももっとしっかりアナウンスはすべきだと思う。

でも決して現像出来ない未加工のシネマ用フィルムではないので、このドンキのハーフを現像してくれる店はあるので、探してみて欲しい。

それと、決してこのドンキオリジナルカメラを皆さんに進めている訳では無い、、、

理由として

  • 実際に使って現像まで終わって無いので勧められない
  • 即日現像出来る所が少なく、現像自体断られる場合もある

今後使い切って現像まで終わったら色々と書いて行こうと思うが、現状勧められるか?と言えば特に勧めはしない。ハーフの使い切りカメラ等が欲しければ迷わずイルフォードの使い切りハーフカメラを勧める。

あくまで、「ECN-2現像が必要な未加工のシネマフィルムが使われてる」という間違った情報を誤解しないで欲しくてこの記事を書いている。

その後自分で購入し実際に使って、自家現像したのでこちらの記事もどうぞ(^▽^)/

この記事を見てくれた方で現像出来る店舗を教えて頂ければ追記させて貰うので、是非このブログのお問合せや、僕のX等で教えて欲しい。

こうやってフィルム関連の新商品が出て来るのはとても良い事だとは思うので皆楽しいフィルムライフを送って欲しい。

ドン・キホーテ公式Xアカウントにてこのカメラについての投稿が掲載されていた。

これまで書いてきた情報と同じではあるが、公式からなのでここに載せておく。

最後まで見て頂きありがとうございました。

現像可能な店舗紹介 ※情報提供あれば随時追加予定

「ドンキハーフフィルムカメラ」を現像(受付)してくれるお店の紹介。

  • カメラのキタムラ……現像受付は可能だが店舗での即日現像は対応外で、外注扱いとなり約2週間程かかる。(キタムラへ連絡をし確認を取った所、キタムラ全店で同様の対応となるとの回答を得られた)
  • かわうそ商店……沢山の種類のフィルムを扱っている北海道のお店。珍しいフィルムもある。(個人的に何回も利用したことがあるお店)
  • 八百富写真機店……大阪にあるカメラ店。時間は通常よりかかるが対応しているとの事。(公式のXにて独自に検証し、店内での通常のC-41現像出来るのは確認済みとの事)
  • チャンプカメラ……横浜市に複数店舗ある写真店。ここも変わったフィルムが沢山置いてある。(公式Xにて全店即日現像、データ化、プリント対応可能とのこと)

始めまして写真好きの「kio」と嫁の「kiio」です。 夫婦二人でフィルムカメラ、ストリートスナップ撮っています。 日課はジャンクカメラ収集。 今はほぼフィルムカメラネタ中心。 モノクロ、カラー自家現像やってます。 このブログでは夫婦二人で撮った写真を中心に写真、カメラの話や、モノクロ、カラー自家現像のデータや解説、フィルム、カメラ、レンズ、カメラ関連のガジェットのレビュー等、カメラ好きの皆さんが楽しめる内容を更新していく予定です。 記事が見辛かったり、間違っていた場合は「お問い合わせフォーム」からご指摘頂けると助かります。

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