ZUIKO屈指のクセ玉?ZUIKO AUTO-W 35mm F2で試写して来た。
こんにちは「Kio」です。
先日生えた手に入れたNEWレンズ「ZUIKO AUTO-W 35mm F2」
前回の記事ではふざけ散らかしたので今回はまじめな記事w
早速試写して来たので、写りの感想等を書いて行こうと思っている。
ZUIKO屈指のクセ玉として名高い?このレンズ一体どんな写りとなるのか僕自身も楽しみ。
是非最後までご覧ください。
ZUIKO AUTO-W 35mm F2について
まずはこのレンズについて。
フィルム時代のOLYMPUS OMマウントの当レンズ。
当時ZUIKOでは35mmレンズはF値の違いにより3種類がラインナップされている。
- ZUIKO AUTO-W 35mm F2←今回紹介するレンズ
- ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8
- ZUIKO SHIFT 35mm F2.8
の3種類だ。
この3種の中でシフトレンズは一般的では無いレンズなので、実際F2とF2.8が当時としても無難な選択だったと思う。
35㎜ F2.8は数あるZUIKOレンズの中でも「銘玉」と言っていいほど世間一般の評価が高いレンズ。
実際35mm F2.8も所有しているが比較的安価に購入出来て、玉数も多く、写りもとても安定していて良いレンズなのは間違いない。
F2.8の評価は高いのだが、今回紹介する「ZUIKO AUTO-W 35mm F2」については
「銘玉」
「迷玉」
「クセ玉」
等、かなり評価がわかれ、色々言われているレンズみたいだ。
ネガティブな意見として
- 湾曲収差が多くて使い物にならない
- 開放付近の描写が甘々
- 周辺減光が多い
- コマ収差が多い
- 逆光耐性が無さ過ぎ
- 絞ってもF2.8程のシャープさが無い
ポジティブな意見だと
- 諧調表現が良い
- 開放付近の柔らかい描写から絞ればキリっと写る
- ファインダーが明るくなって見やすい
- 空気感のあるしっとりとした描写
- 前玉が大きくてカッコイイ(僕の意見w)
と、ネガティブ、ポジティブ、様々な意見がある。
僕はこの「ZUIKO AUTO-W 35mm F2」はOM-1を手に入れた時から虎視眈々と狙っていたレンズなので、色々言われているが実際自分で使って判断してみようと思う。
作例を見て頂く前に現像データから
現像データ
使用カメラ:OLYMPUS OM-2N
使用レンズ:ZUIKO AUTO-W 35mm F2
使用フィルム:FUJI X-TRA 400
現像処理:MARIX C-41自家現像 33.5℃ 8´15(30/60/4)
スキャン:VALOI easy35
反転現像:ライトルームモバイル
ZUIKO AUTO-W 35mm F2作例
届いたその日の夕方~日を跨いでの撮影。
陽が落ちる頃 F4での撮影 背景のボケが滲んで油絵みたいに見える
逆光の八重桜。F5.6 夕方の逆光での撮影 絞り羽根は6枚なので6角形の形のボケ
落ちた桜の花びら F5.6
夕方ではあるが太陽を画面に入れた撮影 F8 ちょっと画面右にゴーストはあるが聞いていたよりましな感じ、頑張っている
夜の撮影 F2開放 ブレたww
F2.8
開放F2撮影
室内で撮影 F2開放 腕時計にピント 袖の毛羽立ちもしっかり判別できる
これも開放F2
ZUIKO AUTO-W 28mm F2を開放F2で撮影。理彫りリング「2.8-2」にピント
モッコウバラ
ジャガという花らしい、、、なんか模様がニガテだ、、、コワイ 多分F5.6か8
F8 これ以上近づけなかった、、、こういう時35mmだと遠い
こちらもF8 暗部も粘っているし、質感も出てシャープ
中距離でまっすぐな物を写して画面端の湾曲収差チェック。僕は気にならないんだけど皆さんどうかな?
遠景を撮影F11 十分シャープ
奥さんを撮影
落ちた桜の花びらをすくって貰って撮ろうとしたら突風が吹いた。どうせならもう少し派手に飛んで貰えると良かったんだけど(;^ω^)
F11
F11 十分解像していると思うけど、、
F8
ツツジが咲き始めて来た F5.6
ミモザも満開
近所のハードオフにて F4 並びの癖が強いw
ZUIKO AUTO-W 35mm F2の写りの感想
作例沢山見て頂いたんだけど、皆さんはどう感じただろう?
35mmって、広角と標準の良い所取りの様な使い方が出来る個人的には好きな画角だが、考えて撮らないと主題がぼやけちゃうし、意外と難しい画角だと思っていて、そこら辺は僕もまだまだ使いこなせていない。
描写は確かに開放F2~F4位迄は柔らかく、甘いんだけど、「甘々」というほどでも無いというのが率直な感想。
F2でもピント面はしっかりと芯があり、ボケ味もF2のおかげで大きく、僕個人としては好感が持てる描写だ。
諧調も良く出ていて、暗部迄しっかりと写っているし、色のノリもよても良く、鮮やかというよりはコッテリ、しっとりした感じで、開放付近の背景ボケが滲んだ感じになっているのも好きな雰囲気。
背景ボケや前ボケも割と素直に感じるし、最短撮影距離が30cmなのでグッと寄って写すと絞っていてもそれなりにボケてくれる。
周辺減光については、今回僕が撮った作例では殆ど気にはならないが、やはりF5.6位迄は少し落ちている感じだ。
湾曲収差は樽型の湾曲が画面両端でほんの少し感じるが、言われているほど気になら無いと思う。
逆光も夕日位の強さであればゴーストこそ出たが、破綻するレベルで大きくコントラストが落ちたり、フレアが広がったりはしなかった。
日中のド逆光ではどうなるか今度また試してみたい。
解像度も確かに38mm F2.8の方がF値全域を通してカリッとした描写だとは感じるが、35mm F2もピント面はしっかりシャープさはあり、F5.6以上に絞れば十分なシャープさもあるとと思う。
んっ???
これ巷で言われている様な「クセ玉」には感じない、、、、、勿論現代の基準のレンズからすればゆるい写りなのは否めないが、、、
むしろ開放は柔らかく、絞って行くとシャープになって行き、各種収差も過剰に補正されず程よく残っている「所謂オールドレンズらしい良い写りのレンズ」だと思うが、、、、
それともジャンクレンズばかり使っているせいで僕の目がオカシイのか???
皆さんの感想を是非聞かせて欲しい。
最後に
「ZUIKO AUTO-W 35mm F2」の試写をして来たけど、先にも書いた通り言われているほど「クセ玉」だとは感じなかった、、、
僕の持論として「レンズの良し悪し」の判断は、撮れた画像全体でのバランスだと思っている。
- 四隅の解像度が~
- 周辺減光が~
- コマ収差が~
- 二線ボケが~
- 開放での描写が~
- 湾曲収差が~(酷い糸巻き型収差だけは苦手(;^ω^))
- コントラストが~
- 線が太さが~
とか、、、厳密に見ていないし、画像としてデータ化や、プリントしてパっとみた時の
「全体のバランスと雰囲気重視」でよほど画像が破綻していなければそれはレンズの個性と捉えて楽しめている。
ただ、これは撮影対象や目的で変わるので一概には言えないし、僕の様な「お気楽アマチュア散歩スナップ」では余り気にしないで良いと思っている。
見る人が見ればこのレンズは「クセの塊」ととらえる人もいるかもしれないが、絞りによっていろいろな表情を見せてくれるこのレンズ、まだカラーネガ一本だけの試写ではあるが好印象しかない、、、まぁ、令和の時代にフィルムカメラで遊んでいる人間なので、レンズの性能とかを気にし始めると古いカメラ、レンズなんか使えないんだよね。
各種収差やレンズの性能云々以前に、35mmという画角を使いこなす方が難しいと感じた。
唯一のネックとしては
「中古相場がお高め」
という位か。
調べてみたが大体オークションやフリマサイトでは20,000円~、中古店では並品で30,000円は超えて来る金額なので35/2.8の倍以上の相場である事位だろうか。
28/2もそうだったけど、この時代のZUIKOレンズは廉価版の暗いレンズが一般的に評価が高く、写りも良いとされているので玉数が圧倒的に少ないからだろう。
誰でもわかる違いは、F値が一段明るいという位で。
F8位では35/2.8の方が解像感があるZUIKOらしいカリッとした描写ではあるとは思う。
そして調べていると意外なほどこの「ZUIKO AUTO-W 35mm F2」って情報が余り出てこない。
僕の個体がたまたまアタリなのかどうかはわからないが、前評判よりはクセも余り感じなく、オールドレンズらしい描写の良いレンズだと思うので、食わず嫌いをせず、機会があれば一度使って貰いたい。
自分で使ってみて納得出来ればそれは「銘玉」であり、自分の良き相棒となってくれると思う。
最後まで見て頂きありがとうございました。