MARIX D-76使ってみた、購入方法と値段、作り方、作例
こんにちは「kio」です。
今回の記事は主に自家現像を行っている方向けですので、それ以外の方は「オリンパスμ(初代)」の写真でも見て頂ければと思います。
先日お伝えした「Kodakケミカル国内販売終了」という記事でもお伝えしましたが、コダックの現像薬品などが2022年11月末を持って国内販売が終了というニュースを聞いてちょっと荒ぶっていたのですが、2023年1月現在はまだヨドバシカメラさんを始め「Kodak D-76」はまだ手に入りますし、D-76完全互換の代替としてILFORDから出ている「ID-11」なんかはまだ継続販売しているのでとりあえずは現像液難民にならなくて済んでおります。
D-76手に入らなくなってきたらどうしようかなぁ、、、と思っていたら
コダックのD-76は日本国内向けの販売が無くなるだけで、今後も作り続けられると思いますし、今現在はまだ流通在庫があるので良いのですが、年間100本近くのモノクロ現像をしていて、D-76をメイン現像液として使っている身としてはかなり不安、、、、
ID-11でもいいんですけど1ℓ用で900円超えて来るし、2剤を溶かすのはちょっと面倒、、、
これは自家調合しかないかなぁ、、、、
と思っていた矢先にこのサイトでも度々登場する「MARIX」さんから「D-76互換現像液」が発売されているじゃないですか!!!
これは買って使ってみるしかない!
という事で早速「MARIX D-76」購入してみました。
まずはD-76について
D-76についてはここで僕が説明するより「東京オルタナ写真部」さんのコンテンツがとても分かりやすかったのでそちらを見て頂くのが良いと思いましたのでリンクを掲載させて頂きます。
僕も以前、実際に自家調合を試した事があるんですけど
- メトール
- 無水亜硫酸ナトリウム
- ハイドロキノン
- ホウ砂
を購入して1ℓ分づつ小分けにしていくのが面倒ですし、一応毒性がある薬品たちなのでその保管や取り扱いにも気を遣わなければいけないので、購入した薬品分を作り終えた後はパッケージ版のKodak D-76に戻したんです。
※D-76を作るのに必要な薬品はヨドバシカメラさんやビックカメラさん等の通販で全部購入する事が出来ます。
僕がD-76を使う理由
これについては理由はシンプル
- 多くのフィルムとの現像データが簡単に探せる
- 現像能力が高く、安定した結果が得られる
- モノクロと言ったら「これ!」位メジャーなので、D-76で現像した写真の作例も多く、見慣れている安心感
- 比較的安価で、大量に流通している
これらの理由が僕がD-76を常用している理由です。
特に僕が好きな写真家たちは日本、海外を問わず大体1930年~1970年位に活躍した写真家たちが多く、1927年発売のD-76はこれらの写真家たちがおそらく使ったであろう現像液なんですね。
上記「東京オルタナ写真部」さんのコンテンツにも書いてありますがこのD-76は「20世紀最も使われた現像液」と言われています。
実際にこのサイトでもモノクロ現像データの多くは「D-76」を使って現像しています。
「MARIX D-76」の購入方法と値段
前置きが長くなってしまいましたが、「MARIX D-76」の購入方法と値段について。
MARIXフィルムと同じで公式HPかメルカリでの販売。
で購入する事が出来ます。
これは本家コダックD-76やイルフォードID-11と比べても格安!!!
今回僕はまだ「Kodak D-76」と「ILFORD ID-11」がかなり残っているので1ℓ×3をメルカリで購入してみました。
もうちょっと早く知りたかったです(笑)
「MARIX D-76」現像液の作り方
ここでは「MARIX D-76」の作り方と作成時の注意点。
こんな感じで薬剤が袋詰めされています。
MARIXさんに確認取った所、こちらのD-76は公開されている一般的なD-76の処方と同じ
- 無水亜硫酸ナトリウム 100g
- ハイドロキノン 5g
- メトール 2g
- ホウ砂 2g
の処方で、マリックスの社長さんが調合しているようです。
ジッパー付きの袋の上に更にもう一枚袋がかぶさっています。
この袋1つで1リットルのD-76現像液を作ることが出来ます。
外袋には現像液の作成方法が書かれたシールが貼ってありますね。
作り方は外袋に書いてはありますが、ちょっと細かく書いて行きます。
- 50℃のお湯800ml用意するこの際は1000ml以上入る大きめのビーカー等がおすすめ
- 薬剤を少しずつ撹拌しながらしっかり溶かす
- 完全に薬剤が溶けたら水を足し、合計1000mlにする
- 出来た現像液を保存容器に保管する(僕は黒のビニールテープをぐるぐる巻きにしたペットボトルに保管しています、黒テープでぐるぐる巻きにする理由は遮光性を高めるため)
本家コダックD-76も最初に用意するお湯の温度は50℃になってますね。
ID-11は40℃のお湯750mlですので最低40℃以上じゃないと溶けづらいんでしょうね。
後はポイントとしては「最初のお湯に完全に溶かす」事
完全に溶かして底に溶け残りの粉末が無い状態までしっかり溶かしましょう。
そして出来上がったらなるべく容量がぴったり入る保存容器に入れるのもポイントです。
これは現像液は空気に触れると劣化が進むのが早くなるので、なるべく空気に触れない様に保管するのが良いです。
劣化した現像液は「茶色」になってくるのでそうなってきたら使わない方が無難です。
溶解後の現像液は、空気に触れない状態で保存してあれば約6カ月ほど使えますし、溶解前なら湿気の少ない冷暗所に保管しておけば余裕で1年以上つかえると思います。
空気を抜いて密閉していても、夏場なんかは使える期間は短いです。
更に、現像液は絶対に冷蔵庫に入れて保管しないで下さい。
理由は冷やし過ぎると薬品が結晶化してしまい、品質が変わってしまうんです。
僕はモノクロ自家現像始めたばかりの頃冷蔵庫に入れてしまって、現像液をダメにしたことがあります(笑)
そして、1000ml、500ml、250mlの各容器を用意してどんどん小さいのに入れ替えながら使っています。
あとは、作成してから24時間(僕は1晩で使っちゃう)置いた方が完全に溶解して安定して使う事が出来るようになります。
作ってすぐに使う事は出来ないので、最低でも使う予定日の前日寝る前には作っておいた方が良いです。
作例
ここから実際に「MARIX D-76」を使って現像したので作例です。
先日ジャンクで手に入れたばかりの「オリンパスμ」の試写も兼ねてスナップ。
今年6本目の自家現像です。
使ったカメラはオリンパスμ(初代)
フィルムはFOMAPAN 200
現像データは「Kodak D-76」と同じ20℃9:00での処理。
MARIX D-76をつかってみて
マリックスD-76で現像した写真を見て頂きましたが、どうでしょう?
僕の目ではKodak D-76やILFORD ID-11との差異は感じられませんでした。
おそらくKodak D-76もILFORD ID-11も、使っている薬品のメーカー等は違うので厳密にいえば微妙に違うはずですし、もしかしたら各メーカーによって多少チューニングをしているかもしれませんが、大筋D-76は「無水亜硫酸ナトリウム」「ハイドロキノン」「メトール」「ホウ砂」が主なはずですのでネガをスキャンして見る位では全く違いはわかりませんね。
実際ヨドバシさんではKodak D-76は730円、ID-11は935円で販売されていますので絶対にコダック、イルフォードじゃなきゃ嫌だ!!という方以外は「MARIX D-76」を強くおすすめします。
最後まで見て頂きありがとうございました。