【フィルムカメラレビュー】簡単コンパクトな名機「Konica A4(BIGmini)」 作例有り

フィルムカメラ

こんにちは「kio」です。

Twitterではこのカメラについてちょいちょいつぶやいていますが、改めて「初代Konica A4(BIGmini)」の紹介等していこうと思います。

そして、先日急遽書いた「2023年Kodakフィルム値上げ情報」はとても沢山の皆様に見て頂いているようです。

この記事ではコダックフィルム各種の値上げ後の金額等も書いてありますので、フィルムカメラユーザーの皆様は是非チェックしてみてください。

もう笑うしかないですが、今年もガッツリとフィルムカメラ使って沢山撮って行きますよー!

では、最後までご覧ください。

Konica A4の購入経緯

偉そうに、それっぽく「購入経緯」なんて書きましたが、いたって単純。

あったから買いました(笑)

もう、フィルムカメラは見つけたら「当たり前のように」「息をするかのように」手に取っている気がします(笑)

でもこの「Konica A4」は正月早々奥さんといつものリサイクルショップに行ったとき普通にカメラのショーケースの中に鎮座していました。

値付けは1,800円。

どうせゴリゴリのジャンクかと思いきや、値札には「6カ月保障」の文字が、、、、

取り合えず店員さんを呼び、実物を見せて貰い電池を借り、簡易的に動作チェックするとパっと弄った限り完動品です。

「絶対値付けオカシイだろ、、、、」

と思いつつもレジに並んで購入していました。

後にこの機種の相場なんかも書いて行きますが、動作品「1,800円」は格安です。

こんな感じで2023年最初のカメラ購入となりました。

Konica A4(BIGmini)の特徴

このカメラは1989年にKonicaが発売した35mmフィルム用オートフォーカス電子カメラ。

電源を入れるとレンズがせり出してくる「レンズ沈胴式」を採用して、電源を切るとレンズがボディーに入っていきフラットでコンパクトになります。尚、自動でレンズが沈胴する物は今でこそ当たり前のように思えますが、このカメラが最初だったみたいです。

このBIGminiシリーズは大ヒットし、1997年に発売された最後の機種「Konica BIGmini F」まで「BIGmini」の名前を冠した沢山のカメラが販売されています。

今回紹介するのはその「BIGminiシリーズ」の一番最初の機種です。

さっきから「Konica A4」なのに「BIGmini」と言っているのは何故なんだ?

と思っていますね!!!!

これは僕もネット情報ではありますが、この「A4」という名称は海外向け、輸出用の「BIGmini」の名称の様です。

そして「A4」の名前の由来も所説あるみたいですが、「A4用紙を画面いっぱいに写せる」という事から付けられたみたいですね。

なのでKonica A4=Konica BIGminiなんです。

そしてこの「コニカビッグミニ」シリーズが大ヒットした要因は、

  • 沈胴レンズ採用したシンプルでコンパクトな機体
  • コニカの単焦点レンズ35mmF3.5が設計に無理が無く、写りが良い
  • シャッターを押せばだれでもそれなりに綺麗な写真が撮れる

等の理由から大ヒットしたようです。

コニカA4

実際に手のひらサイズで良く写るカメラなんです。

デザインもレンズ鏡胴部分が「四角」なのがとても好きなんです、これは初代と、後継機種のBM-201までで、その後はレンズの鏡胴は丸になっています。

ただ、手放して全てが素晴らしいカメラという訳では無いんです。

コニカビッグミニの弱点

これはちょっとカメラに詳しい方なら聞いたことがあるかもしれません。

この「コニカビッグミニシリーズ」には大きな弱点があるんです。

その弱点とは、、、、

「裏蓋開閉部の蝶番下にフレキシブル配線が通してあり、経年、繰り返し裏蓋の開閉によって断線する」

赤丸部分がコニカビッグミニシリーズの弱点、悪名高い「フレキシブル基盤」です。ここが経年と開閉の繰り返しにより断線すると電源入らなかったり、背面メニューが使えなくなったり、色々な不具合を引き起こします。

結構致命的な弱点なんです。

しかもこれは初代ビッグミニだけでは無く、最後の機種ビッグミニF迄この症状は起きやすい構造になっています。

正直これは弱点というより今ならリコール対象となってもおかしくない位頻発していますね。

ただ、コンパクトなボディーにするためにこういう風に設計されたのでしょうが、まさかコニカの技術者さんも令和になって迄使われるとは思って設計していないと思うので、しょうがない部分ではあるかもしれませんね。

ではこのフレキシブル配線が切れるとどうなるのかです。

このフレキシブル配線は薄い基盤に20本位の細い線が通してあります。

この線によって各動作を伝えているんですが

  • そもそも電源が入らない
  • 背面液晶が表示されず、モード切替やフィルム残量がわからなくなる
  • ストロボが付かない
  • 電源が入るがシャッターが切れない

等etc、、、多岐にわたる症状が現れます。

全部断線してしまったものはもちろん電源も入らないんですが、断線の具合によっては「背面の液晶が消えているけどシャッターは切れて普通に写真は撮れます」なんて言って動作品としてフリマサイトやオークションで売っている方をちらほら見かけますが、これらの症状が出ているのはほぼほぼ「フレキシブル配線の一部断線」で、今は何とかシャッターが切れていても近い将来確実に断線が進み壊れてしまいますのでご注意下さい

このフレキシブル配線の断線を治すには修理しか無いですが、修理しようにも既に数十年前のカメラなので部品があるはずもなく、フレキが無事な個体から移植するか位しか手は無いのですが、世の中には凄い人がいてこのフレキ断線を1本1本ハンダで繋ぎなおすという事をやっている方もいらっしゃるようです。

「Konica ビッグミニ フレキ修理」等と検索すると見つかると思いますが、僕は、正直そこまでの技術は無いですのでここではちょっと紹介のみにしておきます(笑)

この「フレキ断線」以外の弱点としては、

  • 露出補正が出来ない
  • オートフォーカスが遅く、たまにピントを外す
  • 電源を切るたびにストロボが自動発光に戻る
  • フィルムの途中巻き戻し方法が最高に判りずらい
  • DXコードのみのISO感度設定しかできない
  • クローズアップ撮影時には専用の押しづらいボタンをいちいち押し込まなければだめ(初代のみ)
  • 明るい所に引っ張られるので、明暗差が大きい場所はちょっと苦手

等が有ります。

これは今回紹介する初代ビッグミニでの話で、のちの機種では徐々に改善されています。

長くなりそうなので次は作例を見て頂きます。

作例

カメラ:Konica A4

フィルム:FUJIFILM SUPERIA PREMIUM 400

カメラのキタムラにて現像、データ化無補正。

何時も通っているコーヒー屋さんが休みだったので別のコーヒー屋さんへ。
お寺さん。大きな提灯でした。
ここも良く撮っている。散歩コースなんですよね。
何時も風ではためくのを良い感じで撮りたいけど難しい。
クローズアップも良い感じ。
沢山の自転車も何故か撮りたくなる。
道端に長靴が片方だけ、、、こんなのを今や高級品のフィルムで撮るのもまた楽しい(笑)
ネズミ人間。
セガ沙サターン。そして写真左上に光漏れ。特定して処理しなきゃですね。
室内でもISO400フィルムだとストロボ発光しなくても大丈夫。
元はいくらだったのか???
どれが僕でしょう?
散歩帰りにコーヒーを飲みに喫茶店へ。
僕はエチオピア、奥さんはキャラメルなんちゃら。
この公園の木の影の形が好き、
カラーだと、この影と本体の赤両方が主張しちゃってなんだか主題がはっきりしない感じになりますね。
おままごとの後かな?
夕方位にちょっとかいものに出た時に撮影。絞りが開いていて割と近くの物を撮影したので背景もコンパクトにしてはボケてます。
あと数分前なら沈む夕日バッチリだったのに、、、惜しい。

数カット写真左上に光線漏れがあります、これは右からの強い光を受けた場合にだけ発生しています裏蓋蝶番付近にモルトが使われており、良く観察したらそこが劣化していたのが原因だと思われますので、ちょっと厚めのモルトに交換これで光漏れ無くなればいいんですけど。

写りはコンパクトカメラながら評価が高いコニカレンズ35mmF3.5、中々良い写りです。

フィルムもプレミアム400なので見たままの自然な色で派手過ぎず、しっとりした雰囲気。

そしてモノクロの描写も中々でした。

次はコニカA4(BIGmini)のスペック

Konica A4(BIGmini)のスペック 

  • レンズ:Konica Lens 35mm F3.5
  • 使用フィルム:35mmフィルム
  • 撮影距離:クローズアップ時35cm~60cm、通常時60cm~∞
  • 使用電池:本体CR123A1本/日付用でCR2025を1個
  • AF方式:赤外線アクティブ
  • ファインダー:ブライトフレーム内蔵、クローズアップ撮影時の範囲目安あり。ファインダー内は合掌ランプ、ストロボ発光ランプ、クローズアップ時にはチューリップのランプが点灯。
  • シャッタースピード:1/3秒~1/500
  • 撮影モード:プログラムAEのみ
  • ストロボ制御:明るさに応じて自動発光/背面にて発光禁止も選択可
  • セルフタイマー:背面ボタンにて設定可

購入方法と価格相場

Konica A4(BIGmini)の購入方法ですが、中古カメラ店やフリマサイト、オークションでの購入となります。

値段の相場は2023年1月時点で

完全ジャンク、故障品:1,000円~

一部動作品:3,000円~

完全動作品:10,000円~

カメラ店などの店舗では安くても動作品15,000円~30,000円程と結構高価です。

このコニカビッグミニシリーズでは色々な機種があり、ズームレンズ搭載機種であれば割と安価で購入できますが、単焦点モデルだと一番安い初代でも結構値段は高いですね。

Konica A4(BIGmini)購入時の注意点

中古購入の際に気を付けたいポイントをまとめました。

まずは大前提で電源を入れシャッターが切れるのは要確認

  • 裏蓋開閉蝶番部分にあるフレキシブル基盤に亀裂が入っていたり、切れていないか
  • 沈胴レンズがスムースに動くか
  • 全機能使えて動いていても、蝶番部分のフレキにひび等入ってないか目視でチェックする
  • ストロボは発光するか
  • ボディーに割れ等無いか
  • ファインダー、レンズにカビ曇りは無いか

取り合えず赤文字の部分は絶対確認しましょう。

安ければダメ元で購入して動けばラッキーですが、実用品が欲しいなら少し値段は上がってしまいますが出来れば多少でも良い出の保証や返品可能な物がおすすめです。

上記にも書きましたが、「背面の液晶が消えているけどシャッターは切れて普通に写真は撮れます」なんて言って動作品としてフリマサイトやオークションで売っている方をちらほら見かけますが、これらの症状が出ているのはほぼほぼ「フレキシブル配線の一部断線」で、今は何とかシャッターが切れていても近い将来確実に断線が進み壊れてしまいますのでご注意下さい

最後に

コニカA4のレビューとして書いてきました。

コニカビッグミニだけでは無くこの時代のAFコンパクト電子カメラは結構不具合がある機種が多いのですが、その中でもビッグミニシリーズのフレキの断線はとりわけ致命的ではありますね。

但し大ヒットしたカメラですので玉数は他の機種に比べ多い印象もありますので、地道に焦らず探せば案外リサイクルショップなどに完動作品が安く転がっているかもです。

写りもとても良く、フレーミングして、ピントを合わせてシャッターを切るだけの簡単カメラですので良い個体があれば是非使ってみてはいかがでしょう?

最後まで見て頂きありがとうございました。

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