【フィルムカメラレビュー】MINOLTA α-7
こんにちは「kio」です。
今回は僕の愛用しているフィルムカメラ「MINOLTA α-7」について。
「α7」と聞くと一般の方々の99%位は「SONYのフルサイズミラーレスカメラα7」を思い浮かべると思いますが、カメラ好きの方であれば10%位は「α-7」と聞いて「MINOLTA??懐かしいね~」なんて言ってくれる人もいるとかいないとか、、、、
まぁ、そんなこんなで今更ではありますが「MINOLTA α-7」のレビューしていきたいと思いますので、是非最後までご覧ください。
MINOLTAについて
そもそも皆さん「MINOLTA」というカメラメーカーがあったのはご存じですかね??
フィルム時代からカメラ、写真をやっている方は知っていると思いますが、最近の若い人たちは知らない方も多いかと思います。
ここでは簡単に「ミノルタ」について
1928年・・・日独写真機商店設立
1933年・・・「ミノルタ」ブランド使用開始
1937年・・・千代田光学精工に組織変更
1962年・・・「ミノルタカメラ株式会社」に商号変更
1994年・・・「ミノルタ株式会社」に名称変更
2003年・・・コニカと合併し「コニカミノルタホールディングス株式会社」となる
2006年・・・カメラ事業、フォト事業から撤退
その後「SONY」がカメラ事業「α」シリーズを引き継ぎ現在に至り、ミノルタαマウントのカメラを製造していました。
ざっと説明すると、こんな感じの流れ。
いつものごとくwikipediaさんに細かく書いてあるので興味がある方はそちらをどうぞ→「ミノルタ」
調べてみたら最終的に合併(コニカに吸収)する事になる「コニカ」が日本で一番古い光学機メーカー、2番目に古いのが「ミノルタ」の様です。
こうやって色々調べてみるのもちょっと楽しいですね。
MINOLTA α-7の特徴と良い所
ちょっと回り道しましたがやっと本機「MINOLTA α-7」について。
因みに現在人気のフルサイズミラーレス「SONY α7」と「MINOLTA α-7」は先述した通り、「α」をSONYが引き継いたので今回の「α-7」は直系のご先祖様という事になりますね。
ミノルタ時代から名前に使われる数字「7」と「9」というのは特別な数字で、これはSONY時代でもαシリーズの一眼レフやミラーレスで「7」「9」が付くのは上位機種以上となっています。
更に細かく言うと、ミラーレスは「α7」、ミノルタは「α-7」。ミノルタは中に「ハイフン-」が付きます。
「α-7」の特徴、良い所
- ミノルタ最後の上位機種として2000年に発売。当時の国内、世界のカメラ賞やグッドデザイン賞等、数々受賞
- Aマウント採用でミノルタ時代のAFレンズ、ソニー製のAマウントのレンズ、Aマウントのカール・ツァイスレンズが使える
- スペックでも1998年に登場したα-9に引けを取らない(むしろ上回っている部分が多い)機能が満載
- 最速SS1/8000搭載で日中大口径レンズでも開放付近で使える
- 小型軽量ボディーのみで575g
- 背面に大型の「ナビゲーションディスプレイ」を搭載し、各情報がわかる
- ファインダースクリーンに「スフェリカルアキュートマット」を使用し、明るく見やすいファインダー
- 測距点が9点あり、測光方式も14分割ハニカムパターン測光は精度も良く使いやすい
- 上位機種では珍しく内蔵ストロボが付いているので暗い所での使い勝手が良い
- 見た目がメカメカしくてカッコいい(大事)
このあたりが特徴(良い所)。
中でも背面の「ナビゲーションディスプレイ」は今のデジカメでは当たり前の、「現在選んでいる測距点」や「SS、F値」のカメラの設定の情報を常時表示出来たり、フィルム7本分の一枚一枚の「撮影日時」「SS F値」「使用レンズの焦点距離」「撮影時のモード」「露出補正の有無」等を記録しておく機能があります。
これは現在のデジタルの「Exif情報」と同じで、Exifと違って写真データ一枚一枚にあるわけでは無いですが、フィルムを撮り終わってもこの情報が見れるので、撮影後どのレンズで、絞りとシャッタースピードはどれくらいで何時撮影したかわかるのはとても便利。
この機能はフィルムカメラでは僕が知る限りここまでの情報をボディー単体で見ることが出来るのは他α-7だけ。
それとカスタムファンクション等もこの大型ディスプレイに日本語で設定項目が出るので説明書を見なくても設定しやすいのも他のフィルムカメラ とは違う所。
MINOLTA α-7のダメな所
上では特徴と良い所を書きましたがここでは「ダメな所」
- ボディーがプラスチックで安っぽく華奢な感じ
- 視野率が92×94%とちょっと低め
- ナビゲーションディスプレイは見やすいが、項目が多くて複雑
- 完全電子カメラなので故障が怖い
- グリップ、特に裏蓋部分がベッタベタになる
- シャッター音がちょっと悲しい
- 電池がちょっと高いCR123Aを2個使う(バッテリグリップVC-7を使えば単三4本で駆動するが大きく重くなってしまう)
- 裏蓋を閉めるストッパーもプラ製なので破損が怖い
ダメなところをつらつらと記しましたが、特に気になるのは壊れたら修理が出来ないであろう所と、裏蓋が加水分解でベタベタになっている個体が多いという所と、裏蓋のストッパーがプラ製なのでちょっと気を使わないと怖いです。
加水分解に関しては僕の個体も最初ベタベタでしたが、無水エタノールで根気よく拭いてキレイにしました。
故障についてはこの時代の電子カメラの宿命ですが、一応コニカミノルタ製品の修理対応を「ケンコー・トキナー」さんで引き継いでいて、故障の際はダメ元で一応ケンコー・トキナーさんに相談してみてもいいかもせれません。
購入方法と値段と購入の際の注意点
α-7は2000年発売のフィルムカメラです。
新品では購入することは出来ません。仮にデッドストックがあってもとても手の出る値段では無いですね。
中古での購入になるかと思いますが相場としては動作品で15,000円〜30,000円位が多いようです。
ヤフオクやメルカリでは、もう少し安いものも有るかと思いますが、各部動作確認はしっかりして購入するのをオススメします。
但し、最近この時代のカメラは値段が上がってきている傾向があり、α-7も値段はジリジリ上がってきていますね。
https://amzn.to/3BnN9Rgそれと「MIMOLTA αシリーズ」は海外名称が違うんです。
ヨーロッパではDynax(ダイナックス)
北北米大陸ではMaxxum(マクサム)
としてブランド展開されていたようです。理由はわかりませんが「α」という文字がダメだったんでしょうか?
なのでDynax7やMaxxum7と書いてあるカメラはα-7と基本同じカメラです。
購入の際の注意点、チェックするべき項目
- 各部ボタンや動作の確認
- ボディーのヒビなど、ダメージの有無
- ファインダー、スクリーンの状態
- 液晶漏れ
- 電池室の状態
- グリップ、裏蓋のベタつき
- 裏蓋のストッパーは破損してないか
等、etc…
通常のフィルムカメラよりチェックする点は多いですが、多機能なのが売りのカメラですし、完全電子制御のカメラなので各種しっかり確認してからの購入をオススメします。本当は全てのフィルムカメラはこれくらいチェックしたほうが良いですけどね、、
ケンコー・トキナーさんのサイトで「ミノルタα-7取り扱い説明書」がまだダウンロード出来ますのでしっかり見てから各機能を把握した上で購入するのも良いでしょう。
↓こちらからダウンロードも出来ます↓
カメラの使用感
実際使ってみての感想ですが
「撮影者のやりたいことをしっかり遂行してくれるカメラ」
だと思います。
細かい設定可能な露出補正ダイアル、フィルム指定コマ送りで途中でフィルムを交換できたり、MFとAFもボディーのボタンで切り替え可能、Dレンズを使えばプレビューボタンを押すと液晶に被写界深度計が出たり、14分割ハニカムパターン測光、
更に、AF測距点も9点あり、流石に最新のデジタル機にはおよびませんが実用では困らない精度と速さ、使えるレンズの豊富さ、
ボタン類は多くちょっと複雑な所はありますが、すぐに慣れると思いますし、複雑ではありますが、決して使いにくい訳では無いです。
先述した「ダメなところ」にも書いた通りネガティブな面もそれなりにありますが、それを補って余りある魅力があるカメラだと思いました。
最後に
長くなりましたが僕が愛用している「ミノルタα-7」のレビューを書いてみました。
正直機能が多すぎて全てはレビューしていると本が1冊書けそうなくらい多機能なので、他のカメラには無い特徴等をピックアップしてのレビューです。
とにかくこのカメラのファインダー、スクリーンはとても明るく、覗くとテンションが上がります。
そして、現在のデジタルカメラにも通じる操作性も良く出来ており、フィルムカメラとしての1つの完成形と言えるカメラです。
全ての機能を使いこなせなくても、フルオートでそれなりに使えるのでフィルムカメラ初心者〜上級者まで使えるカメラです。
実際α-7の上位機種のα-9より機能的には優れている部分も多く、今でも根強いファンが多くいるのも頷けます。
今後機会があればα-9も是非使ってみたいですが、これ以上カメラ増えると怒られそう、、、、
最後まで見て頂きありがとうございました。