いまさら使うMINOLTAインテリジェントカードシステム「ファンタジーカード2」を使って写真を撮ってみた。

【フィルム散歩】

こんにちは「Kio」です。

最近やたらとミノルタαシリーズに縁があり、色々と拾って来て使っている。

そこでも触れてはいるが当時のMINOLTAには

「インテリジェントカードシステム」

という今では聞きなれないシステムを使った機能が実装されていた。

そして、初めにも書いた通り最近やたらとMINOLTA αシリーズのカメラが集まって来ている、、、、、

まぁ、「集まって来ている、、、、」なんて書いたけど、ジャンクで買ってるんだけどねww

そうなってくるとミノルタαシリーズの目玉?機能の一つである「インテリジェントカードシステム」を使って見たくなるのは必然、、、、

幸いオークションや、フリマサイトでは1枚辺り大体ワンコインでお釣りがくる位で購入出来るし、ちょっとこのインテリジェントカードを数枚買ってみた。

その中でも特に面白いと思ったカードが今回紹介する

「ファンタジーカード2」

である。

ファンタジーカード「2」ってなんだよ!!!

と、思う方もわずかながら存在すると思うので(ほとんどの人が詳しく知らないよね、、w)

今回は「ファンタジーカード2」の効果や、使い方、作例なんかを少し紹介していこうと思う。

令和の今、恐らく殆ど需要は無い気もするけど、是非最後までご覧ください。

そもそも「インテリジェントカードシステム」って?

ファンタジーカード2の話をする前に、大前提として「インテリジェントカードシステム」について少し書いて行こうと思う。

このインテリジェントカードシステムはMINOLTA α第二世代のα-7700iから採用された機能。

カメラ本体を多機能にして使いにくくするのではなく、欲しい機能や、撮影テクニックを、当時はまだ一般には知られていなかったICカードを使ってカメラに付加する、インテリジェントカードシステムを採用しました。好みの機能や、撮影対象に合わせたカメラ設定の自動化など、「自分好みのカメラの提供」を可能にしたのです。ICカードは小さなコンピュータ、カメラが得られるあらゆる情報を使用してシャッター速度や絞り値を決定したり、カメラのレリーズやAFをコントロールしたりと多彩なコントロールが可能になります。

ソニー公式HPより引用

このインテリジェントカードシステムについてはMINOLTAから「α」の技術を引き継いだソニーのHPに説明が載っていた。

今では当たり前にカメラに搭載されている機能である

  • スポーツ、人物、風景、マクロ撮影等の所謂シーンモード
  • 露光中にピントをわざと外しソフトフォーカスや露光間ズームの様な効果を得る事が出来る「ファンタジーカード」「ファンタジーカード2」
  • 今でいう「Exif」の様に、撮影時のシャッタースピード、絞り、フィルム感度、使ったレンズの情報等を記録する「データメモリーカード」「データメモリーカード2」
  • カスタムファンクションと同等の機能を追加する「カスタムカード」「カスタムカードxi」
  • 8点までのマルチスポット測光が使えるようになる「マルチスポットカード」
  • etc…

と、一部だけの紹介となるが、沢山のインテリジェントカードが発売されていた。

僕が手に入れたカードは現在6枚。

手に入れたカード達の事をちょっと書いて行くと、

  1. ポートレートカード
  2. クローズアップカード
  3. データメモリーカード2
  4. マルチスポットカード
  5. ハイライト/シャドーカード
  6. ファンタジーカード2

正直、1と2のシーンモード追加の様なカードは僕は全く使う気も無い(なら何故買ったのか(^_^;))、、、ただ、始めたばかりの方なんかは例えば「クローズアップカード」を使う事によって、マクロ撮影時に手振れをしないSSと、接写時にピントを外しにくくなる絞りをチョイスしてくれるカードで、慣れるまで使って行くのは良いのかもしれない。

3のデータメモリーカード2は結構便利で、撮影したフィルムを4本まで「感度」「絞り」「シャッタースピード」「撮影時の焦点距離(ズームの場合近い数字)」「使ったレンズの開放F値」等を記録してくれる。デジタルでは当たり前だが、この時代はまだこういった撮影情報の記録を出来るカメラは殆ど無かった。

4マルチスポットカードは、任意の8つのポイントをスポット測光をして、その平均の露出を出す機能だが、α-7xiや9xi使ってみた感じ、カメラ内蔵の露出計と出す数字がほぼ一緒だったので積極的に使わなくても良さそう。

5のハイライト/シャドーカードについては、、、、、、、、、、よくわかってないので誰か教えて欲しいwwww

6ファンタジーカード2はなんだか名前からしてめちゃめちゃ楽し気で、欲しかったカード。

ここまで手に入れたカードについて書いたがこの中で一番使って見たかったのが「ファンタジーカード2」だ。

どんな感じになるのか、、、、どう使うのかをSNSで聞いたら親切なフォロワーさんが教えてくれた!!!

そこで、このファンタジーカード2を実際に使って色々写真を撮ってみたのでどんな写りになるかお見せしよう。

ファンタジーカード2のモードと、使う際の注意点、作例

まずはファンタジーカード2の作例や注意点等。

このファンタジーカード2はxiシリーズ(7xiと9xiでは挙動を確認済み)「1」と「2」のモードが選べる。

インテリジェントカードシステムが使えるxiシリーズ以前の第二世代αシリーズでは「1」しか使えないので注意が必要だ。

作例は全てα-9xiとTAMRON 28-75mm F2.8で撮影している。

最初はモード「1」の作例

モード「1」=低速シャッターとなり、露光中にピントが自動でアウトフォーカスになり「露光間ズーム」の様な効果になる。

※1/4程度の低速シャッターとなるので、日中高感度フィルムを入れると「HI」の表示が出て使う事が出来ない。

※モード「1」では低速シャッターで適正な絞り値になるように、明るい所では絞りは可能な限り絞りこむ挙動をするようだ。

モード「1」ではこの写真が一番効果がわかりやすかった。

次はモード「2」の作例

モード「2」=二回シャッターが切れ、一回目は通常のピントが合った写真、二回目はピントが自動でアウトフォーカスした写真を二枚合成し、ソフトフィルターを付けた様な効果が得られる。

※二回続けてシャッターが切れるのでシャッターは押しっぱなしにする。

※シャッタースピードの制限は無いが、ズームレンズの場合最広角で使おうとすると「HI」の表示がでて使えなかった。

※モード「2」では1回目、2回目のシャッター共に、絞りは開けて撮影したがるようだ。

MARIX800Tで陽が落ちた位の時間に撮影。

この写真は狙い通りで水鳥が泳いで出来た海面のキラキラを、二回目のアウトフォーカスした状態で撮る事によって玉ボケが重ねられて撮れている。

上の2枚も玉ボケが出る様な条件で撮影してみたが狙い取りに玉ボケと重なってくれた。

個人的にはファンタジーカードのモード「2」はキラキラ反射した物を狙って、玉ボケを重ねるのが1番ファンタジーって感じになり良いと感じた。

使う機種によって挙動が変わる!各モードの挙動詳細。

今回は9xiで撮影した作例のみ見て貰ったが、このファンタジーカード2は使う機種によって挙動が変わる。

α-7700iで使った所モードの選択は無く、「1」のモードでの動作となるみたいだ。

これはおそらく、初代ファンタジーカードとして認識されているのだと思う。

xiシリーズではモード「1」「2」が選ぶことが出来、先に書いた通りモード「1」では低速シャッターとなり、露光中にピントが自動でアウトフォーカスになり「露光間ズーム」の様な効果になる。

大体0.7秒〜1/4迄では正常な動作をするが、このシャッタースピード外だとファインダー内部のシャッタースピードが点滅し、先に紹介した「2」の挙動に自動的に変更されるようだ。

更にシャッタースピードを低速で使う必要があるので、感度が高いフィルムをいれるとすぐに「HI」と表示が出て使えない、、、結構条件も厳しく使い所が難しそう。

モード「2」ではピントが合った1枚目と、ピントを外した2枚目を撮り、1回目のシャッター後は巻き上げは行われず2枚のピントの異なる写真を合成する事となる。

モード「2」では特性上2枚目のを撮り終わるまでシャッターを押し続ける必要があり、1枚目でやめてしまうと普通のピントの合った写真だけとなってしまう。

更にズームレンズで使用した場合ワイド端では明るさに関係なく「HI」の表示が出て使えなく、少しズームしてワイド端から外すと全く問題無く使用する事が出来た。

ここまで、ざっくりしたファンタジーカード2の挙動を書いていたが、フォロワーさんに使い方や効果を先に聞いておいて本当に良かった、、、知らなければ普通の写真を量産していた所だった(;・∀・)

ファンタジーカード2の使い方(7700i、7xi、9xi)

使い方としては簡単。

7700i以降のαシリーズはマウント側から見て左に「カードスロット」が付いている。

このカードスロットに任意の「インテリジェントカード」を差し込み電源をオンにし、ボディーに付いている「CARD」ボタンを押すことで差し込んだインテリジェントカードの機能がオンになる。

オフにする場合はもう一度「CARD」ボタンを押せば通常の撮影モードとなる。

xiシリーズであればカードスロットの内側に付いている「CARD ADJ」を押して、ボディーの前ダイヤルを回すとモード「1」と「2」の選択が出来る。

「1」か「2」を選んだらもう一度「CARD ADJ」を押せばセッティング完了だ。

後は思う存分ファンタジーな世界を楽しんで欲しい。

注意点

実際このファンタジーカード2で色々撮ってみたけど、なぜか全くと言っていいほど効果が実感できなかったカットもあった、、、、

この2枚は共にファンタジーカード2の「モード2」で撮影したが、よーく見ても普通に撮った写真と変わらず、、、、、あえて言うなら一枚目のネコの写真はすこーしネコの回りが滲んでソフト感じにも見えなくはないかな、、、

たまに全く効果が無いと思われるカットもあるので、どういった条件で効果が大きく出るのか今後も使って試していきたい。

最後に

いまさら、とっくの昔に無くなった技術であるMINOLTA「インテリジェントカードシステム」のファンタジーカード2を使って写真を撮ってみた。

こんな記事を書いても中々「ファンタジーカード2」自体見かけないし、そもそもα-xiシリーズを使っている方がどれ位いるかわからないけど、、、、

さらには効果が余り感じられない場合もあるし、、、今更積極的に使って行く機能では無いのかもしれないが、そこは趣味の世界なので失敗?も楽しんでいければ良いと思って使って欲しい。

何より「ファンタジーカード」とか、ネーミングだけで面白そうだよねww

最後まで見ていたきありがとうございました。

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