常用レンズにもおすすめ、等倍マクロ【AF MICRO NIKKOR 60㎜ f/2.8D】

フィルムカメラ
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こんにちは「kio」です。

今回は愛用している「AF MICRO NIKKOR 60㎜ f/2.8D」について書いて行きます。

このレンズ、一言で表すと「万能付けっぱなしレンズ」

レンズ名にもある通り「マクロ」レンズとなっていて、等倍撮影が可能ですが、常用標準レンズとしてもとても使いやすいレンズだと思います。

この記事ではこのレンズの特徴や使い勝手と作例等も載せていきますので是非最後までご覧ください。

AF MICRO NIKKOR 60㎜ f/2.8Dの特徴

このレンズは所謂「マクロレンズ」の部類に入ります。

ニコン以外では「マクロ」と呼ばれていますが、ニコンでは「マイクロ」なんですね。

ですが、この記事では「マクロ」と表記を統一して書いて行きます。

このレンズの前進の「AF MICRO NIKKOR 60㎜ f/2.8」は1989年発売で、今回紹介するものは製品名末尾に「D」が付いています。

60mmマクロのDタイプは1993年発売。

既に発売されてから30年近く経っていますが、ごく最近まで作られていたロングセラーレンズです。

このレンズについては「ニッコール千夜一夜物語 第七十四夜 AI AF Micro Nikkor 60mm F2.8S」に開発秘話等載っていますので是非見てみて下さい。

特徴ですが、

  • 等倍マクロレンズ
  • 60mmと標準域の画角
  • 絞りリング付きなのでフィルムカメラとの愛称はばっちり
  • カメラ内モーター駆動でAFが使える
  • 長年発売されているレンズなので玉数が多く出回っている
  • マクロ以外でも中景~遠景の撮影でも使える画質
  • 見た目がメカメカしくてカッコいい

が、個人的なこのレンズの特徴だと思います。

生産時期によるニコンレンズコーティングの見分け方

このレンズは生産時期によりコーティングが変わっていて、調べた限り2006年以降に生産されたレンズは「スーパーインテグレーテッドコーティング」、それ以前は「マルチコーティング」が使われていたみたいです。

そして、見た目の特徴としては「スーパーインテグレーテッドコーティング」は緑「マルチコーディング」は青のコーティングの色の様です。

そしてニコンレンズにはシリアルNoがボディーに刻まれていますので、「Nikon Lenses」というサイトではシリアルNoからおおよその年代を調べる事ができるみたいなので、気になる方は調べてみてください。

値段相場

ロングセラーレンズですので、出回っている数も多く、状態によって値段の幅も結構あり、ネットショップなどではまだ新品の購入も出来るようです。

中古の相場は大体あやや難あり実用品13,000円~、並品約17,000円~、良品で20,000円位で流通している感じでした。

因みにこのレンズはまだ「ニコンイメージング」にて修理対応機種となっていますので、思い切って安いのを探してフルオーバーホールなんかもありかと思います。

※先述していますがこのレンズは「D付き」と「D無し」の2タイプありますのでお間違え無いようにお気を付け下さい。

上記画像のように、ボディー右下にあるレンズ名末尾に「D」が付いていればDタイプレンズです。

レンズフードについては「Nikon HN-22」が専用のものになっています。

このレンズは前玉が奥まっている所にあるのでフードは要らないという方も多いと思いますが、僕はフードマニアなので「カッコいい」から付けています。

HN-22を付けたAF MICRO NIKKOR 60mm F2.8カッコいい、、、

本領発揮、「マクロ域」作例

マクロ域での作例

今回の作例は、全て同じ1本のフィルムからの作例です。

フィルムはFOMAPAN 100、Kodak D-76 1+1 20℃10‘00(30/30/2)での処理です。

彼岸花
こっちも彼岸花
彼岸花縦構図
よくわからない花、ボケも綺麗です
小さいなにかの実、柿っぽい形ですが1cm位の大きさ
ピントが合った所は葉脈迄写ってます
恐らく子供たちが置いたであろう石ころとどんぐり。石ころの質感もしっかり写してます。
小さい花
小さいラグの繊維まで写ってます。被写界深度浅い

マクロ域での作例でした、特に最後の写真は限界まで寄って撮影しています、

流石にここまで寄ると被写界深度がとても浅く、ピントが合う範囲がとても狭いですね。

マクロ域使用時の注意点

等倍マクロという特性上、最大倍率でのマクロ撮影時はレンズ先端から数センチまで被写体に寄ることになりますので、ピント合わせはかなりシビアになりますし。

開放付近だとかなりピントが浅いので、晴天日中でのマクロ撮影時は少し絞って使った方が被写界深度も稼げるので少し絞って使うと使いやすいですね。

さらに、フードや、レンズの影が写り込む場合があるので、影の位置を確認すると良いでしょう。

それと手振れも要注意!

マクロ撮影の際は三脚の使用を推奨しますが、60mmなので何とか気合を入れれば手持ちでも行けますよ。

可能であればISO400位がマクロ撮影では使いやすいと思います。

あとは一番の注意点として、、、

マクロレンズを使っていると楽しくて近接撮影ばかりしてしまう事です(笑)

これは欲望に負けず頑張ってください(笑)

そのほかはこのマクロレンズで注意しなければいけないところは「F値の表示」です。

次にこの事について説明していきます。

マクロレンズのF値が変化する?

この話はとてもややこしい話なのでかなりざっくりだけ説明します。

このレンズだけに限ったことでは無いですが、マクロレンズを使うと寄れば寄る程「F値」が大きくなっていきます。

これはフィルム面(デジタルならイメージセンサー)からレンズ面までの距離が大きくなり、取り込める光の量が減るため起きるんです。

このF値が変わって、表示されているF値を「実効F値」といいます。

他のメーカーはF2.8開放ならマクロ域で使ってもカメラに表示されるF値は2.8のままの場合が多いですが、ニコンでは距離が近くなるにつれF値が大きくなっていきます。

ニコンはこの「実効F値」を表示しているんです。

具体的にはカメラやボディーでF2.8を選択している場合、距離が約1m以上なら自分で設定したF2.8の表示のままですが、1mより近くなるとFは3.2となり、最大まで近接した状態だとF5までF値は大きくなります。

これは実際F2.8の絞りのままですので決して被写界深度やボケ量がF5になっている訳では無いので注意が必要。

F値F2.8を選択しているのに、表示上のF値がF4になっている場合、実際のF4と同等の被写界深度、ボケ量を得たい時は表示のF4から1段絞ったF5.6にすると実際のF4と同じになるという事です。

近接撮影時にF2.8を選んでいるのにFが大きくなっていくのは故障ではありませんので気を付けて下さい。

以前リサイクルショップでこのレンズがジャンクとしてあるのを見た事があり、このことを知らないのかジャンク理由として「マクロ撮影時に絞りが開放になりません」とありました。

なのでニコンのマクロレンズをリサイクルショップ等で見つけた場合この理由でジャンク扱いになっていたら狙ってみるのも面白いかと思います。思いがけず安く買えるかもですよ。

カメラ専門店でこの理由なら、逆にその店はちょっと知識不足だと思うのでそういう店では購入したくないですね、、、

因みにそのジャンクレンズはとても安く売っていたのですが、酷いクモリとコーティング剥がれが発生していたので購入は見送りました、、、

マクロでもスナップ「中~遠景」作例

まだ青々しいですが、もう少ししたら色づいてきそう
前ボケも悪くないと思いますが、後ろは少し硬いかも
彼岸花が大量に群生していました。
猫じゃらし、半逆光での撮影、F5.6だと7角形のボケ
この距離でのボケはやはり少しうるさく感じます。背景は少し考えたいですね。
散歩中の二人
駅にて
写真を撮る奥さん
駅の構内に足湯がありましたが、今はお湯は張って無かったです
常磐線bの列車
駅ホームにて
遠景も解像度ばっちり
ド逆光、太陽を入れての撮影。流石にフレアは出てコントラストは低下してますが、ゴーストはほぼ見当たりません。

中~遠景での作例でした。

見て頂いてわかる通り、マクロレンズですが中~遠景のスナップもこなしちゃいますね。

解像度も高く絞り込めば四隅もきっちり写してくれます。

最後に

標準マクロ「AF MICRO NIKKOR 60mm F2.8D」の事を書いて行きました。

普通の等倍マクロとしてだけではなく、「常用レンズ」としてスナップ等に使っても良いと思います。

マクロ域でのボケは流石ですが、中~遠景のボケはやや硬めです。

でも、他のレンズと比べて劣っている感じでは無いですし、この時代のレンズなのでこんなもんですね。

解像度はマクロから高いシャープな写りだと思います。ここは流石に単焦点だけあります。

画角も60㎜と、標準50㎜よりやや狭く感じますが使っていくうちにすぐに慣れるかと思います。

少しだけ重いですし、AFも最新のレンズの様に速くは無いですが、マクロへの切り替えもレンズ側でさっと切り替えられますし、散歩スナップで使っていて寄りたい時に、レンズを交換することなく寄れるこのレンズは冒頭でも書きましたがまさに「万能付けっぱなしレンズ」だと思いました。

是非マクロレンズで散歩スナップでもいかがでしょうか?

最後まで見て頂きありがとうございました。

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