絶滅した16mmフィルムカメラ【MAMIYA-16 AUTOMATIC】を使って写真を撮ってみた。
こんにちは「Kio」です。
今回は皆大好き「16mmフィルムカメラ」を使って写真を撮ってみた話だよ!!!
って、、、、「16mmフィルムカメラ」なんて多分このブログを見てくれている方々の殆どが知らないよね。
今回は重い腰を上げ、久々に16mmフィルムカメラを使ったのでその話。
ちっさいカメラが今アツい!!
最近ロモグラフィーから110フィルムカメラである
【LOMOMATIC 110】
が発売されたのは記憶に新しい。
このカメラフィルム愛好家の間ではにわかに盛りあがった。
今の時代に新品のフィルムカメラを新発売したロモグラフィーは凄いと思う。
現在ではこのカメラに使う事が出来るフィルム「110フィルム」はロモグラフィーだけが製造販売をしている。
そして、ペンタックス17や、Rollei35AFも販売されるし、ドンキでハーフの使い切りカメラが発売されるなど、コンパクトなカメラが流行ってきている!!気がする、、、w
16mmフィルムカメラの話のはずなのに110カメラの話になっちゃったけど、この110フィルムと今回紹介する16mmフィルムって実は同じ規格のフィルムを使用しているんだ。
次は話に出て来た、110フィルムと16mmフィルムの違いや、16mmフィルムで撮った写真を紹介していこうと思っている。
110フィルムと16mmフィルムの違いは?
元々16mmフィルムは映画用として製造されていたフィルム。
映画だけではもったいない!!!って事でカメラにも使われる様になり、海外含め、日本でも
- ミノルタ
- コーワ
- ヤシカ
- マミヤ
等のメーカーが1940年代後半~1970年代頃まで製造販売していた小型軽量なスチル用カメラ。
僕たちが慣れ親しんでいる35mm判のフィルムカメラの小型化と、低価格化、更には「110フィルム」が1972年に登場して16mmカメラは姿を消した。
と、ここで疑問が出て来ると思う。
何故同じフィルムを使うのに16mmカメラは消えて、110が残ったのか????
理由はいくつかあるが、16mmカメラが消えて行った理由として
各社フィルムマガジン(カートリッジ)の規格が定まっておらず、統一規格の110フィルムにとって代わった、、、
のが大きな理由であると思う。
例えばミノルタの小型16mmスチルカメラシリーズ「ミノルタ16」と、今回紹介する「マミヤ16」は同じ16mmフィルムを使うのだが、フィルムマガジンの形状が違うので互換性が無い。
ミノルタはミノルタ16、マミヤはマミヤ16専用のフィルムマガジンが必要だった。
まぁ、どう考えてもフィルムメーカーとしてもカメラメーカー毎に違う形状のフィルムを生産しなければいけないのは非効率そのものだよね。
一時期ソ二〇なんかも独自規格の「メモリースティック」なんかを発売していたがいつのまにか消えた、、、、
そこに1972年に颯爽と、現れたのが「110」フィルム。
使っているフィルムは一緒だが、世界のコダックが規格を統一してリリース。
110カメラとして発売されたものであれば基本的に互換性がある。
流通量、生産性、使い勝手等、メーカー毎に違うマガジンを使っていた16mmカメラが世界のコダックに敵うはずもない、、、、、、
しかも同じ16mmフィルムを使ってはいるがフォーマットサイズ(実際に写る部分)が110フィルムが13×17mmなのに対し、16mmカメラは10×14mm(例外アリ)と少し小さい。
35mmと比べるどその差は一目瞭然だし、110とは僅か3mmの違いではあるが、そりゃあ少しでも大きく写る方が良いよね。
これは今のAPS-Cとフルサイズ論争にも似ていて、昔から人間はちょっと大きい方が好きなんだろう。
更には、先にも書いたように出た当初は高級機だった35mm判のフィルムやカメラも高機能化してきて値段も安くなって来たんだからもはや16mmフィルムカメラの出る幕も無くなったのだろう。
更に、もう数十年もフィルムマガジンにセットされた16mmフィルム自体が製造されていない、、、、
いうなれば16mmフィルム&カメラは完全に絶滅しているんだ。
絶滅はしているがまだ使える!!!!
フィルムマガジンにセットされたフィルムは既に完全に絶滅してはいるが、それでも変人カメラマニアは何とかして16mmフィルムカメラを使おうと試行錯誤している。
方法としては主に
- マガジンを手に入れて16mmフィルムを詰め替えて使う
- マガジンに35mmフィルムを16mm幅に切ったものを詰め替えて使う
今回僕はこの両方を試してみた。
1のマガジンを手に入れて16mmフィルムを詰め替えて使うは、現在でも長巻100ftや400ftのカラー、白黒フィルムが現行品で手に入る。
このフィルムを購入して別途手に入れたマガジンにカットして詰め替える。
2のマガジンに35mmフィルムを16mm幅に切ったものを詰め替えて使うは、そのままの意味で、現在も手に入る35mm判や120フィルムを16mmの幅にカットしてマガジンに詰め替えて使う。
僕は運よくマミヤ16用の未開封のフィルムカートリッジを手に入れる事が出来たので、そちらに詰め替えて使う事に。
このマガジンに詰め替えるフィルムも手に入れた。
映画用フィルム「Kodak Vision3 50D 16mm 100ft」を購入。
今までフィルムの入手性の悪さや、手間からカメラは持っていても中々面倒臭がって使っていなかったんだが、去年からカラー自家現像も再開したし、やっとその気になった。
16mmフィルムは20枚撮りで長さが約45cmなので、100ft=約30mなので60本程使える計算だ。
モノクロについては手持ちの色々なフィルムをあんな道具や、こんな道具れアレコレ上手い事やって何とか16mm45cmのフィルムを一本切り出して使った。
まぁ、自分でもかなりの変態「よくやるなぁ」とは思うが、、、、好きなのでしょうがないww
そもそも110カメラより16mmカメラの方がメカメカしいデザインで使ってあげたく魅力がある!!
次は使ったカメラの紹介を軽く。
MAMIYA-16 AUTOMATICってどんなカメラ?
ここでやっとカメラの紹介。
マミヤはカメラ好きなら聞いたことがあると思うが、各種フォーマットのフィルムカメラを製造していた日本のメーカーである。
発売は1959年発売の様だ。
家を探せばあと2台マミヤの16mmカメラがあるが、このモデルが一番好き!!
このモデルからマミヤの銘レンズである「マミヤ-セコール」の名前が与えられている。(多分)
画角は25mmだが、35mmに換算すると大体60mm位な感覚。
ピントは目測式ではあるが0.3m~∞まで無段階で変更する事が出来、2mと4mの間に〇印にあわせるとスナップなどでは使いやすいピント距離をカバーしてくれ、絞り込めばパンフォーカス気味に使う事が出来る。
ファインダーは折りたたまれており、素通し等倍ブライトフレーム入りで、近接撮影パララックス補正枠が付いている。
電池不要のセレン式の露出計を備え、絞りと連動して対応したSSを手動でセットする方式。
勿論フルマニュアルも可能。
シャッタースピードはB、1/2~1/200まで8段階(生産時期によって1/2が無い物も有るらしい)
ボディー背面にはシンクロコード用の接点があるが、アクセサリーシューは付いていない、、、、サイドにアクセサリーシューが付いている個体も見たことがあるが、僕のには無い。
絞りは2.8~16で無段階で変更出来る
前面にある「FILTER」をスライドさせることによって内蔵のイエローフィルターが出て来る仕組みだが、簡単に取り外せる仕組みなので無くなっている物も多いかもしれない。
ボディー上面に基本操作系が全て凝縮し、ダイヤルが配置されたメカメカしさは随一のデザインで、手のひらサイズのコンパクト!
更にこの「マミヤ16オートマチック」の一番の萌えポイントはこちら!
ストラップ金具に付いた「Mamiyaロゴ」!!
カッコいい、、、凄くカッコいい!!!非常に中二心をくすぐるロゴだ、、、、、
と、カメラとしての機能はこんな感じではあるが、まぁ正直デザインは最高だが使い辛い、というより
「構え辛いんじゃ(-_-;)」
このカメラの弱点は他にもあるが、構え辛すぎ問題が一番困る※個人的感想です。
それと、ボディーの形からして、しっかり固定してシャッターを押すのが結構難しく、慣れないと1/100でもバンバン手振れ写真を量産してしまうので注意して使って欲しい。
更にストラップの場所がボディー左側なのもちょっと使い辛い、、、
ここがダメとか言い出すときりがないので、次は実際に撮影したモノクロ&カラーの写真。
マミヤ16オートマチックのモノクロ&カラー写真
フィルムはモノクロMARIX 100を切り出し詰め替えてある。
現像はRodinal 1+49 21.5℃ 8´00(30/60/4)
傷んだテレンプのカスと、光漏れと、傷が、、
猫さん
猫さんを撮る奥さん
青箱漁り
テレンプのカスが激しい(;・∀・)昭和な写り
見て頂いてわかる通り、フィルムには傷が入り、古いマガジンについていた遮光用のテレンプがボロボロになり乳剤面に張り付いている、、、、、、、、、
コレはコレで昔の映像っぽく見えなくもないが(ΦωΦ)
その後ベルベットでテレンプを補修してカラーでリベンジ。
続いてはカラーで、Kodak Vision3 50Dをマガジンに詰め替えて使用。
このフィルムはレムジェット層を剥す加工をしていないので、本来であればECN-2現像という処理なのだが、C-41でも使えるのでレムジェットを剥してC-41で処理してある。
MARICX C-41現像剤 35.5℃ 6´00 (30/30/4)
何回か撮っているがしつこく「ミ◯キー」、、、
逆光にはあまり強くないみたい。盛大にフレアが広がっている。
随分濃い目の青がでた。
最短付近までよって撮影。30cmまで寄れるの便利!
ここから別日のスナップ。
夕方が中心。
リサイクルショップ
育ててるトマトが色づいて来た
ほぼ最短距離で、ピントが合えば中々シャープ
屋根と飛行機雲
ピント迷子(^_^;)
日が落ちる直前で夕日に染まった
日が落ちきった直後
カラーでの写真はマガジンを補修したのでテレンプカスの張り付きも無く、傷も入っていないが、モノクロ、カラー共に手振れや、目測でのピントも結構外した、、、、
でも、手振れも無く、ピントもあっている写真は結構シャープに写っていて、近距離から5m位までが一番良く写っている気がする。
VISION 3そのまま使うのははじめてだったけど、レムジェット層も綺麗に落ちていて一安心だ。
MARIX100等の中身は今回のVISION3 50Dだが、レムジェット層を剥がしてあるので強い光の周りは赤く滲むが今回はレムジェット層が残ったままなので、強い光の周りも滲んでない。
16mmフィルムの現像について
自家現像をする方でも「16mm」フィルムに対応するリールは持っていない方も多いと思う。
僕は16mmフィルム専用リールを購入して使っているが、持っていない方は以下の方法で自家現像することが可能。
- 未露光で定着済みのスヌケフィルムを用意する。※どこの家庭でもある動作確認用のダミーフィルムを60cm位引き出して定着液に付けて透明な状態にして乾かして使おう。
- 「1」で用意したフィルムに16mmフィルムの乳剤面を外側にし、たるみが出ないように端をテープ等で「1」のフィルムに固定する。
- 通常のリールに巻き付ける。
- 普通に現像。
以上の方法で問題なく現像可能だ。
勿論だが、「2」以降は暗室、又はダークバッグでの作業となる。
最後に
ここまで16mmカメラ「マミヤ-16オートマチック」について書いてきたけど、、、いったいどれだけの人が今時「16mmカメラ」で写真を撮ろうと思うんだろう、、、
自分で書いておいてなんだが、これを見て16mmカメラ使って見たくなった人はよほど変わり者フィルムカメラ愛が強い人なんだと思うww
細かく見ると(細かく見なくてもだけど)解像度も低いし、、、、各社の商標対応したフィルムMAGAZINEは手に入れづらいし、色々使うにはハードルは高く「ハーフカメラや110で良くね????」」という声も聞こえてはきそうではあるが、運よくフィルムマガジンとカメラを手に入れられた、若しくは持っている方はたまにはこんなカメラもどうだろうか?
110には無いフルメカニカルの自分で操作する楽しみや、機械式のメカメカしさが詰まった素敵なカメラ達だと思うので、飾りにする位なら是非とも工夫して使ってみて欲しい。
ただ、フィルム写真に鮮明さや、精密なピント、微粒子を求める方にはおすすめ出来ないかな。
その後、モノクロ用に「16mmフィルムカッター」を家にあった端材を使って自作してみたがこれが結構良い感じにカットする事が出来た。
見た目はてきとーなのでご勘弁を( *´艸`)
16mmより太くなると色々不具合が出てきそうなので15mmに切り出すように調整した。
結局16mmジャストに切り出せるように改良したよ!!
見た目もオサレにしてやろうと、形を整え、テレンプ貼りで余ったベロア生地を貼っていったら指輪でも出て来そうな見た目になったが、出てくるのは16mm幅のカッターだ(*´ω`*)
でも、これがあればでダークバッグ内でも安全、簡単に16mmフィルムをカット出来るぞ(ΦωΦ)
次はマミや16オートマチックの弟の、このカメラに16mmにカットしたモノクロフィルムを入れているので撮り終わったらその結果を書いて行こう。
最後まで見て頂きありがとうございました。