話題の新発売のカラーネガフィルム「HARMAN PHOENIX」フィルムレビューその③ISO100とISO200で撮り比べてみた
こんにちは「kio」です。
皆様!
2023年も残すところ僅か。
あっという間に終わった一年だった気がする、、、
こうやって年を取って行くんだろうなぁ、、、と年の瀬にしみじみ思っている、、、
と、挨拶もそこそこに早速今回も「ハーマンフェニックス」を使ってISO100とISO200で撮り比べて来たのでレビューその③として書いて行こうと思う。
ハーマンフェニックスについてはフィルムレビューで2つの記事を書いているのでまずはそちらを見て貰えると今回の記事も入ってきやすいかな。
まずは前回までの「ハーマンフェニックス」の個人的感想のおさらい
このハーマンフェニックス、前回まで3本自家現像をして、色々と書いてきたけど、前回までで僕がこのフィルムに対して受けた印象、感想などをおさらいしてみる。
- ラチチュードは狭い
- コントラストが高い(かなり)
- シャープネスは余り高くない(普通)
- 発色も鮮やか
- 粒状感がある
- TTLダイレクト測光(僕の手持ちのLXでは)だとオート撮影した場合SSが速くなりアンダーとなる
- アンダーに触れるとモヤっとした黄色っぽい色カブリが出て来る気がする
- 露出の変化にとても敏感で、少しの露出変化で色味が大きく変わっていく
- ハレーション防止剤が無いため、強い光を写すとハレーションを起こし赤く滲む
- 完全に新規製造されたスチル用カラーネガフィルムでイギリス「ハーマンフォト」の製造
- 日本での輸入総代理店は´蔵CURA´でお馴染みの「3i株式会社」
- 各スキャナーで公式が公開しているスキャンパラメータがある
とざっくり書くとこんな感じ。
そこで今回はフルマニュアル露出のカメラで撮影し、
アンダー時に見られる(気がする)もっとした黄色っぽい色カブリが出ているか?
実際どれ位のスピード(感度)が出ているのか?
を試してきたので作例を見て貰おうと思う。
今回の検証で使ったカメラ、レンズ
今回の検証で使ったカメラは
OLYMPUS OM-1
レンズは
OM マクロ50mm F3.5と28mm F3.5
28mm F3.5はXのフォロワーさんと欲しいレンズの話(こういう話するから増えていくんだよw)になり、丁度使っていないOM28/3.5があるという事で、僕も2本持っているsmc PENTAX-M 50/1.4とトレードで家にやって来たレンズ。
丁度25日クリスマス当日に届いたので思わぬクリスマスプレゼントだった!
ありがとうございます。
という事で早速少し試写も兼ねて持ち出す事にした。
なんか、毛足の長いフリースを着て首から下げて持ち歩いていたせいで細かいホコリだらけになっちゃって、大きくするとやたらと汚いが、本当はもっとキレイなんだよw
ISO100とISO200撮り比べ&ISO100作例
断りが無い限り比較写真以外は全てISO100での撮影。
現像はMARIX C-41自家現像38℃3´30、漂白38℃ 7´10
現像済みのネガはこんな感じだ。
スキャンはカメラのキタムラのフジフロンティア自動スキャン
早速マクロっぽく少し寄っての撮影。コントラストたけぇww
赤はかなり伸びる印象。
マフラーの巻き方が気に入らないと、マフラーを巻き直す奥さん。
28/3.5での一枚目。
このフィルムでわかる事は「ちゃんと写っている」というだけ。レンズテストにこのフィルムは余り向かないよねw
これは明らかなオーバー28/3.5撮影。
それにしたって盛大に白飛びしてる。
やはりラチチュードは狭いようだ。
これも28/3.5。
見上げるように広角で撮ると迫力が出るね。
28/3.5で撮影。
とっさに撮って傾いていたので傾きを補正している。
工事現場の白い防護壁の前を防塵マスクを付けた作業員が通過する瞬間。
白壁に這っている赤いコードや、木の影等、今回撮った写真で一番気に入っている一枚だ。
28mmレンズはF8以上に絞り込んでピントは5m位に置いて置くと、とっさにスナップ出来るのが良い。
これもずいぶん派手に発色した。
余り通らない路地を一枚。
シャドウ部分を残したかったのでそこに露出を合わせたけど、空は飛んでいる。
自転車の反射にハレーション。
休憩。
この日は晴れていて暖かかったのでアイスコーヒー。
28/3.5で撮影。
シャドウ部分には粒状感が目立つ。
赤く滲むハレーションその②
お酒のケース。
お昼ご飯はお弁当を買いに来た。
赤が基調のオシャレな店内だった。
全力でオシャレな照明。
塗りつぶしたかの様な飽和した「赤」
と、ここまではISO100として撮影したスナップ。
ここからはISO100とISO200の同じ被写体の比較。
200の方はアンダーで少しもやっとしている。
こちらも200はややアンダー気味だね。
こちらも同じく200はややアンダー気味に見える。
光が全体に回っている野外では100も200もどちらでも大丈夫かな?
これは100だと手が飛んでディティールが失われている。
赤はガッチリ飽和している。
写真の感想
いやぁ~
一番最初のレビューでも書いたけど、フジフロンティアでの自動スキャンだとものすごくバッキバキの高コントラストで鮮やかになる。
カットによっては鮮やかを通り越して「ポスタリゼーションか?」と思う位バッキバキだ。
昔あった極彩色として有名なアグファのフィルムよりも凄いと思う。
特に「赤」は飽和しているね。
因みに今回は家にあるEOSON GT-X830でもスキャンしてみたが、もやっとした感じにはならなかったが、多くのカットが家のスキャナーだと正常にスキャンする事が出来なかった、、、恐らくこれはネガの濃度や、そもそものこのフィルムベースの色が関係しているんだと思う。
基本的にフロンティアやノーリツ製のプロ用のスキャナーの方が相性は良いのかもしれない。
そして、最後の方に載せたISO100とISO200の比較写真を見て貰えばわかると思うんだけど、やはりISO200で撮った写真の多くはややアンダーに見える。
光が多く回っている野外では100でも200でも余り問題は無いように見えるので、そういった場合はISO200で使っても良さそう。
今回撮影、現像した分はアンダーでもやっとした黄色いカブリがはっきり出た写真は無かったので、やはりこれ以上アンダーにするともやっとしたカブリが出てくるのかもしれない。
そしてやはりこのフィルム
実効感度は200は無いと思う。
ネガや写真を見た感じ実効感度としてはISO125〜160位(160はカットによってはアンダーになるかも)なのではないだろうか?
そして、何度も書いているけど、やはりラチチュードは狭い。
範囲としてはポジフィルム並なのではないだろうか?
ただ、そこはネガらしく、アンダーに弱く、オーバーには強い特性はそのままなのかな?
アンダーになる位なら少しオーバー目に撮るのが良いと思った。
一般的なカラーネガフィルムよりは、適正露出を強く意識して正しい露出が求められるフィルムではあるが、特性がわかればほんの少しアンダーで撮って陰影がはっきりしたドラマチックな表現など出来るとも思う。
なんにせよちょっと癖はあるけど面白いフィルムではあるのは間違いないね。
ハーマンフェニックスの特性や、おすすめの使い方まとめ
これまでこのハーマンフォトから新発売された「ハーマンフェニックス」の特性等レビューを3回にわたって書いてきたんだけど、特性やおすすめ使用方法をまとめてみる。
- 実効感度は200は無く、ISO125〜160位な気がする
- 光が安定して回っている野外ではISO100~200の間、室内や暗い日陰等はISO100での使用がおすすめ
- アンダーだとモヤっとしやすいので少しオーバー目に撮るのがおすすめ
- TTLダイレクト測光オートで使う時はアンダーに注意
- フロンティア自動スキャンするとコントラスト、彩度共にバッキバキになるので、公式で発表されているスキャニングパラメーターを元に追い込んでいけるならそちらが良いかも
- 露出の僅かな変化で大きく色が変わる
- ラチチュードがポジ並みに狭いのでより正確な露出を心掛けると失敗が少ない
- 強い光源を撮るとハレーションを起こす
- 粒状感も多い、特にシャドー部分はマシマシ
こんな感じだろうか?
最初に書いたおさらいとほぼ同じ内容ではあるけど、大事な事なのでもう一度。
さいごに
スキャン一つで大きく色味が変わるし、スキャナーによっては正常にスキャンする事が出来なかったり、極彩色でバッキバキの高コントラストが好きなら富士フロンティア自動スキャンでも良いけど、ここまではやりすぎだろ、、、って思う方は公式のスキャニングパラメータを元に色々好みのいろを試して欲しい。
それにしてもこのフィルム、発売されてから一気に4本使ってみたけど、スキャンでも大きく変わるけど、使うレンズによってもかなり色味や印象がかなり違う気がする。
特に今回の作例なんかはかなり彩度もコントラストも高く、赤は飽和したカットも多くあった。
これはオリンパスレンズのせいなのか?
せっかく家にやって来たオリンパスOM 28/3.5なんだけど、今度は一般的な特徴のカラーネガフィルムやモノクロフィルムで試写してみようと思う。今回のフィルムではちょっとレンズのテストにはならなかったかなw
レビューとしては今回で終わりにするけど、又今後も色々試しながら使っていきたい面白いフィルムだった。
今回書いてきたレビューは僕が感じた事であって、使う人によっては違う印象を持つかもしれないが、一応こんな感じになるよ!!位に思って欲しい。
是非実際に手に取ってこのフィルムを使って色々試してみると楽しいと思う。
今度使うのはまた来年になると思うけど、その時はまた記事を書ければと思っている。
最後まで見て頂きありがとうございました。