MARIX C-41現像キット+粉末現像剤で時間延長なしで20本安定して現像する方法と、液体タイプと粉末タイプそれぞれのコスト比較等の解説。
こんにちは「kio」です。
「タイトル長っ!!」と思ったあなた、、、大丈夫!
僕もそう思ってるからww
書きたい事だったり伝えたい事を詰め込んだ結果長いタイトルとなってしまった。
先日「モノクロMARIX400をロジナール静止現像してみた」の最後で、今度はMARIX C-41現像ネタを、、、と書いたんだけど、僕にしては珍しく書く書く詐欺にならずちゃんとMARIX C-41の話を書いて行こうと思う。
今回はこのMARIX C-41現像キット粉末タイプ12本用を使って時間延長無く安定して現像をする方法と、合わせてMARIXから発売されている「34本用液体タイプ」と「12本用粉末タイプ+粉末現像剤×3」についてコスト面等の解説。
是非最後までご覧ください。
※現像に使用した薬品の処理は決して流しには直接捨てず、各自治体の定める処理方法に従って適切に処理して下さい。
漂白剤や定着液は12本以上使える!!
昨年秋から「MARIX C-41現像キット粉末タイプ12本用」を使っているんだけど、それも問題無く12本(実際は15本普通に現像した)現像は出来ていた。
MARIX C-41現像キット12本用粉末タイプでの作例や現像データはこちら
最初の1セット12本(この時は14本現像)の現像が終わった辺りでMARIXの社長の肥田さんとちょっとやり取りする機会があった。
そこでMARIX C-41現像キットの話になり、
MARIX C-41現像キット調子良いです!最後の方まで時間延長しながら使って大きな失敗も無く最後まで問題無かったですよ~!
良かったです。
他に何か気になった事とか無かったですかね?
この漂白剤とか定着液ってどれくらいの本数処理出来るんですかね?
あぁ~、漂白剤は30本は余裕で行けると思いますよ!
えっ?そんなに使える物なんですか??
じゃあ12本用の現像液使い切った後もったいないですね~。
そうなんですよ。
もし宜しければ現像液の粉末送りしますので、それを一袋作って「補充液」として入れ替えながら使ってみてください。
えっ?良いんですか?
いつもありがとうございます!
試してみます!!
といった流れで肥田さんに使い方の詳細を聞き、頂いた「MARIX C-41粉末現像剤」を補充液として足し足し使ってみる事に。
そして、実際に使って20本時間延長無く安定して現像する事が出来たのを確認したのでその方法を解説していく。
※因みに上記の会話はかなり端折っておりますが、大体こんな内容だったかとw
MARIX C-41現像キット12本用粉末タイプを使って足し足し使って行く方法
※まずは下記リンクの過去記事で「MARIX C-41現像キット12本用粉末タイプ」の作り方や使い方を解説しているのでそちらを見てから読み進めて欲しい。
用意する物
- MARIX C-41カラーネガフィルム現像キット12本用粉末タイプ×1セット
- MARIX C-41カラーネガフィルム現像剤粉末タイプ×3
- その他現像に必要な薬品類、現像タンク、ダークバッグ、液温計等
続いて母液を入れ替えながら現像する方法
- MARIX C-41現像キット12本用粉末タイプを全薬品を溶かし現像液を作る(こちらの発色現像液100㎖は母液となる)
- 粉末現像剤のみ一袋溶かし、発色現像液1000㎖作る(こちらが補充液となる)
- 現像キットに入っている説明書通りに現像処理を行う
- 一本現像する毎に50㎖の母液を廃棄し、次回現像時に前回廃棄した分の補充液を足す
- 以上の母液の廃棄、補充液を足す、を繰り返し行うと発色現像液を一本当たり50ml入れ替えるので50×20=1000㎖となり20本の36枚撮りフィルムを時間延長無く、安定して現像する事が出来る。
- その20本分の間「漂白液」と「定着液」は最初に作った分をそのまま繰り返し使っても大丈夫
マリックスではC-41現像キットの34本用液体タイプの販売もあるけど、こちらは1本あたり補充液を30㎖入れ替えて使って行くらしい。
入れ替え量が液体タイプと粉末タイプで違うのは液体タイプの方が粉末タイプより濃度が高いので1本あたりの入れ替え量が変わっているとの事。
と、大まかな流れはこんな感じだ。
上記入れ替えながらの処理では基本の現像時間38℃ 3´30のままで大丈夫。
ここで入れ替えながら使って行く方法で現像した作例も少しだけ。
※写真をクリックすると拡大します
フィルムもカメラもレンズもバラバラだけど、全てMARIX C-41現像キット12本用粉末タイプ+粉末現像剤の組み合わせで母液を入れ替えながら自家現像した写真達。
フィルムによる違いはあれど、カラーバランスも大きく崩れ無く、かなり安定して38℃ 3´30のまま最後の20本目迄現像処理が出来た。
そして現在はマリックスの公式ストアやメルカリでも「MARIX C-41現像キット12本用粉末タイプ」と共に「C-41粉末現像剤12本用(1000ml)×3」と補充液として使える粉末現像剤のみの販売も開始している。
こうなってくると実際34本用の液体タイプと、12本用粉末タイプ+粉末現像液×3のどちらが良いのだろうか?
次はこの2つそれぞれでかかるコストや限界処理本数、お互いのメリットデメリット等を解説していく。
34本用液体タイプと12本用粉末タイプ+粉末現像液×3のコスト比較
まずコスト面から2つの比較していく。
注)下記のコストは全てMARIX C-41現像キットのみ(現像剤、漂白剤、定着剤)の値段。現像キットの他に現像タンクや、ダークバッグ、各保存ボトル、液温計、ビーカー等が必要になる。
下記リンクが参考になるので興味がある方は是非見て欲しい。
34本用液体タイプは6,000円
1本あたりのコストは、6000÷34=1本あたり約176.5円となる
対して12本用粉末タイプは2,560円(メルカリだと2,600円)+粉末現像液×3は3,600円の合計6,160円〜6,200円
継ぎ足し無しで使った場合、48本処理出来る事となり、1本あたり約128円となる。
継ぎ足しの場合、現像液が合計4袋で。母液×2、補充液×2となり、母液と補充液で20本現像出来るので合わせて40本現像可能となり1本あたり約154円となる。
但し、48本、又は母液入れ替えでの40本は流石に処一袋では処理しきれないかと思う(漂白液も40本オーバーはキビシイと思う)。
12本用粉末タイプにセットされている「漂白液」「定着液」は実際現像処理をしてみた結果、35本迄は問題無く処理できるのは確認しているが、それ以上は僕では確認は取れていないので注意はして欲しい。
もし、途中で漂白液や定着液がへたって来たらもう1セットMARIX C-41現像キット12本用粉末いタイプを購入して漂白液や定着液を作ればよい。
若しくは12本用粉末タイプを1セット買って500ml×2で母液と補充液として、入れ替えながら使えば10本時間延長無く安定して使うことができるので、まずは試したい方はこちらを試しても良いかも。ただ、こちらだと漂白液や定着液の処理にまだまだ余裕があって勿体ないし、母液が500mlだとタンクによっては135フィルム1本づつしか処理できないデメリットはある。
そして、保存期間だけど、34本用の液体タイプは最初から密閉性、遮光性の高いアルミパウチに入っていて現像液は未開封で約6ヶ月、開封後空気を抜いて保存して約2〜3ヶ月となっているが、12本用粉末タイプは自身で保存容器を用意し、溶解後は約1ヶ月(溶解前の粉末状態であれば一年以上持つと思われるが確認は取れていない)となっている。
粉末タイプを溶解したあとであっても密閉性の高い容器で空気と光を遮断し保管できれば2ヶ月は問題無く使えるのは確認済み。
オススメの保管容器はアルミパウチや色付きの保存ボトル等が良いかと思う。
https://amzn.to/3vu5HyE https://amzn.to/4aHyzUa僕は上のリンクのアルミパウチと保存ボトルを実際に使用しているのでオススメ。
34本用液体タイプと12本用粉末タイプのメリットデメリットまとめ
以上の事を踏まえたうえで34本用液体タイプのメリットとデメリットをまとめてみる。
34本用液体タイプメリット
- 最初から現像液は溶解してあるので準備の手間が減る。
- 母液、補充液共に最初から密閉性、遮光性に強いアルミパウチに入っている。
デメリット
- 開封後は約2~3ヶ月ほどで34本処理しなければいけない
続いて12本用粉末タイプ+粉末現像液×3のメリットデメリット。
12本用粉末タイプ+粉末現像液×3のメリット
- 一袋づつ時間延長しながらの使用なら、12×4=48本現像可能。
- 母液×2、補充液×2で時間延長しながらだと40本現像可能。
- 袋のままなら長期保管可能。
デメリット
- 付属の漂白液、定着液が48本、又は40本現像した場合処理能力が足りなくなる可能性がある。
- 現像液、漂白液、定着液全ての溶解を自身で行う必要がある。
- 現像液体分の遮光性、密閉性の高い容器を別途用意する必要がある。
コスト面では12本用粉末タイプを使ったほうが1本目あたりのコストは48本でも母液入れ替え方式の40本でも34本用液体タイプに比べて安い。
12本×4の場合は1本毎に時間延長したり、最後の方は現像液のヘタリ具合で少し現像結果が安定しなくなってくる場合もあるので、1本あたりのコストは僅かに高くはなるが、個人的に母液を入れ替えしながら12本用粉末タイプを母液+補充液で現像していったほうが時間も基本の38℃3’30のままで最後まで安定して処理出来るのでオススメだ。
ただ先にも書いた通り、35本を超えての漂白液、定着液の使用は僕自身は確認していないので気を付けて欲しい。
MARIXの公式HPに漂白液と定置の処理能力確認方法が載っているので紹介しておくので、30本を超えた辺りや、作成してから2ヶ月位経ったら以下の方法で処理能力のテストをするのをオススメする。
【漂白液の性能テスト】
白黒ネガを光に感光させ、通常通り現像定着乾燥したものを用意する。(ゼロコマ目にある真っ黒の現像済のネガのことです)それをそのまま漂白液につけて黒色が抜けて半透明の乳白色になるまでの時間を計る(3-4分以内なら十分漂白力あります)その後、定着液につけてきれいに透明ネガになることを確認する。
MARIXフィルムHPより
【定着液の性能テスト】
未現像の白黒かカラーのネガフィルムの切れ端をそのまま定着液に入れる。色が抜けてベース色の透明になるまでに時間を計る(3-4分以内なら十分定着力あります)カラーネガはベースのオレンジになるので白黒のほうがわかりやすいです。
MARIXフィルムHPより
まとめ
ここまでMARIX C-41現像キットについて34本用液体タイプと12本用粉末タイプ+粉末現像液について色々書いてきた。
かなりニッチでマニアックな内容で、既にカラー現像をしている方にとっては特段真新しくもない情報かもしれないけど、時間延長なしで20本安定して使える上に、1本あたり約152.5円で処理できるのはちょっとコスト的にも助かるので皆さんと共有してみようと思い書かせて貰った。
もちろん、このMARIX C-41現像キットは公式HPの販売ページにも書いてある通り
「あくまで家庭で出来る簡易処理」
である事、
「保管状況や、保存期間等によっては規定より処理できる本数が少なくなる可能性」
を理解した上でカラーネガフィルムの自家現像を楽しんで欲しい。
最初は工程や温度管理等、忙しく、難しく感じるかもしれないが、慣れてくるとしっかり発色もしてくれて綺麗なネガが出来るようになると思う。
僕は去年秋からカラーネガ自家現像を再開したけど、やって良かったと思っている。
さて、次は何か別なネタを挟むかもしれないけど、考えている事があって、
「MARIX カラーリバーサルフィルム」で撮影して、このMARIX C-41現像キットで「クロスプロセス現像」をしてみようかと。
ちょっとリバーサルフィルムを使うのはもったいない気もするけど、試してみたい衝動が勝ってしまったからしょうがないww
上手く行ったら皆さんにお見せできると思うけど、暫くしてクロスプロセスの記事がアップされていなかったら、、、、、察して欲しいw
最後まで見て頂きありがとうございました。
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