【目測ピントのすすめ】目測機でスナップするのにおすすめの簡単設定!

フィルムカメラ

こんにちは「kio」です。

先日「フィルムカメラレビュー」でローライ35について書きました。

【フィルムカメラレビュー】最高のフルメカニカルコンパクトカメラ Rollei 35
こんにちは「kio」です。 満を持しての登場、、、、 【Rollei 35】のレビューをしていきたいと思います。 このカメラ度々このサイトでも出来てきますが、僕が大好きなカメラ。 初代Rollei 35が発売されたのが1967年ですので、2...

その中で、最後に「今後、目測機の使い方等紹介していきます。」

と書きましたが、早速ローライ35を例に目測機のスナップ向き簡単設定について紹介しようと思っています。

是非最後までご覧ください。

目測機とは?

目測機とはなんぞや?という方のために。

通常のカメラのピント合わせは大きく分けて「5種類」有ります。

  1. 固定焦点
  2. 目測ピント
  3. ゾーンフォーカス
  4. マニュアルフォーカス
  5. オートフォーカス

1.固定焦点:ピントが固定になっていて、大体の機種が1m、1.5m~∞(遠景)までピントが合ったように見える機種「代表機種」は写ルンです、オリンパスPEN EE シリーズ、Kodak EKTAR H35等

2.目測ピント=カメラ本体に距離計が内蔵されておらず、ピント距離を目測で測り、ピントの距離指標までの距離を、目測で測った距離に合わせて撮影する機種「代表機種」ローライ35,オリンパスPEN D等

3.ゾーンフォーカス=目測機と似ているがピントの距離までがイラスト等で3~4つに区切ってあり、それに合わせて大体でピント位置を決め撮影する機種「代表機種」LOMO LC-A、Canon Demiシリーズ等

4.マニュアルファーカス=一眼レフやレンジファインダー等、カメラ本体に距離計が載っており、ファインダー内でピントを合致する様に自分で操作し、正確なピント合わせが可能となっている機種「代表機種」バルナックライカ、ライカMシリーズ、Nikon F、F2、F3 Canon Aシリーズ等

5.オートフォーカス=電子制御で被写体までの距離を測定し、ボタン一つでピントを合致させてくれる機種「代表機種」Nikon F4、、F6、Canon EOSシリーズ等

ざっくり書くとこんな感じ。

この種類の中でも、カメラを始めたばかりの人に聞くと圧倒的に「2」の目測機は難しいと思っている方が多いんです。

でもこの記事を見て貰えば「目測機」なんて簡単に使えるようになります!!

目測機でピントを外さない設定

ここでは目測機でもピントを外さない(外しずらい)設定を解説していきます。

ISO100のフィルムを入れていて、晴天日中の主にスナップ用途で

F11、SS1/125、ピントは5m(ローライ35では6m)

これが日中晴天野外で僕がスナップに使っているテッパンの設定!!

ローライ35の焦点距離40mmレンズでは上記設定にすると

手前3m~奥は∞までピントが合ったように見えます。

何故ピントが合ったように見えるかは「被写界深度」というものが関係していますが、これを説明し始めるとかえって判り辛くなっちゃうので興味がある方は各自調べて下さいw

ISO200であればF11、SS1/250、ピント6m

ISO400であればF11、S1/500、ピント6m

で3m~∞まで行けちゃいます。

ISO400の時のF11をF16にした場合はSSを1/250、ピントは6mで手前2.5m~∞までピントが合います。

但しこれはあくまでも「スナップ用」歩いていてパっと目に入ったものをさっと撮るのに適しているので、

バストショットの人物なら1m~1.5m

ちょっと近くなら1.5m~3m

パット見た街並みや人の動きを写したいなら5m

風景なら∞

と、ピントをその都度合わせて貰った方がしっかり写りますし、所謂「ゾーンフォーカス」の感覚で大体良く撮る被写体までの距離を3~4つに区切って使い分けていればいいんです。

そして、上記ピントでの設定でのポイントは「F値」

F値はなるべく5.6以上にしましょう!

そして、F11にしておけば、3mから写るんでしょ??

と思ったあなた、、、それは

あくまでピントが合っている様に「見える」だけで実際被写体まで3mなら6mピントより、ピントは3mで撮った方がシャープにしっかり写ります。

僕は、散歩スナップが好きなので、歩いていて目についた街並みや、人の動き等を良く撮影するので、基本設定はピント5mでF8~11にしている事が殆ど。

次は実際に上記設定で散歩スナップして来た時の作例をお見せします

ピント6mでの作例

今回はISO200のカラーネガ「Kodak GOLD 200」を使って撮影してきました。

ISO100の時はF11、SS1/125、ピント6mでしたが、ISO200なので、SSを一段上げ、F11、SS1/250、ピントは6mにしてあります。 

カメラはローライ35、カメラのキタムラ現像、データ化無補正です。

ここで紹介する写真は全てF11、シャッタースピード1/250での撮影。

時にはファインダーすら見ないで徹底的に速射にこだわってスナップしてきました。

おしい!わずかにオーバー
これもちょっとオーバーだった~
ここも良く写真撮っています
並びが遺跡の様
走ってくる消防車をノーファインダーで
奥に「支度中」の札が、ここは一体何なのか?いつもそう思いながら前を通っています。
何となく撮った写真

F11でピント6mでの写真を見て頂きました。

ローライ35ならF11で手前2.5m~∞までピントが合ったように写せるんです。

背景までそれなりにピントが合ったように見えるかと思いますし、先述した通り、歩いていて目についた街並みや人の全体を撮るのに丁度良いのがピント6m。

天気もバリバリに良かったので上記設定だと反射でややオーバーっぽい写真もありますが、これは完全無補正なので、露出補正お願いすればデータ化、プリント時にはこれ位だと全くわからない位ちゃんと補正して貰えますので気にせず行きましょう!!

次は被写体によってピントや設定を変えた時の写りを見て頂きます。

被写体によってピントや絞りを変えた作例

上記は基本全てF11でしたが、流石に室内や、夕方、日陰等はそうはいかないので、その際は大体の距離を測ってピントをそれぞれ被写体に合わせ、F値を変えてありますが、F5.6位を確保出来れば結構ピントは目測でもあってくれます。

F5.6 ss1/60ピント1.5m
F5.6 ss1/30 ピント6mと∞の間位、手前の人物をはっきり写したければ6mで良かったですが敢えて手前の人達はぼかして、奥にピント合わせています。
F5.6 ss1/30 ピント1.2m
F5.6 ss1/30 ピント2m
F11 SS1/500 ピント3m
F11 SS1/60 ピント1.2m
F11 SS1/125 ピント2m
F11 SS1/125 ピント2m
F11 ss250 ピント3m
F8 ss1/60 ピント2m

いかがでしょう、今回はかなりいつもよりかなり適当にピントを決めて撮ってみました。(いつも適当ですけど、、)

「F5.6以下にはしない」という縛りでしたが、見て頂いた通り大体ピントも合っているように見えますよね。

F5.6あれば結構何とかなるもんです。

そして、被写体までの距離が近ければ近いほどF5.6でも背景はボケていきます。

これは目測機に係わらずピントを合わせたものと、背景の距離が離れていれば離れているほど。ボケるという事ですが、それに伴い、「被写体までの距離=ピントの距離」が短ければ短い程、ピントが合う範囲は狭くなります。

Kodak コダック カラーネガフィルム GOLD 200 36枚撮 3本セット オリジナルマイクロファイバークロス付 ゴールド
ブランド:KODAK モデル名:GOLD 200 フィルムカラー:カラー フィルム形式タイプ:135 撮影可能枚数:36 ISO感度:200 入数:3本

被写界深度を確認する方法

被写界深度については各自調べてくださいと書きましたが、簡単に被写界深度を確認できるサイトがありますのでそちらを紹介しておきます。

被写界深度の計算」←リンクに飛びます。

このサイト、個人的に昔からお世話になっております。

製作者様は「OGATA Shin」様、今回リンクを使用するにあたり掲載の許可をお願いしたら快く許可して頂きました。

この場を借りて御礼申し上げます。

ありがとうございます。

さて、上記「被写界深度計算」のサイトの使い方は簡単、上から、

  1. カメラ:使用するカメラのフォーマットを入力します、通常の35mmフィルムカメラなら開いたままでOK
  2. 被写体までの距離:ピントを合わせたい場所までの距離を入力します。
  3. レンズ:カメラのレンズ銘板に書いてある「〇〇mm」の数字の部分を入力します。
  4. 再計算:2番目の「被写体までの距離」の隣の「再計算」ボタンをクリックします。

すると各F値によるピントが合ったように写る範囲が表として出てきますのでそれを参考にどれくらいまでピントが合うかを確認します。

例えば、ローライ35の40mmレンズで被写体までの距離を1m、3m、6mで計算すると、

F11で、1m=0.814m~1.297

    3m=1.779m~9.568m

    6m=2.529m~∞

という数字が出て来ます。

これはこのサイトにも書いてありますがあくまで「近似値」となっていて完璧な数字では無いみたいですが、大体の目安にはなります。

ローライ35の取り扱い説明書に書いてある被写界深度表を例に出すと

F11、1m=0.87m~1.19

   3m=2m~6m

   6m=3m~∞

と記載してあるので上記の物とやや違いはありますが大体の目安としては十分ですよね。

でもローライ35の説明書の3m、F11の時に2m~6mというのは上記計算より大分短いですよね?使ってみた感じはピント3mだとF11あれば7~8m位はピントは来てるように感じるのですがどうなんでしょう?

そこらへんはなんだか難しい計算式等あるみたいですが、僕はよくわかってませんし、結構アバウトに撮影楽しんでます(笑)

そして、このサイト上で使用カメラのフォーマット、レンズ焦点距離、被写体までの距離をそれぞれ変えて入力していけば、お使いのカメラ、レンズのおおよそのピントが合う範囲が確認できます。

ここまで知れば、もう目測ピントなんか怖くないですね!!

只、先にも書いたように被写体までの距離が近ければ近いほど、ピントが合う範囲はどんどん狭くなってきます。1mだとF11でも約30cmしかピントが合う範囲は無いので気を付けて下さい。

これを開放F値で最短撮影なんかだとかなりの確率でピント合わないです。

例えば下の写真。

ローライ35で最短撮影でF4、1列目中央のカメラにピント合わせたかったのですが、その後ろ2列目にあってますね。

こんな感じで最短、開放F値付近は目測だと、ピント合わせの難易度が「ぐんっ!」と上がりますのでお気を付け下さい。

逆にちゃんとピントが合うと、背景のボケも楽しめます。

奥さんにモデルになって貰い、ローライ35での最短撮影距離90cmでの作例です。

これはF5.6ですが、ローライ35の最短撮影距離90cmで撮りました。
これはF4でピントは最短90cm。ちゃんとピント合ってますね。

これは前にもちょっと紹介した、「レーザー距離計」を使って90cm測って撮影しました。

小型の屋内専用レーザー距離計

※このレーザー距離計を使う場合絶対に人や、運転している車等に向けて照射しないで下さい!!場合によっては重大な事故を引き起こす場合があります!!!

と脅しておきますが、本当に使い方によっては害が及ぶ強い光であるのは間違いないので、人の距離を測る時は目には絶対に照射せず、身体に当てるなどしてくださいね、それと、運転中の車などにも当てないで下さい。

それさえ注意していれば目測機でちゃんとピントを合わせたいときや、開放F値、室内最短撮影の時、背景をちょっとでもボカしたい場合にはとても有効です。

スナップ向き、目測機簡単設定まとめ

色々と、目測機のピント合わせについて書いて行きました。

目測機でのカメラ設定をまとめると、

日中野外晴天で目についたもの全体を写したくて、被写体まで3m以上離れているなら、

Fは11以上、でピントの距離は5m!!

【最低でもF5.6は確保】

この2点がピントを外し辛い設定!

只し、これだと3mより近くはボケちゃうのですが、最初は少し距離を離してスナップで慣れてからが良いと思います。

そして、シャッタースピードはその時で自分が撮りたい写真に合わせて下さい。

歩いている人を取りたい時は1/250以上、歩いている人をわざとブラして動きを出したい時は1/30とか、色々な設定で試してみてください。

ISO感度を高くすればするほどF値もSSも大きく出来るので、35mm目測機を使う場合は出来れば

ISO400がおすすめ!!!

これでカメラに余り慣れていない方でもちゃんと撮れます。

ちょっとカメラに慣れてきた方は、上記で書いたように、被写体までの距離をその都度3~4つ位に区切り、F5.6以上で、ゾーンフォーカスみたいに使うと近い物でも比較的ピントはちゃんと会います!

ISO400あれば室内でもそれなりにF値もSSも稼げますので、慣れないうちは出来るだけ高いISOのフィルムを使うのが絶対おすすめ

後は沢山写真を撮っているうちに大体の被写体までの距離感がわかってきます。

目測ピントの最大のメリット

目測機だからといって敬遠するのではなく、上記に書いてある設定で撮ってみると、案外ちゃんと写りますし、何と言っても、目測機の一番のメリットは

速射性

慣れてくれば設定を固定したまま、若しくは被写体までの距離をさっと合わせ、カメラを取り出して撮影動作に入れますので、シャッターチャンスに強く、スナップには向いています。

僕が大好きな写真家「アンリ・カルティエ・ブレッソン」もレンジファインダー機である、ライカM3で50mmレンズを使い、F8、SS1/125、ピント5mでスナップを撮っていたと言われています。※F5.6とも書いてある所もあります。

このF8、ピント5mを上記で紹介した「被写界深度の計算」で入力すると、

F8で手前3.263m〜10.695m

と、歩いていて目についた全体が写る範囲。

かのブレッソンは「決定的瞬間」を撮るのに、いちいちファインダー内でピントを合わせて撮るのではなく、設定を固定で速射性を重視していたんですね。

目測機だけでは無く、一眼レフでも、レンジファインダーでも被写界深度を利用してスナップを撮影するというのは昔から使われていた技術なんです。

最後に

目測機でスナップ向きのピントを外し辛い設定を書いていきました。

今回は主にローライ35を使って説明しましたが、レンズの焦点距離が広い程、被写界深度も深くなり、ピントを外し辛くなってきますので、目測機を使う場合は50mm以下のレンズを使うのもコツの1つで、「リコーGR」なんかも28mmレンズで被写界深度が深くなるのを利用しているのでスナップが撮りやすく、レンズの性能と合わさり、名機と言われています。

慣れてくるとスナップ写真では目測機以外使いたく無くなるほど快適に使う事が出来ますので、敬遠せず、是非目測機を使ってみてください。

そしてこの「被写界深度の計算」等を使って、ご自分のよく使うレンズの各F値での被写界深度をチェックし、ピントが合ったように見える範囲を理解しておくと、更に目測機でのスナップが捗ると思います。

最後まで見て頂きありがとうございました。

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