和製ローライ35?ローライ35とは似て非なるコンパクトカメラ【ペトリカラー35】レビュー

フィルムカメラ

こんにちは「Kio」です。

2024年も気が付けばあっと言う間に2月。

この記事を書いている時点で既にレンズ3本、カメラ5台増えてる、、、

ここで皆さんに宣言するけど

「もうカメラ(レンズ)は買わない!!」

ここはビシッと意思表明をしておこうと思う!!

新しい家族が増えた

我が家に新しい家族が増えたんで皆さんに紹介するね〜。

やってきたのは

「ペトリカラー35」

えっ?何??

「今年はもうカメラ買わない」って言ってたのに急にコワイって??

ふむ。

「すまない。さっきの宣言は嘘だ!」

定期的に「カメラ買わない!」って宣言したくなる病気なのであまり気にしない欲しいw

と、そんなことより今回は新しくやってきたカメラ

「ペトリカラー35」

についてのレビューとして、使用感等書いていこうと思う。

作例も沢山あるので是非最後までご覧下さい。

ずっと欲しかったペトリカラー35

このカメラ以前触ったことがあって、その時からずっと欲しいと思っていたカメラ。

そんなタイミングで良さげなペトリカラー35のブラックを見つけてしまった、、、

一瞬「これ以上カメラ増やすのもどうかなぁ〜」

と思い留まり、欲しい気持ちを抑え込もうとローライ35を眺めてたんだ。

「やっぱり、ローライ35カッコいいなぁ〜」

「コイツさえいれば満足だよなぁ〜」

「でもローライ35もお友達いなくて寂しいんじゃないか?」

という、とてもとても残念な思考でついついポチってしまったんだよね、、、

まぁ、5年探したし、これもなにかの縁だし、ローライ35もお友達欲しそうだったし、ブラックだし、、、

「PETRI」ペトリカラー35についてスペック等

このペトリカラー35は1968年当時の“栗林写真機械製作所”より発売されたコンパクトカメラ。

発売にあたり、1966年に発売された「ローライ35」を意識したと言われていて、一部では

「和製ローライ」

なんて呼ばれているようだ。

カメラとしてのスペックは以下の通り

ペトリカラースペック

フィルム:35mm判フィルム

レンズ:直進繰り出し式 3群4枚テッサータイプ C.C(コンビネーションコーティング) Petri 40mm F2.8 4枚羽根

フィルター径:40.5mm

シャッター:機械式 ペトリMS B、1/15~1/250 F2.8~22

撮影距離:1m 〜∞ 

ピント合わせ:目測式

ファインダー:ファインダー内距離指標、露出計表示あり 採光式ブライトフーム

カウンター:自動復帰順算式

露出計:Cds定点合致連動式露出計

電池:露出計のみに使用。本来は1.35Vの水銀電池使用だが現在は手に入らないので、SR44(LR44)で代用可能

スペックだけ見るととても平凡なスペックとなっている。

しかし、このカメラの魅力はこのスペックではないんだ。

次は「ペトリカラー35」の外観など、ローライ35と比較してみる。

ペトリカラー35は和製ローライ35?

このカメラ1966年発売のローライ35を意識して作られたと言われている、が、、、、

実際には全く別のカメラなんだ。

実際にローライ35と並べて外観を見てみよう。

横幅はペトリカラー35の方が僅かに大きい
レンズを沈胴させた状態。ローライ35はフードが付いている。ボディー単体の厚みはほぼ一緒か?沈胴させた状態ではペトリカラーの方がやや大きい。
レンズを繰り出した状態。フードを除けば両者ほぼ同じ大きさ。
裏蓋は「カパッ」と取り外せる。

比べられている「ローライ35」と外観比較してみたけど、確かにコンパクトで裏蓋の構造は似ているが「和製ローライ」と呼ぶには見た目も違うし、、、、

理由としては、多分ローライ35が1966年に発売された時にカメラ業界ではかなり話題になり、その2年後に大きさもほぼ同じで目測式、レンズも40mmのテッサータイプという事で何かと比べられ「和製ローライ」等と呼ばれたか、若しくはペトリ側が話題のローライ35に乗っかってそう宣伝したのかもしれない。

まぁ、今となっては本当の所はわからないんだけど、当時の事をニヤニヤとカメラを眺めながら色々と想像するのは楽しいもんだ。

そして、ペトリカラー35は発売当時「35mm判40mm F2.8カメラとして世界最小」と謳っていたらしいね。

大きさと、レンズの画角、裏蓋フィルムの装填方式こそ似ている物の、操作性、描写も含めて全く別物のカメラだと思うし、発売当時の値段もローライ35は「高級機」対してペトリカラー35は「大衆機」なので比べるのもどうかと思う。

実際当時の価格帯もかなりの差があったみたい。

次はペトリカラー35での作例。

アッサリ目の色合いのペトリカラー35

早速カラーフィルムで二本撮影したので作例。

二本とも使用フィルムは「フジカラー100」

最初の一本はカメラのキタムラ現像スキャンで、近所の散歩スナップ。

レトロな雰囲気の郵便受け

ぶ、ぶれた、、、、

天気も良いんだか、イマイチなんだか微妙な光線状態だった

青はかなりアッサリ、スッキリした印象

見たままに近い自然な色合い

廃病院の解体現場

梅が良い感じに咲いてきた

一時期よりは安くなったけどずいぶん高くなった

レトロな居酒屋

次の写真からは別日でMARIX C-41自家現像。

37℃4’15(30/30/4)での処理。

スキャンはEPSON GT-X830自動

天気も良く海方面へスナップに。

この船も良く撮ってる

いつ見てもカエルに見える

海面がキラキラ、逆光でも中々良い写りだ

水門

上の写真と同じ水門。別角度から

だ、誰??

盾がくっついてるみたい。コレは何なんだろうか?

大小の影

と、ここまで沢山作例見て貰ったけど、撮影条件としては一本目はやや曇り、二本目は太陽光たっぷりの晴れでの撮影だった。

写真を見て僕が感じた印象は

  • クセの無いアッサリ、スッキリした色合い
  • 絞り込んでの撮影ではそれなりにシャープ
  • コントラストもそれなり
  • フードは付けてないが逆光にもそれなりに強そう

色合いもとても自然でとても好きな感じ。

色味の傾向的にコダックよりフジのフィルムの方が合う気がするし、春や夏なんかにはとても似合いそうだと思った。

ド逆光での撮影はまだなのでわからないけど、割と逆光耐性も強そうな印象だったので、コンパクトさを活かすために暫くフード無しでの運用してみる予定。

次は「ペトリカラー35」の操作やお作法についてちょっと書いて行こうと思う。

ペトリカラー35の操作方法とお作法

このカメラ基本的には特殊な操作は無い。

基本的な操作についてはフィルムに慣れている方なら直感的に操作する事が出来ると思う。

  1. レンズを繰り出し、フィルムを装填、たるみを取ってカウンターが「1」になるまで空シャッターを切る(お作法として後述しているがこのカメラレンズを繰り出さないとシャッターが切れない仕組みとなっている)
  2. レンズ根本にある「ISO感度設定ダイヤル」を使うフィルムに合わせる
  3. 撮影
  4. 底部にあるリリースボタンを押しながら上部巻き取りレバーを回してフィルムを巻き取る
  5. 取り出したフィルムは現像、プリント、スキャンしよう

大まかな流れはこんな感じ。

フィルム装填に関してはローライ35と同じで裏蓋をパカッと外して、圧板の下にフィルムをくぐらせ装填する方式だ。

巻き上げレバーの位置がローライ35とペトリカラー35では違うのでフィルムを入れる場所がお互い違う。

電池に関してはフィルム装填前にしか交換出来ない構造の為、フィルム装填前に電池は入れることとなる。

基本的なフィルム装填方法はローライ35のフィルム装填方法とほぼ同じなので、以前作った「ローライ35フィルム装填」の動画を貼っておくので参考にして欲しい。

シャッタースピード変更や、絞り変更などは軍幹部右側に「SSダイヤル」「絞りダイヤル」が並んでいるので現代のデジカメの様に右手だけで変更、操作が完了する。

右にフィルム巻き上げレバーも付いていて、基本右手だけで操作は完結する。

軍艦部右のバッテリーチェックボタンを押すと電池残量がある場合ファインダー内露出計の針が上に跳ね上がり教えてくれる。

動かない場合は電池が消耗しているのでフィルム装填前に交換する事。

ファインダー内には下部に距離指標 山のアイコンは無限遠、3人の人は3m、見ずらいけど一番右の一人の人物は最短撮影距離1mとなっている。

ファインダーは情報画多く、多少ごちゃごちゃ感はあるがとても大きく、クリアで見やすく、センターに十字のガイドがあるので水平出しにも使えそう。

それぞれ山、三人の人物、一人の人物のアイコンで合わせれば「ゾーンフォーカス」としても使用できる。

そして、ピントダイヤルをぐりぐり回してファインダーを覗いてピント合わせをする。

尚、無限遠(山アイコン)にはクリック感がある。

ここでちょっとこのカメラのお作法について。

このカメラも操作にちょっとした「お作法」があるんだ。

  • レンズを繰り出した状態じゃないとシャッターボタンが押せない
  • 巻き上げした状態じゃないとファインダー内部露出計は作動しない
  • 露出計電池が裏蓋を外した状態で無ければ交換出来ない

注意点、お作法は上記三つ。

これらは良く考えられていて、撮影状態にならないとシャッターが切れないの誤シャッターを防げるし、巻き上げた状態じゃないと露出計が動かないのも電池の消耗を減らすのに一役買ってくれている。

ローライ35も色々とお作法はあるがレンズを出さないとシャッターが切れないのや裏蓋を開けないと電池交換が出来ない所も同じ。

検索結果: ローライ35 - PHOTOWALK~写真やカメラの話~
フィルムカメラであそぼう

ローライ35は他にもいろいろとお作法があるがペトリカラー35は上記3点だけ注意すれば良い。

後はローライ35との違いはホットシューの位置。

ペトリカラー35は普通のカメラと同じ様に上部に付いている。

対してローライ35は下に付いているので普通に付けるとこんな感じになる、、

ローライ35でストロボ使う場合は本体をクルッと回して逆に撮らなきゃいけないので、ペトリカラー35の方が圧倒的に使いやすい。

というより、ペトリカラーが優れているというよりは、ローライ35の場所がおかしいんだけど、これもコンパクト化の弊害の一つだったんだろう。

ペトリカラーを使ってみて感じた「好きな点」と「いまいちな点」

好きな点

  • コンパクトでコートのポケットに収まるので持ち歩きに良い
  • ピント合わせ、SS変更、絞り変更、露出確認がファインダーを覗きながら出来、フィルム巻き上げも含め撮影に関する動作は右手だけで完結する
  • ストラップ環がくるくる回って便利
  • 見た目がメカメカしくてカッコいい←最重要

いまいちな点

  • ファインダー内で絞り、SSの数値が確認できない
  • 撮影可能状態にするためのレンズ繰り出し動作が案外面倒で、いちいち沈胴させていると速射性が著しく低下する為、持ち出した時は基本レンズは繰り出したままでの運用とするしか無く、そうすると魅力の一つのコンパクト性がスポイルされる
  • 最速SSが1/250までなのでISO400は晴れた日の野外だとキツイ
  • ピントダイヤルに指標などが無いためピント合わせをするのにいちいちファインダーを覗かなければいけない
  • 被写界深度のメモリがどこにもないのでふとした時に不便

僕はローライ35でスナップする時は歩きながらその場所の光線状態によってSS、絞りダイヤルを適正に合わせ、撮りたいものを見つけたら大体の距離にピントを合わせてサッと撮る。

例えばISO100フィルムで日中野外晴れなら、SS1/250mFは8にしておいて、10m先に撮りたいものがあればピントは6mに合わせるみたいな感じだ。

そしてローライ35ではこれらの操作はファインダーから目を離した状態で全て完結する。

しかし、ペトリカラー35ではSSと絞りは歩きながらカメラを見て設定は出来るが、ピントについてはファインダー内にしか指標が無いためいちいちファインダーを覗かなければならない。

そしてそもそも撮影可能になるためにレンズを繰り出さないといけないが、ローライ35は「スッと引き出してロックする」という操作が1秒程で出来るが、ペトリカラー35はダイヤルをくるくる回して撮影可能になるまで5秒位かかる感じなんだ。

これはどちらもレンズを繰り出した状態で持ち歩けばいいんだけど、ハンドストラップ運用とかでポケットに入れたりする時にはやはりレンズは沈胴させていないと具合が悪い。

ただ、一度撮影可能状態になってしまえばどちらも速射性は高い。

個人的には総合的には「スナップ」「速射」という点ではローライ35の方が使いやすく感じた。

ただこれはあくまでも「慣れ」が大きく関係しているとは思う。

そして、このペトリカラー35「被写界深度メモリ」がどこにも無いのも頂けないが、実際F5.6以上で距離は3mか5mにしていれば大体のスナップについては対応できると思う。

以上の点からペトリカラー35を持ち歩きスナップする時には「レンズは繰り出してピントは3m5m」歩きながらSSとFは都度、光線状態に合わせて変更しておけば、深い被写界深度に頼ってスナップも素早く出来るのではないかと思う。

一応ペトリカラー35の説明書に記載されている「被写界深度表」の画像を貼っておくので参考にして欲しい。

同じ40mmレンズではあるがローライ35と比べてペトリカラー35の方がやや被写界深度は深いようだ。

ペトリカラー35説明書より「被写界深度表」

以前「目測機でのスナップするのに簡単なおすすめ設定」という、目測機でのスナップの時の方法や被写界深度について書いているので是非見てみてね。

最後に

約5年越しに手に入れたペトリのコンパクトカメラ「ペトリカラー35ブラック」

所々塗装は剥げてたりはするけど、どんどん使い込んでもっとボロボロにしたい。

下地が真鍮のブラックペイントだと塗装剥げも良さげに見えて来るので不思議だ。

「和製ローライ」なんて呼び方はペトリカラー35にもローライ35にもなんだか失礼な気がする位、全く別物のカメラだと思う。

どちらもとても写りも良く魅力的なカメラだ。

このペトリカラー35にしかない良さも沢山あり、写りも良く、なにより「メカメカしくてカッコいい!!!!」このカメラ、今後もどんどん使い込んでいこうと思っている。

という事でペトリカラー35のレビューとして僕が感じた事など書いてきた。

暫くはこの「ペトリカラー35」を持ち歩いて色々スナップしていこうと思っている。

最後まで見て頂きありがとうございました。

※その後カラー、モノクロ共に数本撮ってきたのでこちらも是非。

コメント