【検証】モノクロMARIX400(FOMAPAN400)をロジナール1+100静止現像してみた。感度は出るのか??
こんにちは「kio」です。
あれやこれやとバタバタしていて2024年初投稿です。
2024年は1日から大変な事になりました。
2011年3.11に被災した者として、被災者様の大変さはわかっているつもりです。
被災された方にお見舞いを申し上げると共に、一刻も早い復興と安全がやって来るのを心より願っております。
こんな状況ではありますが、相変わらず写真は撮っておりまして、2024年1発目の投稿は以前から試してみたかった「モノクロMARIX400(FOMAPAN400)をロジナール1+100で静止現像すると感度は出るのか?」を試してみたので書いて行こうと思う。
是非最後までご覧ください。
モノクロMARIX400(FOMAPAN400)について
以前からちょいちょい書いているんだけど「モノクロMARIX400=FOMAPAN400」は
「感度400は出ていない」
これは間違い無いと思う。
色々な現像液で公式の現像データで試してみたけど、僕的には大体160~200の間位しか感度は出ていない様に思った。
僕が以前から見ているYouTubeで動画を出している方がこの「モノクロMARIX400」をD-76 1:1 で現像したネガを「SilverSalt」さんが行っている「濃度測定」にかけた結果、、、、
「ISO125~160相当」
の感度しか出ていなかったとの検証動画をアップしていた、、、、
大体僕はEI200で使っている事が多かったんだけど、まさか125~160しか出ていなかったとは、、、、
もちろんこの結果はD76 1:1での検証結果であって、他の現像液はもちろん、撮影時の露出や、撹拌方法、撹拌する回数等色々な条件で変わっては来る。
それにしたってISO400として発売されているフィルムでこの結果はちょっとびっくりだ。
他のフィルムでも実際表記しているISOに届かないフィルムも沢山あるけど、1.2/3段~位足りないのは、、、、
そこで色々と試してみる事にしたんだけど、僕が最近良く使っている現像液、「ロジナール」を使って、更に静止現像を使って現像処理した時に、このモノクロMARIX400はどれくらい感度が出てくれるのかをちょっと実験してみる事にした。
静止現像については別記事でも少し書いてあるのでそちらを見て欲しい。
モノクロMARIX400ロジナール1+100静止現像データ、作例
ここからは実際にモノクロMARIX400をロジナール1+100静止現像した現像データと作例を見て貰う。
今回は1+100 60minと90minの2つ試してみたのでそちらの違いも合わせてみて欲しい。
尚、これから紹介するデータは全てEPSON GT-X830自動スキャンでデータ化している。
最初は60分の静止現像データと作例。
使用カメラ :OLYMPUS OM-1
使用レンズ:50/3.5macro、28/3.5
現像液:ロジナール
現像データ:ロジナール1+100 22℃ 60min 初期30秒連続撹拌後規定時間まで室温で放置
各同じ構図で絞りを変化させEI200とEI400で連続で撮影している。
続けて90分の静止現像の現像データと作例。
全てEI400で撮影。
使用カメラ :OLYMPUS OM-1 MD
使用レンズ:50/1.4(銀枠モノコート)
現像液:ロジナール
現像データ:ロジナール1+100 23℃ 90min 初期30秒連続撹拌後規定時間まで室温で放置
写真を見ての感想
最初の60分の静止現像ではEI200と400で撮り比べてみたけど、EI200の方はハイライトからシャドーまでしっかり出ていると思う、かといってEI400の方が全く感度は出ていないかというとそんなことも無く、やや400には届いていない感じして、ややシャドーが濃く潰れ気味のカットもあるが、アンダーなのを無理やりスキャンしている感じでは無い
90分の方は最初の60分のEI400より更に濃度が出ているが、これもわずかに400の感度は出ていなさそうだが、60分のEI400に比べコントラストも付いている。
60分90分どちらもスキャンして使う分には問題なさそうな感じだと思ったが、皆さんはどう思っただろう?
その後更に一本Rodinal 1+100 20℃ 90minで静止現像を行った。
結果はこちら。
使用カメラ:Nikon F2
使用レンズ:Voigtlander NOKTON 58mm F1.4 SL Ⅱ S
やっぱり良い感じでそれなりに感度も出てくれていると思う。
実際のネガを見比べた感想
下記二枚のネガがそれぞれ60分と90分。
※クリックすると大きくなります。
見比べると60分のEI200では十分な濃度もあり200の感度は出ているがEI400の方はややアンダーな気がする。大体ISO320位な感覚。
90分のネガは濃度的に概ね400に近い感じは出ているがほんの僅かに400には届いていない感じ。そしてややコントラストが高い感じのネガとなった。
60分の方のネガをSNSに投稿して皆さんに広く意見を聞いてみた。
僕は上記書いてきた感想を持ったんだけど、自分の意見、感想だけでは無く、Xにて下記質問をし、皆さんに広く意見を聞いてみた。
- Qこのネガ適切な濃度が出ていると思いますか?
1枚目と2枚目どちらが適正な濃度に見えますか? - A
EI400はややアンダーに見える
EI200はややオーバーに見える
EI200が適正
EI400が適正
紙焼き前提ならEI200の方が良いが、EI400でも使える
EI400の方がスキャンした後の補正は楽そう
EI400のネガの方が好み
コントラストが高そうで硬調に見える
撮影者の意図によるので、どちらが適正かは一概には言えない
よくわからない
と、多くのコメントを頂いたがかなり意見は割れたw
多かった意見としては「プリントするならEI200の方が楽そう」というコメント。
でもそれ以外は本当に意見も真っ二つ、、、、、
聞いたらよくわからなくなりそうだったが、
ん??
意見が分かれるという事は「どちらかが極端にダメ(アンダー過ぎやオーバー過ぎ)」じゃないという事になるのでは???
実際僕の感想としてもスキャンするとしたらどちらでも使えそう、EI400はやや400は出ていないかな?という感想。
コメントでも頂いた「撮影者の意図によるので、どちらが適正かは一概には言えない」というのがある意味正解なんだと思う。
皆さんの意見や、僕の感想含め、これは普通に400として使っても全く問題無いのではないだろうか?
結局モノクロMARIX400と静止現像は使えるのか?
色々と作例等も見て貰ったけど、今回のモノクロMARIX400+静止現像の結果としてまとめると
- 60分だとEI400にはやや感度は足りない感じだが、スキャン、プリント共に使える
- 90分は60分よりは400に近い感度が出て、コントラストがやや上がる
- 60分でも90分でも好みの問題で、好きな方を選べば良い
といった結果で良いのではないだろうか?
ただ、これは正確に濃度測定した訳じゃないし、何をもって適正とするかは撮影、現像する方の意図によっても違うと思うし、中には「全然400出て無いじゃん、、、」と思う方もいるかもしれない。
ただ一つだけはっきりしたのはモノクロマリックス400(FOMAPAN400)をEI400として撮影して、公式の現像データで現像する時よりは、はるかに400に近い感度も出てくれているとは思う。
最後に
という事で、モノクロマリックス400をロジナール静止現像したらどうなるか?60分と90分で撮り比べてみたんだけど、僕的には今はプリントしないでスキャン前提で楽しんでいるので、90分の静止現像の方が好みではあった。
モノクロMARIX400(フォマパン400)を使っていて、「なんだかめちゃアンダーだな、、、」と思っている方は今回のスキャンした作例やネガを見て皆さん自信で判断して静止現像をしてみて欲しい。
今回のモノクロMARIXやフォマパン400は現在では最安値クラスの金額で購入する事が出来るので、実際に400のフィルムとして使って行けそうなのは自分にとっては発見だったかな。
今回ロジナール1+100静止現像でどうなるか検証してみたけど、皆さんは他の現像液でも色々と試して自分が一番良いと思う現像方法を見つけて欲しい。
自分なりの「データ」を見つけて蓄積していくのも自家現像の楽しみの一つだと思っている。
そして、この現像液ならこうだよって、僕に教えて欲しいw
さて、次は2023年秋から使い始めた「MARIX C-41カラーネガ現像キット」も沢山現像して来たので色々書いてみようかと思っている。
最後まで見て頂きありがとうございました。