MARIXフィルムより新発売されるモノクロフィルム【SILTA 400】ファーストロールレビュー ロジナール処理ではISO160〜200で使うのがオススメ!
※最初に投稿した画像が反転現像時にコントラスト等弄った画像でしたので、フィルムの素性がわかるように完全にフラットな、パラメーターを弄っていない状態での反転現像した写真に差し替え再掲載しました。大変失礼しました。
こんにちは「Kio」です。
MARIXがまた新製品の投入!
今回は35mm判のモノクロフィルムで、名称は
【MARIX SILTA 400】
こちらのフィルムのサンプルをMARIX肥田社長から頂いたので今回は【SILTA 400】のファーストロールレビューとして
- 中身について
- 値段
- 現像データ
- 写りの感想
- 実効感度
等、レポートしていこうと思う。
是非最後までご覧ください。
MARIX肥田社長から荷物が届いた。
先日肥田社長と久々にメールでやり取りをしていた際
「宜しければMARIXで販売している現像タンク使ってみませんか?使って感想などお聞かせください。」
と、申し出を頂いた。
こちらとしては断る理由も無いし、どんなもんかちょっと気になっていたので
「使わせて頂けるなら是非!!」
と返信をし、数日後荷物が届いた。
届いたのは以下の三点
※現像タンクはリール2個付きで5,300円、フォトスポンジは2個一組で99
中に手紙が同封されており、見てみると
「新たにMARIX SILTA 400として販売予定のフィルムサンプルを送らせて頂きます。パーフォレーションが感光してしまったものですが、撮影には問題無いと思いますので、こちらも使ってみて是非感想お聞かせください。」
と、、、、、
!!!!!!!!
また新たにフィルム?
これは是非使ってみないと!!!
MARIXさんいつもありがとうございます!!
早速フィルムローダーに詰め試写してくることに。
一緒に送って頂いた現像タンク、フォトスポンジについては何回か使用してから色々とレポートを皆さんにお届け予定!!
MARIX SILTA 400について、中身や値段について
まずはこちらのフィルムについて。
名前の「SILTA=シルタ」とはフィンランド語で「橋、架け橋」という意味が有るらしい。
フィルム文化を継続させるため、ユーザーとMARIXを繋ぐ架け橋という意味が込められているのかな???←MARIX公式見解では無く僕が勝手に思っただけw
このSITTA 400、流石にMARIX完全オリジナルのモノクロフィルムでは無い。
現在MARIXで展開しているモノクロフィルムは以下の銘柄
- MARIX 100(35、120)
- MARIX 200(35、120)
- MARIX 400(35、120)
- MARIX ORTHO 400(120)
これらのフィルムの中身は全てFOMAPANだ。
そして今回の【MARIX SILTA 400】の中身は
LUCKY FILM SHD 400
との事。
このLUCKY FILMは中国のフィルムメーカーで、モノクロ写真をやっている方は知っているかもしれない。
このSHD 400というフィルムについては使った事が無かったのでちょっと調べてみた所、中国の航空偵察用フィルムをベースに一般向けに再パッケージされたパンクロマチックフィルムの様で、今年の春頃から世界的に流通を開始しているフィルムみたいだ。
そして更に詳しく調べてみると、日本ではこのフィルムについて余り言及している所は無く、ほぼ海外サイトからの情報だが、どうも
公称感度は400だが実効感度は400無く(出づらい)EI160〜200での撮影を推奨しているみたい、、、
という情報を事前に見ていたので試写で取り敢えずはEI200、EI400で撮って処理をしてみたのでそちらの比較も見て貰う。
現像データについてはいつも使っているフィルム、現像液毎のモノクロ現像データが豊富にあるサイト
を使用して「LUCKY SHD 400」と入力して出て来たデータを参考にロジナールで処理をしてみた。
因みにフィルムベースの色はかなりヤバめで、厚みは薄いがハリはあり、リールに巻き辛いとかは無かった。
発売時期は、既に輸入済みで、パッケージ印刷待ちとの事で9月末にはMARIX公式ショップに並ぶ予定で、値段は他のモノクロMARIXと同じになるとの事。
MARIX SILTA 400現像データ
使用フィルム:MARIX SILTA 400 EI200、400
使用カメラ:MINOLTA α-9xi
使用レンズ:TAMRON SP 28-75mm F2.8 (A09)
使用現像液:Rodinal
現像処理:Rodinal 1+25 20℃7´00(30/30/2)
スキャン/データ化:VALOI easy35/ライトルームモバイル反転現像
※データ化の際ネガポジ反転とカラーバランスを白黒にし、完全にフラットなパラメーターで反転現像処理。
MARIX SILTA 400 EI400とEI200の比較
※撮影は全てMINOLTA α-9xi絞り優先オート、露出補正でそれぞれEI400、EI200として撮影。
比較左側がEI400、右側がEI200。
ここまでEI400、EI200の比較
ここからはEI400はやはり400ではアンダー
次はEI200
SILTA 400の感想
EI400、EI200の同一構図写真の比較と、400,200それぞれの写真を見て貰ったが、実効感度については
「少なくともロジナールでSILTA 400 (LUCKY SHD 400)を推奨時間通りに処理すると400の感度は出ていない。」
EI400と200を見比べて貰うとそれは明らか。
EI400だとネガも薄く、アンダーでシャドをも締まりが無い。
勿論他の現像液ではまた結果は変わると思うし400出るのかもしれないが、ロジナール1+25 20℃ 7´00だとネガや、スキャンの結果を見る限り大体
実効感度はネット情報通り160~200位ではないだろうか??
125位でも良い気もする、、、
EI200で使う場合は今回のデータより30秒〜1分処理時間を延長するのも良いかもしれない。
ラチチュードは狭く感じた。
ラチチュードの狭さにより、ハイライトからシャドーまでしっかり快調を出すためには苦労しそうなので、ハイライト、シャドーどちらかを犠牲にしてメリハリのある写りを目指したほうがこのフィルムの良さを味わえると思う。
コントラストはロジナールでの処理でこんな感じなので、高めなのでは無いだろうか。
因みにいつも使っている反転現像のプリセットを使い反転現像するとこんな感じになる。
やはりEI400はかなり暗い、、、
ロジナール1+25 で400の感度が出るのか、時間延長処理して試してみたい。
粒状感はやや多めだが400のフィルムとしてはこんなもんかな。
シャープネスはロジナールの効果もあってかカリっとして十分。
ただ、何回も言うように、感度が400出ないのは「ロジナール」を使った場合の結果だし、描写自体は雰囲気もよく良い組み合わせだと思う。
SILTA 400の取り扱い注意点
このフィルムちょっとだけ注意点がある。
注意点といってもたいしたことでは無いんだけど、、、、一応書いておこう。
- 中身のLUCKY SHD 400のデータ通りに処理すると実効感度は400出ないかも?(まだロジナールでしか試していないが、他海外サイトのレビューでもEI160〜EI200での撮影を推奨していた)
- 防腐剤の臭いが結構きつい(病院の消毒みたいな感じの強めの臭い)メーカーによると時間経過で消えるとの事だが、苦手な人は注意して。
- 前浴をすると濃い目の青紫の排出液が出るので、現像液はワンショット(1回使い切り)なら良いけど、使いまわしする場合は前浴をしないと確実に現像液に色が付くので全浴を強くおススメする。
この3点は使う前に頭に入れておいた方が良いかも。
まとめ
MARIXから新発売予定のモノクロフィルム【SILTA 400】のファーストロールレビューを書いてきたけど、このフィルムの特徴、注意点をまとめると
- 中身はLUCKY SHD 400
- 発売は9月末予定で、他モノクロMARIXと同等の値段
- 実効感度が400でない(ロジナール1+25 20℃ 7’00処理の場合)
- ラチチュードは狭い
- コントラストは高め
- 粒状感は400のフィルムとしては普通~やや多め
- シャープネは高い
- 前浴推奨
- 防腐剤の匂いが強め(時間経過で無くなるらしい)
コントラストが付きづらいロジナールでの処理でこの感じなのでコントラストも高く、多少クセのあるフィルムだが少ローキーにすると重めの雰囲気が出るフィルムだと思う。。
逆に、微粒子で、豊かな諧調性を求める人には合わないかな。
僕個人的にはコントラストも高めで、粒状感もいかにもアナログらしいフィルムの印象なので、暫くはロジナールだけでは無く、折角MARIXから色々なキャラクターの現像液が発売されているので各種試してみたい。
ロジナールでは実効感度は400でない感じだったが、MARIX MX-19とか、MX-P3、MX-T2辺りだとちゃんと感度は出てくれる気がするので、ちゃんと400が出る現像液との組み合わせも探っていきたい。
この後MX-19 stockで400の感度が出るのか試してみたので次はそちらのレポートをお届けしようと思う。
最後まで見て頂きありがとうございました。
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