銘玉二代目タムキュー「TAMRON SP 90mm F2.5 マクロ(52BB)」でマクロ撮影をしないスナップ。

フィルムカメラ

こんにちは「kio」です。

いきなりだけど、、、

先日遂に念願の「OMアダプトール2」を入手!!!

えっ??

アダプトール2 って何??

って思った方、、、

大丈夫!

知らないほうが正常ですw

アダプトールというのはフィルムカメラ、マニュアルフォーカス時代のTAMRON(タムロン)のマウントに付けるアダプターで、この時代のタムロンはこの「アダプトール」を付け替える事で各社カメラに装着出来る様になるという夢の様なシステムを採用していた。

簡単にざっくり言うと、「古いタムロンのレンズで使うマウントアダプター」

OLYMPUS OM用(左)と、Nikon Ai用(右)のアダプトール2

今時は「マウントアダプター」と言うと、オールドレンズを各社ミラーレスカメラで使えるようにする物として認識している人も多いと思う。

が、、、

タムロンは1970年代からアダプター交換式マウントレンズを色々と作ってきたんだ。

昔から写真を撮っている人にとっては「マウントアダプター」と聞くと、

「あぁ、アダプトールね〜」となるとかならないとか、、、知らんけど(´ε`)

カメラのAF化と共に無くなってしまったシステムなんだけど(AFカメラは電気的にレンズを制御するのでそれに合わせ各社専用のマウントを作る必要があった為(多分)

この「タムロン アダプトール」については正直僕も余り詳しくは無いから話はそこそこにして、、、

最初に書いた通り今回「OM用アダプトール」を入手したのでそれを使ってスナップしてきたのでそちらのお話。

伝説の中望遠マクロレンズ「タムキュー」

そして、今回使ったレンズはこちら!

「TAMRON SP 90mm F2.5 MACRO Model52BB」

二代目タムキューこと「52BB」 シンプルでカッコいい!

やたら名前も長いので本記事では以後「52BB」として統一する。

この52BB、モデル名で言われてもピンとこない人が多いかもしれないが、フィルム時代からカメラを楽しんでいる人にとっては銘玉としてとても有名だと思う。

「タムキュー」

なんて愛称もあるレンズなんだ。

このレンズ現在までかなり多くのバリエーションが発売されている。

タムキューって言ってもかなりのモデルが合ってそれぞれ「52B」「52BB」「72B」「72E(AF)」やら色々あるんだけど、今回使った「52BB」はタムキューとしては二代目1988年発売のMFのモデル。

このレンズの特徴は

  • 90mm F2.5の中望遠ハーフマクロレンズ(のちにF2.8となり等倍マクロとなった)
  • マニュアルフォーカスレンズでアダプトールを付け替える事によって各種マウントのカメラに使用可能
  • 切れ味の良さと、柔らかさを合わせ持っている
  • 結構小さい(ハーフマクロでMFだし)
  • 安い!(探せばそれなりの状態のものが10,000円位で買えるよ)
  • ボケがキレイ
  • 90mmという中望遠で程よい圧縮効果もある

みたいな感じ。

「タムキュー」と言えば「マクロ」「ポートレート」撮影で使っている人がとても多く、ファンも沢山いる銘玉。

公式でも「タムQの歴史」なる特設サイトも有るので詳しくはそちらを見て欲しい。

公式では「伝説」というワードも使われていて、「タムロン=タムキュー」位多くの人に愛されたシリーズなのは間違いないだろう。

それにしても公式の「タムQ」って字面はちょっと間の抜けた感じもするけど٩(๑òωó๑)۶

この52BBはMFで、この後のモデルからはAFがメインとなり、ハーフマクロから等倍マクロへなり、その代わり開放F値が2.5から2.8になったりしている。

個人的にはこの52BBの「F2.5」というなんとも中途半端な、それでいてなんとか低コストで大口径レンズを作ってやろうというタムロンの気概を感じたり感じなかったりしてなんとなく好きだったりする。

それと見た目もコンパクト、スマートで、前玉のエメラルドグリーンとターコイズブルーの間の色のようなコーティングも美しい。

52BB前玉のコーティング。

この52BBに最初に書いた「アダプトール2」を付けて撮影してきたので、35年以上前のレンズの写りを見てもらおうと思う。

元々このレンズを買った時に付いていた「Nikon F Ai用(カニ爪付き)」でNikon F2

「OM用」でOLYMPUS OM-1

2台のカメラで同じレンズを使ってスナップしてきた。

アダプトールでは無いAFでF2.8のPENTAX用Model 172Eも持ってるけど、このレンズはまた別の機会に。

LXとSP AF 90mm F2.8マクロModel172E 

既に語りつくされたレンズだし、、、

先にも書いたけどこの「52BB」はマクロ、ポートレートでとても評価が高いレンズ。

今更1988年発売の語りつくされたレンズである52BBを紹介するにあたり、普通にタムキューの得意分野である「マクロ」「ポートレート」を撮っても面白くないし、、、

いつも通りの散歩スナップでこの90mm中望遠レンズを使ってみることに。

今回はこの52BBの良さは「マクロ」「ポートレート」だけじゃないというのが少しでも伝わってくれると嬉しい。

マクロやポートレートの作例は別のサイトで調べて欲しい(ΦωΦ)

52BB作例(作例多め、、、いや大分多いかなw)

最初はNikon F2の52BBで夕暮れ〜夜のスナップ。

25BBとニコンF2。カニ爪付きのアダプトール2なのでフォトミックDP-1の露出計も普通に使える。

フィルムはKodak ULTRAMAX400をEI800として使用。

MARIX-C41自家現像一段増感処理。

ポトンと落ちた椿 夕日のオレンジが良い感じに

朝からの雨でできた水たまり。これも夕日の色が良く出てる

さみし気な黄色いベンチ

18:00位だろうか。薄暗くなってきた

提灯

時計屋さんのショーウィンドゥ

春にピッタリの店名

ちょい飲み 日本酒の瓶にピントなので手前や後ろはしっかりボケてくれる

次はOLYMPUS OM-1で晴れた日の海スナップ。

52BBとOLYMPUS OM-1。久々の出動。

フィルムはフジカラー100で、同じくMARIX C-41自家現像。

晴れてはいたんだけど、黄砂とPM2.5の影響でやたらモヤっとした空の色だった、、、

赤のノリも良くコントラストもしっかりある

まっすぐなものがまっすぐに写る素晴らしさ。流石単焦点レンズ

F11位まで絞っているが、背景も緩やかにボケて立体感がある写り

いつもは砂浜の場所が満潮で水が来ていた

これもF11位だが背景は緩やかにボケている

海沿いの神社 この階段上がるの無理だろ、、、

程よい圧縮効果も感じ、被写体をピンポイントで切り取ることが出来る

大きい漁船 大きく3歩下がれば50mmと同じ様な範囲が写る

ハトに近づいても逃げられない位の距離感をキープできる

ツーリングの人たちが沢山いた

マクロは撮らない、、、と言っておきながら1枚くらいはねw結構絞っているが近距離だとピント以外はかなりボケる

船底に反射したキラキラが好き

これもキラキラが反射している

スキャンは全て「VALOI easy35」ライトルームモバイル反転現像。

※本記事作例2本目の「フジカラー100」の現像は下記記事のフジカラー100ど同じくプリセットで現像。

90mmでのスナップは被写体との距離感が絶妙

先日「50mm標準マクロスナップのススメ」 の記事を書いたが、久々に90mmという中望遠を使い、標準域のレンズとはまた違った感覚でスナップすることが出来た。

今まで僕は基本的にスナップは「50mm最高!!」と思ってずっと写真を撮ってきたんだけど、、、いや、50mmが最高と言うよりちょっと長めの画角でのスナップは何だか「ズルい」位の感覚があったのかもしれない。

いつも35mm 〜50mmばかり使ってきたので90mmという画角は始めは大いに戸惑ったのも確か。

しかし、戸惑ったのも最初だけでファインダーを覗いている内にすぐに慣れる事が出来た。

これも長年の経験が活きたのかもしれない(長年というほどでもない)

90mmという画角は主題となる物をピンポイントで切り取る事が出来る絶妙な画角だと思う。

目で凝視したその物をピックアップしているような感覚だ。

程よい圧縮効果もあるし、大きく2~3歩下るといつもの標準レンズのような切り取り方も出来る。

実際スナップで人物を入れて標準レンズで近づいて行くと、どうしてもカメラを向けられるのを意識してしまい、何やら不自然な周りの景色と馴染まない感じになってしまいがちだが、90mmだと人や、動物にカメラを意識させない絶妙な距離感での撮影が出来るので、景色と馴染んだ自然な動きを切り取る事が出来ると思うし、中望遠なのでF8位に絞っても背景はそれなりにボケてくれるので立体感も出ている。

今回はフードなしでの撮影だったが、順光ではコントラストも十分あってシャープではあるが、中~遠距離の描写は程よくオールドレンズ感もある柔らかさもある写りで、色味も結構コッテリとアンバー系の色が強く出ている気がする。

この辺りの色味や、ピント面はシャープだが柔らかい雰囲気がポートレートでは重宝されたのかもしれないが、通常の散歩スナップでもとても良い雰囲気で切り取ってくれている。

コレはちょっと90mmという画角でのスナップハマりそうな予感!!

最後に

今回は伝説の銘玉タムキューこと「TAMRON SP 90mm F2.5 Model 52BB」で撮ったマクロじゃない中望遠散歩スナップ写真を見てもらった。

アダプトール2で同じレンズをニコンとOMで使えるのも経済的で中々良いし、描写も程よく柔らかい中にもシャープさもあり、オールドレンズっぽさもしっかりある良いレンズ。

この「タムキューシリーズ」は間違いなく銘玉だと思う。

銘玉の定義って

  • 描写が良い

のは勿論だけど、「多くの人に愛されて来たかどうか」って事がとても重要な気がするんだよね。

その点ではこのタムキューは良く写って、多くの人に愛されて来た間違いない銘玉と言えるレンズなんだと思う。

持っていたのに今まで使って来なかったのは勿体なかった(;・∀・)

せっかくだから今度は同じタムキューの172Eと52BBの撮り比べでもしてみようと思っている。

52BBと172Eだとそもそも光学設計も違うし、52BBのF2.5ハーフマクロから172EはF2.8で等倍マクロと、色々と違いも出てきそうな感じ。

左52BB 、右172E ハーフマクロと等倍マクロ、F値、光学設計が違うので大きさも172Eが少し大きい。共にフィルター経は55mm。

さてさて、大分暖かくなって来たし、更にフィルムライフが捗りそうな予感。

最後まで見ていただきありがとうございました。

追記:先日MARIXフィルムよりMARIX C-41現像キット(発色現像液、漂白液、定着液)とMARIX D-76の安全データシートが公開された。

以前の記事に追記したけど、大事な事なのでまた共有しようと思う。

この安全データシートSDS(Security Data Sheet)とは使用されている薬品の取り扱い方法や安全性、廃棄について、飲み込んだり、目に入ったなどの万が一の場合の対処等細かく書いてある。

自家現像する方はこの安全データシートに目を通し、自分がどのような薬品を扱っているかを確認してから使うのを強くおススメする。

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