【フィルムカメラレビュー】まるでGショック?防水、防塵、耐ショックのコンパクトカメラ「現場監督ズーム&28HG」

【フィルム散歩】

こんにちは「kio」です。

この記事を書いている12/18日は全国的に寒波が来ていて一気に気温が下がってめちゃ寒い、、、、

エアコンが効いた室内で記事を書いているんだけど室温が中々上がらなくて、手がかじかんで上手くキーボードを打てないよ、、、

さて、今回のネタは「フィルムカメラレビュー」

是非最後までご覧ください。

90年代の工事現場を支えた「現場監督」というカメラ

左上が「現場監督ズーム」、右下が「現場監督28HG」

このカメラ名前の通り主に1990年代「工事現場で現場監督」が実際に使っていたカメラなんだ。

実際に僕が手に入れた現場監督もどこぞやの建築会社のネームが貼ってあった。

現場監督というカメラは1989年にコニカから初代機が発売され沢山のシリーズが発売されているヒット商品。

なんといっても「コニカ現場監督」シリーズの特徴といえば

「タフさ」

防水、防塵、耐ショックを備えたスーパーカメラ!!

これらの「防水、防塵、耐ショック」と聞いて多くの人が「Gショック」を連想したと思うんだけど、どう考えても当時のコニカの開発者はGショックを意識したんではないだろうか?(コニカの開発陣の方、違ってたらゴメンナサイw)

コニカ現場監督とGショック 両方ともタフなギアだ

手持ちのGショックと並べて見たけど、コンセプト、デザイン的にもマッチしていて違和感が無い。

個人的にはメタル製より、全樹脂製のGショックとの方がマッチしていて好みだ。

本来工事現場での使用を前提として作られたカメラであろう本機だが、今現在通常撮影用のスナップカメラとしてとても良い写りで軽快に使えるタフなコンパクトフィルムカメラ。

「現場監督」というネーミングもなんかも「女子供はお断りだぜ!!」みたいな昭和の雰囲気も感じなくもないが、令和のこの時代では見た目もゴツくて、女性が持っていてもカワイイのではないだろうか?

他のAFコンパクトカメラと比べても一回り大きくてゴツい現場監督22HG。写真右上

このカメラ結構思い入れがあるカメラの一つで、大分前だけどこの現場監督を首からぶら下げてスナップしていた時、建築中のマンションを見つけて外からパシャパシャスナップしていたら、そこで働いている作業員の方に挨拶された事がある。

マンションの建築って色々な業者さんが入っているし、恐らく自分とは別会社の人が写真を撮ってたと勘違いされたと思うんだよねw

この話は結構僕の中で良い思い出として残っているんだ。

という事で、最近引っ張り出して来て久々に散歩スナップして来たので、2台の現場監督「現場監督ズーム」と「現場監督28HG」のスペック、作例、購入方法等をレビューしていく。

2台のコニカ現場監督スペック等

カメラスペック

現場監督ズームスペック

発売年:1996年12月

使用フィルム:35mmフィルム

搭載レンズ:Konica Zoom Lens 28mm F3.5~56mm F6.7 5群6枚(前面にパッキン付き保護ガラス有)

露出制御:Cds受光素子使用プログラムAE、中央重点測光

シャッター:絞り兼用プログラム電子シャッター、電磁レリーズ、3秒~1/360秒

焦点調節:赤外線ノンスキャンアクティブ式自動焦点、80cm~∞(全焦点域)、近距離ロック、フォーカスロック、遠景撮影モード有り

露出連動範囲:ISO100 f=28mm EV2~EV16、f=56mm EV3.9~EV16

フラッシュ:手振れ限界の低輝度時に自動発光 連動範囲ISO100 f=28mm 80cm~10m、f=56mm 80cm~5.2m、発光間隔約5秒、発光禁止モード有り

ISO決定方式:ISO25~3200までDXコードによる自動設定(途中変更不可、DXコード無しの場合全てISO25として認識)

電池:2CR5(5.6Vリチウム電池)、デート用CR2025(3Vコイン型リチウム電池)

防水:JIS保護等級7(防浸型)定められた条件で水中に没しても内部に水が入らない物、試験 水中か1mで30分水中に放置

大きさ、重量:デート無し=146×93×76.5mm 470g、デート付き=146×93×78.5mm 480g(共に電池別)

現場監督28HGスペック

発売年:1994年10月

使用フィルム:35mmフィルム

搭載レンズ:Konica Lens 28mm F3.5 5群5枚(前面にパッキン付き保護ガラス有)

露出制御:Cds受光素子使用プログラムAE、中央重点測光

シャッター:絞り兼用プログラム電子シャッター、電磁レリーズ、1/4秒~1/280秒、1/4より低いSSの場合自動で2秒バルブに自動切り替え。

焦点調節:赤外線ノンスキャンアクティブ式自動焦点、40cm~∞、近距離ロック、フォーカスロック、遠景撮影モード有り

露出連動範囲:ISO100 EV5.5~EV16.5

フラッシュ:手振れ限界の低輝度時に自動発光 連動範囲ISO100 f=28mm 80cm~10m、f=56mm 80cm~5.2m、発光間隔約5秒、発光禁止モード有り

ISO決定方式:ISO25~3200までDXコードによる自動設定(途中変更不可、DXコード無しの場合全てISO25として認識)

電池:2CR5(5.6Vリチウム電池)、デート用CR2025(3Vコイン型リチウム電池)

防水:JIS保護等級7(防浸型)定められた条件で水中に没しても内部に水が入らない物、試験 水中か1mで30分水中に放置

大きさ、重量:142.5×83.5×57 375g(電池別)

とこんな所。

上記赤文字部分は特に個性的な部分なので強調してある。

使い方は簡単で電源入れて、AF半押しでピント合わせてシャッター切るだけだから慣れていない方でも簡単に綺麗な写真を撮る事が出来る。

「現場監督ズーム説明書」「現場監督28HG説明書」とGoogle検索して貰うとpdfがまだあるから使い方について詳細は説明書をダウンロードしてみてみてね。

現場監督ズームと現場監督28HGの主な違いと、共通の特徴

この2台の主な違いなんだけど

  • 現場監督ズーム=28mm~56mmの2倍ズーム、28HG=28mm単焦点レンズ(共に開放F値は3.5)
  • ズームは全域で最短撮影距離は80cm〜だか、28HGは現場監督シリーズでも1番最短撮影距離が短く40cm〜となっている
  • シャッタースピードが現場監督ズーム=3秒~1/360、28HG=1/4~1/280(2秒バルブはある)
  • フィルム巻き上げ音が現場監督ズームの方が静か
  • 大きさ、重量等見た目

の違いが挙げられる。

電池は共に「2CR5」

この2CR5は家電量販店とかには売っているけど、実店舗だと1,000円以上するからネットで安く買うのがおすすめ。

デート付きの場合はデート用に「CR2025」を使う。

このCR2025は100均にも売っているのでそちらでも良いだろう。

共通の特徴としては「現場監督」シリーズはボタン類が大きく、グローブをしたままでも基本操作がしやすい様になっている。

グローブをしてても写真を撮るという基本動作は簡単に出来る。

グローブをしたまま操作がし易いのもこれからの季節に良い。

一応防水、防塵仕様ではあるが、製造から25年以上経っているのでそこら辺の機能は劣化していると思って欲しい。

でも、僕は軽い水しぶき程度なら余り気にせず使っちゃうけどね。

後はこのカメラ最速SSがズームで1/360、28HGで1/280と余り高速では無いので晴れている日はISO100か200、曇りや室内等中心に使うのであればISO400位が良いかもしれない。

購入方法と相場、購入時に注意すべき点

今や新品では手に入らないであろう「現場監督」

購入する場合は中古での購入となる。

たま~に、倉庫で眠っていた長期保管の新品とか出て来るけど、そういう場合は値段も跳ね上がっているし、特に思い入れが無い限りスルーしてもイイだろう。

メルカリ、ヤフオク等ではかなり金額の幅はあるけど動作確認済の物で

現場監督ズームは2,000円〜

現場監督28HGは4,000円〜

位の様だ。

その他、各ネット中古なんかでも結構出て来る。

高いと10,000円を大きく超えてくるものもあるけどそれは高過ぎる。

一時期はかなり安く転がっていたんだけど、ここ数年ちょっと中古相場も上がっている気がする。

この現場監督シリーズは実際の工事現場で使われていたものも多く、外観がドロドロ、砂でジャリジャリ、傷だらけの物も多くあるので、購入する場合はなるべくそういった物を避けるのが良いと思う。

基本モルトほ使われていないが、裏蓋や電池室の部分にはゴムパッキンが使われていて防水性を高める仕様となっているので、特に裏蓋部分のゴムパッキンが切れていたり、経年で固くなっていないか等は気を付けた方が良い。

コニカの「現場監督開発資料」によると、現場監督シリーズは破格の数万回のシャッター耐久テストをクリアしたとあるので、通電してシャッターが切れればまだまだ現役で使えるタフさも持ち合わせている。

実際僕が持っている現場監督は外観は結構やれているけど元気に稼働中だ。

購入の際注意点をまとめると

  • 通電、肩面にある液晶が生きているか
  • 裏蓋、電池室のゴムパッキンが劣化していないか
  • フラッシュがしっかり発光するか
  • シャッターが切れ、光に応じて絞り、シャッターが変化しているか
  • 巻き上げ、巻き戻しは正常か
  • 値段と状態のバランス
  • レンズの状態は良いか

最低でもこれくらいはチェックしたい。

実物が動かせるのであればダミーフィルムを入れて動作確認すると安心できる。

レンズ全面には保護ガラスが付いているが、その保護ガラスが傷付いていたりしてもドライバー1つで保護ガラスは外せるので、その奥に見えるレンズの状態さえ良ければ大丈夫。

超絶凶悪な光量のフラッシュ搭載

この現場監督ズームと、現場監督28HGは外付けクラスの光量のフラッシュが内蔵されている。

これは沢山ある現場監督シリーズでもこの2機種だけ。

上記スペックの赤文字部分にも書いたけど、ISO100 f=28mm 80cm~10m、f=56mm 80cm~5.2mと開放F値が3.5だとしてGN(ガイドナンバー)35位のフラッシュということだね。

一般的なAFコンパクトカメラの内蔵フラッシュはGNていうと大体10前後が多いと思うのでそれの3倍位の光量があることになる。

実際大光量フラッシュを使うかどうかは別として、このオーバースペック具合もチャームポイント。

そのお陰でボディーサイズに対して、フラッシュの面積もかなり大きくなっている。 

ボディーサイズに対して大きなフラッシュが目を惹く

至近距離で発光すれば確実にム◯カばりに

「目がぁ〜〜〜!!!」

となるのは必至なのだ(笑)

護身用にも良いかもしれないw

作例

前置きが長くなったが肝心の写りを見て貰う。

いつもより更になんでもない散歩スナップ感強めの作例w

現場監督ズーム作例

使用フィルム:AGFA APX400

ロジナール1+100 20℃60min静止現像。

EPSON GT-X830自動スキャン

ピントは奥

真昼間だけど、ガッチリ曇っているw

ダイソーの店内。この時期はクリスマスと正月が入り乱れた結構カオスな状況になってるw

ストロボ撮影

ストロボ撮影、ピントが抜けてる、、、

完全に落葉したね、今年も紅葉撮りに行けなかった、、、

モノクロ×鉄塔×多めの雲=最強

現場監督28HG作例

使用フィルム:フジカラー100

MARIX C-41自家現像 20℃ 3’30

EPSON GT-X830自動スキャン

現場監督で撮るのにぴったりの被写体だよねw

「現場監督」という事で現場感があるもの撮りたくなる

Gショックのリストショット。最短40cmで28mmだとこんなもん

遠景もバッチリ

枯れたアジサイの影

この木は夕方位にシルエットにするとよい感じだけど、昼間だとツブツブしていてちょっと、、、

フラッシュ撮影

最短、開放での撮影。ボケは余りキレイじゃない模様だが、開放でも結構シャープに写っている

フジカラー100と組み合わせると派手さは無いが見たままの発色をしてくれる

やっぱり背景のボケは余りキレイじゃないな(2回目)

現場監督ズーム&現場監督28HGの写りの感想

モノクロ、カラー両方の作例を見て貰ったんだけど、両方とも良く写っているんじゃないだろうか?

敢えて言うなら「現場監督ズーム」より「現場監督28HG」の方がシャープではある。

そこは流石にい「ズーム」と「単焦点」の違いが出ていると思う。

それでも無理のない設計であろう28-56mmの2倍ズームのコニカレンズの写りは散歩スナップするのにぴったりだし、28HGもそれなりに正確なAEのおかげでストレス無く散歩スナップが捗った。

そして、両レンズとも収差もしっかり抑えられている。

まっすぐの物をまっすぐ写すのって案外大変なんだよ。

28HGのカラーでの発色もクセも無く見たままの色味で好感が持てる写りだね。

開放3.5というのもあるし、背景ボケは余り期待しない方が無難。

特に28HGで最短付近まで寄っての背景は選ばないと結構うるさく感じる。

今回はド逆光での作例は無いんだけど、前面にコーティーングとかはされていないであろうガラスが対るので、逆光には余り強くないと思う。

フレアや逆光が気になったらこの前面の保護ガラスは取っ払っちゃっても良いと思う。

あくまでも工事現場等で記録用として使われる事が前提のカメラのせいなのか、専用フードやレンズキャップなんかは用意されていないみたいだ。

工事現場の記録でここまで綺麗に写す必要があったのかはわからないけど、今となっては最強のタフな散歩カメラとして活躍してくれている。

最後に

90年代の日本全国の現場を支えたであろう「現場監督ズーム」「現場監督28HG」のレビュー、作例を見て貰ったんだけど、皆さん欲しくなったでしょwww

見た目もゴツくて決してコンパクトとは言えないカメラなんだけど、このカメラのタフさは軽い雨位なら大丈夫!!!って感じだし、大きさの割りにそこまで重くないから気軽に持ち出してスナップするのに丁度良いと思う。

不思議とこのカメラを持っていると何気ない散歩中の、何気ない風景や物を撮りたくなっちゃうんだよね(いつもどのカメラでも何気ない物しか撮って無いけどねw)

気合を入れて「作品」を撮るのではなく、こうやって散歩のお供や、キャンプや海なんかのアウトドアに持ち出して、気楽にガシガシ使って欲しいカメラだと思う。

僕が持っている2台も90年代はガンガン全国の工事現場で働いていた個体だろうから、余生はのんびり、ゆったりと散歩写真でも撮ってあげよう。

たまにリサイクルショップのジャンク箱とかにも500円位でポロっとあったりするし、見つけたら一回使ってみて欲しいカメラだ。

最後まで見て頂きありがとうございました。

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