ロモグラフィーより完全新規のカラーネガフィルム「LomoChrome Color ’92」新発売 比較レビュー

フィルムカメラ

こんにちは「kio」です。

既に梅雨入りもして、雨ばかりで、ますます写真撮りに行けない日々が続き悶々としる(笑)

さてさて、今回は「フィルムレビュー」

ロモグラフィーさんから「完全新規のカラーネガフィルム」の発表!!!

フィルム名は「LomoChrome Color ’92」(ロモクローム カラー’92)

そして、今回は、、、

オーストリア時間7/5日AM11:00、国内では先ほど発表、新発売されたばかりのカラーネガフィルム「LomoChrome Color ’92」(ロモクローム カラー’92)を現行で販売されているロモCN400と撮り比らべ!!

国内発売のタイミングで担当の方より連絡を頂き早速投稿!!

同じレンズ、カメラを使い、ほぼ同じ構図、同じ露出で撮り比べてきたので、フィルム毎の違いもおわかり頂けるかと。

※今回のフィルム「LomoChrome Color ’92」と現行「Lomo CN 400」は【ロモグラフィージャパン】さんから提供頂きレビューをさせて頂いています。

こんな場末の???サイトを見つけて、提供頂きありがとうございます。

4月中頃にまだ発表前のLomoChrome Collar ’92と比較用の現行CN400を送って頂き、情報が漏れない様、こそこそっとNikon F2を2台担いで撮影してきた。

この新規フィルム「LomoChrome Color ´92」の作例と、実際に使ってみて、僕が感じた特徴や、購入方法、値段等書いていこうと思う。

合わせて「ロモグラフィー」の歴史も書いているので見ていってね。

是非最後までご覧ください。

Lomographyの歴史

作例等を見てい頂く前にちょっとロモグラフィーについて紹介させて頂こうと思う。

提供頂いた「ロモグラフィージャパン」様からロモグラフィーの歴史の紹介文を頂いたので是非目を通して欲しい。

現在のロモグラフィーの設立は1992年になりますが、そのきっかけとなったLC-Aの誕生は1982年に遡ります。

1991年、プラハの街を当時ウィーン大学の学生であったマティアスとウォルフガング (後のロモグラフィー創業者)が訪れる。根っからの好奇心家気性をもつ二人は、プラハの街で偶然見つけたこの哀愁漂う、無骨なコンパクトカメラ LOMO LC-Aに一目惚れしたのだった。彼らは手にしたLOMO LC-Aにフィルムを装填すると直ぐに、自由の喜びで溢れるプラハの街を可能な限りフリーなスタイルで撮りまくった。「どうせ撮れてないから」とまるでノーファインダーは当たり前のように。そして出来上がった写真に二人は驚愕することになった。

2人が持ち帰ったLOMO LC-Aの評判がにわかに広まり始めたウィーンの街では、たくさんの人達がLOMO LC-Aとロモグラフィーを求めて、LC-Aの魅力と可能性をよく知るマティアスとウォルフガング達のアパート兼オフィスに訪れるようになっていた。そして、二人はすぐにこの不思議なカメラの輸入を始めました。

1992年、世界中にロモグラフィーのメッセージを広げる目的で「Lomographic Society International(LSI)」がウィーンに設立された。夏には「ロモグラフィー10ゴールデンルール」が新聞に掲載され、11月5日には「ロモグラフィー宣言」が掲載された。そして最初の展示もこの年に開催され、展示会場では700台ものLOMO LC-Aが完売した。また、ロモグラフィーの芸術手法「*1LomoWall」もこの時考案されたものです。

その後もLC-Aを販売していたが、1998年のフォトキナで4連写できるActionSamplerを発表。これがロモグラフィーとして最初に発売した初のフィルムカメラになります。

LC-Aの販売は2005年まで続いたが、同年の工場閉鎖を受け、2006年より中国に製造を移しLC-A+を製造・販売開始。LC-A+は現在では3つのバリエーション (LC-A+, LC-Wide, LC-A 120)で販売中です。

日本法人であるロモグラフィージャパンは2000年に設立、2008年にはロモグラフィーギャラリーストアとして直営店を南青山にオープン。その後も渋谷、神宮前、秋葉原と拠点を移し、今は神保町にてオフィスと直営店を構えています。

昨年2022年には設立30周年を迎え、記念エディションのLC-Aシリーズを発売しました。

ロモグラフィーはフィルムの製造・販売にも注力しており、2013年には、伝説のKodak Aerochromeを彷彿とさせる写りのLomoChrome Purpleを発売、その後もLomoChrome MetropolisTurquoiseも発売。また、2012年には110フィルムの販売を開始、現在では現存する唯一のメーカーとしてモノクロとカラーの110フィルムを販売しています。

モノクロフィルムのラインナップも広く、さまざまなフォーマットや感度に合わせて販売しています。Babylon Kino ISO 13Fantôme Kino ISO 8といった超低感度フィルムも販売しています。

ロモグラフィージャパン様より提供

フムフム、、、こうして改めて見るとロモグラフィーさんって凄いね、各種カラーフィルム、モノクロフィルム、120に110、特に110フィルムはロモグラフィーさんくらいしか作ってないんじゃないかな?

更にLC-Aを代表とする、新品の各フォーマットフィルムカメラも販売しているし。

僕は結構今までロモグラフィーさんのフィルムカメラを使ってきたけと、全部個性的なカメラばかり。

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LomoChrome Color ’92のパッケージや、名前の由来等

LomoChrome Color ’92のパッケージデザインをチェック。

うん、、、これもロモグラフィーらしい安定のオシャレ具合!!

いつもロモグラフィーのパッケージってなんだかとってもオサレだよね、、、

ロモグラフィーのフィルムのパッケージって、ちょくちょくデザインが変わっていく印象なのんだけど、販売時点での「LomoChrome Color ’92のパッケージ」デザインはこんな感じ。

購入したフィルムが届いたので、実物写真。

実物のパッケージは思ったより「金ピカ」。

乳剤の色は少し、黄色味掛かった感じで、炒った大豆、きなこの様な色味(笑)

パッと見ちょっと心配になる色だけど、ロモクロームメトロポリスとかもこんな感じの色のオリジナルの乳剤で一般的なC-41出来るので安心して欲しい。

名前の由来については上記「ロモグラフィーの歴史」にもあるけど、ロモグラフィーの設立が1992年という事で「LomoChrome Color ’92」という事になるんですかね?

LomoChrome Color ’92の特徴

作例を見たい所だとは思うけど、もうちょっとお付き合い頂こう。

まずはこの「LomoChrome Color ’92」の仕様。

  1. ISO400
  2. レムジェット層を除去したシネマ用フィルムでは無く、一般的なC-41現像可能なロモグラフィーオリジナルの乳剤を使用したカラーネガフィルム
  3. プラスチックパトローネでフィルムエンドはスプール差し込みで、テープ留めでは無い(これ地味に重要)
  4. DXコードは非対応
  5. 通常のカラーネガフィルムとは違った特徴的な色味が出るフィルム

まずはざっくりこの辺り。

1.ISO400

フィルムの感度が400。フィルムカメラというのは基本的にデジタルの様に撮影途中で感度の変更は出来ない。このISO400という感度は日中晴天~暗すぎない室内に使うのに丁度良い感度。皆様お馴染み「写ルンです」もISO400のフィルムだね。

開放F値の明るいレンズを使えばちょっと明るめの夜の街も手持ちで行けちゃう感度。

2.レムジェット層を除去したシネマ用フィルムでは無く、一般的なC-41現像可能なロモグラフィーオリジナルのカラーネガフィルム

当サイトにもよく出て来る「MARIXフィルム」や「Cinestill」は映画用(シネマ用)フィルムのレムジェット層と呼ばれる、静電気防止やハレーション防止のコーティングを除去加工して、C-41と呼ばれる一般的なカラーネガフィルムの現像が出来るようにしている。

しかし今回ロモグラフィーさんから発売された「LomoChrome Color ´92」はシネマ用フィルムの加工では無く、最初から静止画を撮る様に作られたロモグラフィーオリジナルのカラーネガフィルム

3.プラスチックパトローネでフィルムエンドはスプール差し込みで、テープ留めでは無い

パトローネは今までのロモクロームシリーズの様なプラスチック製。

そしてフィルムエンドはテープ止めでは無く差し込み式。

以前よりフィルムレビュー等では書いているけど、このフィルムエンドがスプール差し込みタイプであって、C-41現像であれば日本中大体の現像所で現像可能。

しかもロモグラフィーさんの「ロモクロームシリーズ」は会社としても実績があるので例えばカメラのキタムラさんの様な店内ラボがあるお店でも問題無くスピード現像してくれると思う。

今回は発表前という事で撮影済みのフィルムはロモグラフィージャパンさんに送らせて頂き、そちらで現像、データ化をして頂いたけど、次回使う時は実際に近所のカメラのキタムラさんに持ち込んで現像してみよう。

4.DXコードは非対応

DXコード(フィルムをカメラに入れた時自動的にISO感度を認識するための接点)は無いのでカメラ入れた時は忘れずISO感度の設定をしよう。

一部のコンパクトカメラではDXコードが無いフィルムだとISO100として自動認識されてしまうので、自分でISO感度を設定できるカメラでの使用がおすすめ。

5.通常のカラーネガフィルムとは違った特徴的な色味が出るフィルム

一般的なカラーネガフィルムとは一線を画した写りが大きな特徴の今フィルム。

ロモグラフィーのフィルムと言えば「LomoChromeシリーズ」

このロモクロームシリーズは、このサイトでも紹介している「メトロポリス」「パープル」があり、僕自身まだ使えてはいないけど「レッドスケール」「ターコイズ」等が有る。僕はこれらのロモクロームシリーズは所謂「エフェクトフィルム」という呼び方、認識をしていたんだけど、ロモグラフィーさんでは「エフェクトフィルム」という呼称は使っておらず、あくまで「一般的なC-41現像可能なオリジナルのカラーネガフィルム」として販売している。

これはロモグラフィーの担当者様とのやり取りで聞いたんだけど、「カラーエフェクトフィルム」というとどうしても現像店等で敬遠されがちなので、、、、との事。

確かに、カラーエフェクトと一括りにされてしまうと困っちゃうかもね。

以前「某国製のカラーエフェクトフィルムの品質は最悪、、、現像液がダメになる」と写真店の方から聞いたことがある。

ロモグラフィーさんではそう言った誤解を避けると同時に、しっかり「C-41現像可能なオリジナルのカラーネガフィルム」として品質等自信をもって販売しているんだね。

LomoChromeシリーズはロモグラフィーが開発した乳剤を使ったロモグラフィーオリジナルのフィルムです。

ロモグラフィーHPより

公式にもしっかり記載されている。

今回の「LomoChrome Color ’92」も非常に特徴的なドラマチックな写りだった。

次に作例沢山あるので、そのドラマチックな特徴的な写りを見て頂く。

LomoChrome Color ’92作例、CN400との比較

LomoChrome Color ’92=Nikon F2フォトミック/Ai-S NIKKOR 50mm F1.4

Lomo CN400=Nikon F2アイレベル/Ai-S NIKKOR 50mm F1.4

現像データ化はロモグラフィーさんにて行って頂いた。

今回も全く同じレンズAi-S NIKKOR 50mm F1.4が2個あって、カメラも整備済みのNikon F2が2台あるので同カメラ、レンズ、構図、露出で撮り比べしてみた。

僕は50mm周辺の「標準レンズ」大好きなので同じものでもどんどん集まってきちゃう(汗)

そして、露出は単体露出計の「GOSSEN Degisix」を参考に決定。

左のフォトミックには今回の新フィルム、右のアイレベルには現行CN400、レンズは共に同じ。
愛用のゴッセンデジシックス

その他、比較以外のカットでは「NIKKOR-N Auto 24mm F2.8」と「Ai NIKKOR 85mm F2」も使用。

かなり作例多めなのでたっぷりご覧ください。

違う場所ですが、光線状態も似ている路地。
色によってはかなり大きくカラーシフトされています。

ここからは「LomoChrome Color ’92」のみの作例

ややアンダーで、アンダーだと粒状感が目立つ感じに。
24mmを使って広く切り取ってみました。
これも24mm。
中央の人物をもっと潰してシルエットにしても良かったかも。
このチューリップの赤はこってり。
元々少し褪せていた赤っぽい色でしたが、結構色味が変化して写りました。
目が見えないネコさん。

ロモグラフィージャパンさんの公式インスタグラムでも僕の作例が紹介されてるので是非どうぞ。

ロモグラフィージャパン公式インスタグラムはこちら

LomoChrome Color ’92の写りの感想

現行のロモグラフィーのカラーネガフィルムLomo CN400と今回の新フィルム「LomoChrome Color’92」の比較写真を見て頂いた。

僕なりのこのフィルムを使ってみての色味や、写りの感想

  • 「ロモクロームシリーズ」らしいドラマティックな描写
  • 「青」に特徴があり、全体的に青味が強調される
  • 全体的な彩度は控えめだが、コントラストはしっかりあり、特定の色がこってり濃く出たり、独特のカラーシフトが楽しめる
  • 室内人口灯下でも極端な色転びは少なく、自然な感じに写る
  • 粒状感はLomo CN400と比べ多め、特に暗部に多めに乗る

最初は、ロモグラフィーが出している「ロモクロームシリーズ」では「メトロポリス」に雰囲気は近い感じだとおもったけど、出来上がった写真をじっくり見ていくと、全体的にメトロポリスとは色味も、雰囲気も全然違う感じ。

メトロポリスが全体的に「緑」寄りなら今回のLomoChrome Color ’92は「青」寄りで、全体的に青色の薄いベールを1枚纏わせたような感じの印象。

そして、同じロモクロームシリーズのメトロポリスよりは全体的なカラーシフト具合も抑えられているが、色によっては大きく変化したのもあった。

ただ、全体的にはメトロポリスの方が、退色具合や、カラーシフト具合は大き目、

全体的に青味が強調される写りなのは間違いないので、ここら辺を上手く使っていくと良さそう。

特に「赤」「黄色」「緑」は結構彩度は抑えられている印象だったけど、ただ色を薄くした感じでは無く、このフィルムならではのカラーシフトが楽しめた。

そして、色によっては退色したように出たり、やたらと鮮やかに濃い目に出たりも。

特に作例の「チューリップ」のはずいぶん濃い目に色が乗ったと思う。

黄色も退色したようにカラーシフトした物もあれば、鮮やかに濃い目に出たりした。

逆になんかは、彩度が少し落ちた程度でそもそもの色味からの変化は少なく感じた。

ちょっと退色した感じなので、もっと古めかしい感じの印象になるかと思ったけど、この青味等のおかけでなんだかスタイリッシュな雰囲気もある気もする。

ただ、日中野外晴天下で人物を普通のカラーネガのつもりで撮ると、肌色は結構青白くなってしまう感じだったので、一般的なポートレートや記念撮影なんかに使う際は注意が必要。

でもこれはあくまで「一般的なポートレートや記念撮影」

逆にこの特性を活かして、ちょっとスタイリッシュでアーティスティックなポートレートなんかは面白いかもね。

例えば、廃墟+人物や、金属+人物等はいつもと違った雰囲気で面白そう。

そして案外「室内、人口灯下」では大きな破綻無く、むしろCN400より自然に見えて、好きな感じの色味だった。

粒状感は特にアンダー時の暗部のざらつきは目立つ感じなので、気になる方は少しオーバー目の露出で撮ると良さそう、そもそもやや粒状感は多めなので、ここら辺の事も考えた上で作品造りに活かしていきたい所。

LomoChrome Color ’92の購入方法や値段

LomoChrome Color ’92ですが、まだ発表されたばかりという事で、ロモグラフィーさんの公式オンラインストアからの購入となる。

お値段は36枚撮り1本 1,680円

今までのロモクロームシリーズと同じような価格設定。

でも、この1,680円という値段は国内では流通しているISO400のカラーネガフィルムでは最安値!!(多分ね)

おそらく少し時間が経てば各種カメラ店等には並ぶと思うけど、すぐに使ってみたいという方は公式オンラインストアからのオーダーをした方が良さそう。

LomoChrome Color ’92購入はこちら

ロモグラフィー公式オンラインストアLomoChrome Color’92販売ページ

現像について

先にも書いたけど、今回は発売前の新規フィルムという事で、撮影済みのフィルムはロモグラフィーさんに送って、そちらで現像して貰った。

僕自身、自分で現像をどこかにお願いした訳じゃないんで確定では無いけど、今までのロモクロームシリーズ(メトロポリスやパープル)と同じC-41現像で、シネマ用のレムジェット層を剥したフィルムでは無く、純粋なスチール用のカラーネガフィルムなので、大体どこの現像所でも受けてくれると思う。

実際、キタムラは現像可能フィルムとしてロモクロームシリーズは店内ラボで現像可能と確認済み。

現像に出す際は

  • ロモグラフィーさんから発売されたC-41現像
  • シネマ用加工では無く、完全新規の写真用として作られたカラーネガフィルム
  • フィルムエンドはメトロポリスや、パープルと同じ差し込み式

と伝えて頂ければ大丈夫な気もするけどね。

ロモグラフィーさんは実績がある会社なので、ちゃんとロモグラフィーのフィルムと伝えた方が良いと思う

早速3本ポチったから、近々実際に近所のカメラのキタムラに持って行って現像に出してみようと思っている。

結果が出たらまた追って報告予定。

まとめ

ロモグラフィーさんから新発売されたばかりの「LomoChrome Color ’92」を現行のLomo CN400と取り比べて比較レビューしてみた。

最近、色々な所からフィルムの提供や、用品の提供のお話等頂いて本当にありがたい。

今回の「LomoChrome Color ’92」もちろん個人でも購入して使っていこうと思った。

次に使う時は愛用している「LOMO LC-A」で使ってみるのも面白そうだね。

ポロサスクロコダイルレザーに張り替えたLOMO LC-A
LOMO LC-A

ロモクロームシリーズならではの「普段の日常をドラマチックに」写してくれるロモグラフィーさんの新作フィルム「LomoChrome Color ’92」

別にシネマ用加工のフィルムが悪いとかでは無いし、どっちが上とか下とかも無い。

このタイミングで「完全新規のネガカラーフィルム」を販売というのはとても凄い事なんじゃないかな。

ユーザーとしては新たなフィルムの発売はとても心躍る出来事。

是非皆さんも一度試してみて欲しい。

最後まで見て頂きありがとうございました。

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