期限切れフィルムを【ブリーチバイパス(銀残し)】自家現像してみた!

カラーネガフィルム自家現像

こんにちは「Kio」です。

皆さんは「ブリーチバイパス」とか「銀残し」って言葉を聞いた事あるかな?

最近だと、デジタルのエフェクトの一つでこの「ブリーチバイパス」「銀残し」が入っていたりすることがある。

僕が以前使っていたリコーGRなんかにもこのエフェクトが入っていて良く使っていた。

今回は期限切れフィルムを使って「ブリーチバイパス」「銀残し」と呼ばれる処理をMARIX C-41自家現像してみたのでその特徴や作例、処理方法、注意点等書いて行こうと思う。

はじめに

※まず、今回のMARIX C-41現像キットでの「銀残し」現像はMARIXでは想定していない使用方法であり、厳密な「銀残し」とは少し違うお手軽なお遊びであるという事を念頭に記事を見て欲しいと思います。

自家現像をやっている方等向けにちょっと面白い表現方法の一つとして紹介していくが、推奨している訳では無いので、試す場合は自己責任で行って下さい。

ブリーチバイパス(銀残し)の特徴は?

「ブリーチバイパス」「銀残し」は知っていたんだけど、ちょっと詳細を調べてみたら、日本発祥の技術で1960年の日本映画「おとうと」で初めて実用化された技術とあった。

→「銀残し」wiki←

因みに「ブリーチバイパス」とは英語表記、「銀残し」とは日本語表記で、基本同じ物。

面倒なので、本文中では以後「銀残し」と統一する。

この銀残しの特徴を簡単に説明すると

  • 高コントラスト
  • 低彩度

が大きな特徴で、ややくすんだ色味を出すことが出来る。

原理としては本来取り除くべき銀を残したまま現像をするという事らしい。

この技法は色々な映画でも使われているようだが、上記リンクwikiには

銀残しを使用した映画

  • おとうと(1960年日本)
  • 幸福(1981年日本)
  • セブン(1995年アメリカ)
  • 女と女と井戸の中(1997年オーストラリア)
  • エイリアン4(1997年アメリカ)
  • プライベート・ライアン(1998年アメリカ)
  • 39刑法第三十九条(1999年日本)
  • マトリックス(1999年アメリカ)
  • ケイゾク/映画Beautiful Dreamer(2000年日本)
  • どら平太(2000年日本)
  • 友へ チング(2001年韓国)
  • マイノリティー・リポート(2002年アメリカ)
  • リターナー(2002年日本)
  • 座頭市(2003年日本)
  • 父、帰る(2003年ロシア
  • ゴジラ FINAL WARS(2004年日本)
  • マニシスト(2004年アメリカ)
  • 宇宙戦争(2005年アメリカ)
  • フラガール(2006年日本)

wikipedia「銀残し」より引用

沢山の映画で銀残しの技法は使用されているようだ。

これらの映画の何本かは実際にみた事があるが、確かに少し高コントラストで低彩度、少しくすんだ様な色味が特徴的な映画ばかりだった。

写真では、現像処理だけでは無く、プリント時にこの処理を行う場合もあるようだが、今回はカラーネガでの銀残し処理をした写真の作例と方法を紹介していこうと思う。

期限切れフィルムでの「銀残し」自家現像作例

まずは作例を

この期限フィルムはそれぞれ以前通常の現像を行った記事リンクを貼っているので是非見てみて欲しい。

一本目は「何年期限切れかわからないFUJI Venus 400」を感度低下を加味してISO64として撮影している。

使用カメラ:PENTAX LX

PENTAX LX

使用レンズ:smc PENTAX-D FA 50mm F2.8 MACRO

現像液:MARIX C-41現像キット

スキャン:カメラのキタムラ

解体中の保育園の看板

こちらは梅が満開。彩度が落ちで落ち着いた雰囲気に

逆光

砂浜の貝殻アート 「きりん??」

波際に棒切れが刺さっていた

流れ着いた瓶

海沿いのサイクリングロード ここを走るの気持ちよさそうだ

今日持っていったもう1台のカメラ「minolta HI-MATIC 7s」

なぜか砂浜に一足だけ落ちていたアディダスのスニーカー

水門

貝殻 空の色が「碧」といった感じに

アジがある看板だ

二本目は「2006年期限切れFUJI SUPER 400」でISO80での撮影。

使用カメラ:minolta Minoltina-S

Minlltina-S

現像液:MARIX C-41現像キット

スキャン:カメラのキタムラ

日が落ちた後

これはちょっとしたハイキーに、露出失敗、、

これも独特の空の色

手袋が刺さっていた

キノコベンチ

工事中

期限切れフィルムMARIX C-41現像での「銀残し」現像感想

おぉ!!!

なんだか思ったより「銀残し」感は出ている気がする!

本来もう少しコントラストがあった方がよりそれらしくなる気がするが、期限切れフィルムを使用しているので少しコントラストは落ちているのはしょうが無いのかもしれない。

が、上記で書いた「銀残し」の特徴

  • 高コントラスト
  • 低彩度

は中々良い感じではないだろうか?

フィルムによる色味や描写の個性もちゃんとわかる。

特に人肌や空はそれっぽい感じになっている(気がする)

青は「碧」といった感じの色味に見える。

この写真を見た僕のイメージとしてはくすんだ感じと、通常の写真の上に透過する薄い銀の膜を乗せた感じ。

ちょっと前に撮った期限内の通常現像での写真と比べると色味も大分違うのがわかる。

そして、この銀残し、どこか見覚えがあるような気がしていたんだけど、以前から好きで使っている

「ロモクローム メトロポリス」

の写りがこの銀残しに近い印象を受けた。

MARIX C-41現像キットでの「銀残し」現像方法

次は「銀残し現像」の具体的な方法だが、その前にMARIX C-41現像キットの使い方のをチェックして欲しい。

このMARIX C-41現像キットの通常現像の処理工程は簡単に

  1. 発色現像 
  2. 漂白
  3. 定着   
  4. 水洗い
  5. 乾燥

なんだけど、今回「銀残し」をするにあたって上記工程「2.漂白」を丸々省いてある。

えっ?

これだけ??

「うん。これだけなんだ。」

先にも書いた通り銀残しとは「本来取り除くべき銀を残す」ので「2.漂白」で取り除かれる銀を残したまま処理するというお手軽方法。

漂白を省いた以外は、通常のMARIX C-41現像キットの処理方法と同じ温度、時間で処理してある。

MARIX C-41キットでの銀残しの注意点

ただ、一番最初にも書いている通り、本来の「銀残し」とはもっと専門的な特殊技術。

今回僕が試した方法はあくまでも素人がお遊びでやっている「なんちゃって銀残し」であるという事は理解して欲しい。

ただ、MARIX C-41自家現像をやっている方であればお手軽に「銀残し」を試せるので紹介させて頂いている。

そして、この銀残し処理をした後のネガは銀が残っているからなのか、僕が自宅で使っている家庭用のフラットベッドスキャナー「EOSON GT-X830」では読み取る事が出来なかった。

そもそも期限切れフィルムって現像後のネガが「昆布」みたいに黒くなっているのが影響したのかもしれない。

なので今回はキタムラで業務用フジフロンティアでスキャンして貰っているが、フロンティアでは何も問題無くスキャンして貰えた、、、いや、、、カールがきつくてスキャンし辛かったって言ってたな、、、毎回変なの持ち込んでスミマセンw

ただ、期限切れフィルムでは無いが、ちょっと前に120フィルムのPRO 160NSで同様の方法を試した時は家のGT-X830でも問題無くスキャンする事は出来た。

ROLLEICORD ⅣとFUJI PRO160NS、MARIX C-41自家現像、EPSON GT-X830スキャン。

この上記の写真もMARIX C-41現像キットで、「漂白」の工程だけ省き、温度や時間は通常通り処理してある。

最後に

今回は期限切れフィルムとMARIC C-41現像キットを使って「なんちゃって銀残し」現像を試してみたら思ったよりそれっぽくなったのでちょっと紹介してみた。

しつこいようだが、本来の使用とは逸脱した処理であるし、厳密な銀残しとは少し違うが、まぁそれなりに面白い色味は出てくれたとは思っている。

そもそも長期熟成でちゃんと色やコントラストが出ないとわかっている期限切れフィルムの消費を目的としてお遊びでやったんだけどねw

本当の銀残しを体験したい方は各現像所で受け付けてくれる所もあるので、そちらを使って欲しいと思う。

銀残しは少しくすんだような雰囲気で、少し寂しい感じの印象が出てとても好きな表現方法だった。

こうやって色々試して、遊んでみるのも自家現像の醍醐味の一つだし、それが趣味なんだから全く手に負えないね。

そこを自覚はしているので、更に質が悪いのだが、、、

今後も色々面白そうな事も含め色々やって行こうと思う。

最後まで見て頂きありがとうございました。

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